三宅理一のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
[冠たる都市の冠たる設計]卓越した都市計画の上に成立し、今日においても世界中の人々を魅了し続けるパリ。リシュリューやルイ十四世の時代にその淵源を求め、建築に関する数々のエピソードを紹介しながら、グランド・デザインの背景を探っていく作品です。著者は、フランス政府から学術交流の業績に対して学術教育功労勲章を受章している三宅理一。
都市計画に関する技術的側面のみならず、その背骨を形成した思想や価値観まで掘り下げて解説してくれているところが白眉かと。どのような歴史的推移を経てパリという街が成立したかが図面とともにわかりやすく解説されており、パリやフランスに興味を持つ人にとどまらず、広く建築に興味のある方にオススメしたい一冊です。
建築家が当時の宮廷グループの一員をなしていることが多かったこともあり、パリをめぐる「人間臭い」エピソードが魅力的なの点も本書の魅力の一つ。ただ建築的な才のみならず、コンペや役職を獲得するために政治的手腕を必要としたことや、土地取得のための利権絡む手続など、今日に置き換えても「ありそう」と思える話の数々が、本書を無味乾燥な解説書とは一味異なったものに仕上げていると思います。
〜ルーヴルから始まった一連の君主のための宮殿計画の行き着いたところが、世界の絶対中心としてのヴェルサイユなのであり、その後の時代はその絶対的秩序を緩やかに崩し、ロココ的な分散空間へと移っていくのである。〜
普段自分があんまり読むことのないタイプの本でしたが☆5つ -
Posted by ブクログ
普段、あまり私が手にとらないような本でした!
歴史や、今ある社会背景、様々な経緯があって、
今の日本や国外の詳細が記載されていた本でした。
動都ということで、あまり聞きなれない言葉ですが、
正直、そんなことよりやることあるだろ。というのが私の感想です(・_・;
色々と国を考えての手法なんだと思いますし、
実際、私のような者があーだこうだ言う権利も無いと思いますが,優先順位が違うからこそ?議題にも上がらないのかなー、と思いました。
確かに、現実的な話しになった場合には、
地域の活性化やインフラの向上等も考えられますし、
そこに来る人達が増えるので良いとは思いましたが。
ただ、それも税金からだよね?と考えてしまう私です。。。
記載もされていましたが、
市民は国を信頼してない中でどうやってこの議題を実行できるのかな、と。
初めての言葉や歴史等、知らないことだらけで、
色々と学びや思うことがある本でした。
なにわともあれ!「背景」が分からないと問題や事業も成り立たないと考えておりますので、そういった面で特に勉強になりました。
もっと勉強せねば(・_・; -
Posted by ブクログ
難しい本というか知らないことが多すぎてなかなか頭に入って来ませんでした。それだけまだまだ勉強不足なところがあると痛感しています。日本の人口減少や災害のことを考えると私も各地方が輝く動都はとても面白いアイデアだと思います。私は介護の仕事をしていますがデータでさ高齢化は2040まで高齢者の数が増えていますが現実的増えるのは東京や大阪で中山間地域や田舎はもう少しずつ高齢者の数が減って来ています。そこで各地域でのやり方ルールをその地域に合わせた考えをしていこうという地域ごとの流れが今後議論されていきますがこの動都は地域の活性化や災害の時の分散を考えていてなんとなくオリンピックを各国で誘致して開催するそんな雰囲気に似てるのかと思いました。日本という小さな国の中でそういった分散する力というのは今後もっと必要になると思いますし、日本の各都道府県だけの問題ではなく国全体としてどうやって今後の日本社会を住んでいる人の満足度を高めながら作っていくことはとても必要な事だと思います。最近では新卒の給料はとても優遇されていますが中間層の方たちの待遇はあまり良くなっていません。ほんの最後に書いてあって生産性を上げていくことで一人一人のできることを増やすことが評価につながる社会は絶対必要だと思いますし、その部分をどうやって作っていくか会社経営者も腕の見せ所なんじゃないかなと思っています。自分も日本に生まれて生活をしている一人なので地域が良くなることには協力したいとおもいますし、また自分たちの生業が少しでも良くなるように努力したいです。
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Posted by ブクログ
坂茂と都市化研究公室におかれた「動都」研究会議(光多長温、三宅理一ら)による「動都」の提言。東京一極集中の是正と地方創生、防災、政治と官僚の見直し、国会議事堂の大規模修繕・建替え等に対応し、日本をグレート・リセットするため、国会機能等の一部を4,5年の周期で移転する「仮設首都機能移転」。移転先は東京からのアクセスが良く、高次の都市サービス機能を利用できる東京からのアクセスが良い中枢中核都市、本書では浜松を想定した計画が提案。移転人員4500人程度(国会議員、秘書、国会関連職員、最小限の行政職員、警備諸君等)、建物面積8.6万㎡。デジタルを活用し多くをヴァーチャルで処理することを想定。
国会移転論華やかなりし頃、下河辺氏が「名古屋にビルを建てて収容すれば、それで十分じゃないか」という趣旨のことを言われていたこと、また「夏は那須高原、冬は南房総がいいね。」と雑談していたことを思い出した。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ花の都と呼ばれる大都市・パリの、都市計画の源流をみていくのが中心の本。
アンリ四世からルイ十六世まで、
ざっと五代の王の時代の建築と都市整備をたどります。
まず本書は、リシュリュー枢機卿という人物からはじまります。
鉤鼻で、権謀術数にたける策士といった風貌で、
デュマの『三銃士』では悪役として描かれていますが、
まあ、実際は権力争いで苦労しながらも生き延びた人でもあるようなので、
実際、政治力があった人物なのでしょうが、
その名もリシュリューという小さな町をつくっていて、
その街のすぐれた美的であり機能的であるデザインこそが、
その後のパリの都市整備(当時は「美装」と呼んだそうですが)の
源流と位置付けられそうなのでした。
いわば、結果的に、リシュリューは、
その後のパリの都市計画にむけた先駆的なイメージを持っていた。
建築も都市整備も、
そこに住んだり行き交ったりすることになる人々の動線を考えるし、
建物や街並みのデザインの美しさ・芸術性も考えて、
などなどいろいろな面をミックスして、
建築家の思う「これだ!」という良いところで落とし合わせて案として完成する。
そして建築アカデミーの会員たちのそういった案を集めたコンペ(設計競技)で、
実際に施工するデザインを決めているのですが、
そこには、権力争いや利権も絡んでいる場合もあったようです。
読んでいてふと思い浮かんだのは、
20年くらい前までが最後だろうか、
いい車を持っていることがステイタスっていう価値観がありましたよね。
そういうのを遡っていくと、
王様だとか宮廷貴族による宮殿などの建設、
つまり建築こそが、ステイタスを誇るいちばんの手段というところに行き着くなあと。
でも、一呼吸置いて再度、あたまの中をめぐらしてみると、
ステイタスを誇ることは確かにあっても、
芸術をそこに作りあげる欲望、美的な渇望があるなあとわかってきました。
また、話は逸れるけれど、こういうのがありました。
「効率を最大限とする近代的な合理性の考え方」なる一文が出てきて、
著者は「中庸の思想といえばそれまでだが」と引き取っているのだけど、
なぜそれが中庸かといえば、
合理性で失われるものを思考の内に入れているからですね。
たとえば豊かさを失しているわけです。
効率重視の合理化で
「お金が節約できたじゃないか!」
「時間が節約できたじゃないか!」
などの面ばかりを掲げて人々にそれしか見せないような現代において、
それが染みついてしまいほかに注意が向きにくくなっている中では、
自分たちの効率化の考えが中庸なものだとはなかなか気付けないわけですよ。
合理化を行使したことによってすべてを得られたんだ、
っていう感覚ってあると思うのです。
欲張りである我らの、その欲っするものすべてが手に入ったような錯覚。
それも最短で、というような。
そこのところをぐわあっと俯瞰して、
トレードオフの視点で見てみると、
やっとのことで「なんて中庸なんだろう」と気付けるのかもしれない。
そうなんですよね、
トレードオフっていう、
「何かを手に入れるとき」だとか
「何かを選択するとき」だとかに、
何を失うのか、なにが手に入れられないのかをしっかり意識しておく視点は、
木を見て森を見ずを回避するのに役立ちますよね。
閑話休題。
その時代時代で、いろいろな建築家が才能を弾けさせている一方で、
そういった建築家を抜擢する過程で政治があり、
事情があり、
うまく潮流にのって才能を形にできた人もいれば、
歴史に残らなかったけれど、
好人物だったり個性的だったりした人もいたかもしれない。
人の世とはそういうものだなあと最近は思いもするんですよ。
本書は表立ったところの、
パリが都市として成立するその風を感じられる感があります。
建築なんてほとんど追ったことのない分野ですが、
たまにそういう方面に触れてみるのも面白い読書体験になりました。
最後に一言ですが、
パリは下水施設の成立が遅く、汚くて臭かったという話を
たとえば『ブラタモリ』で聞きましたし、
それは本当だということですが、
そのあたりの話はありませんでした。
視覚的な部分に重きをおいた、パリの都市計画のお話でした。