高野麻衣のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
面白かった。著者のマンガと音楽に対する深い愛が伝わってきた。
ヤマシタトモコの作品の全部にイメージ曲があるなんて初めて知ったわ…コミック持ってるのに。
水城せとなのサエコの声についての話なんかも、面白くて印象に残った。
私自身はマンガから音楽を聴き取った(気がした)経験はないし、音楽を聴きながらでも余裕で執筆できるし、クラシックなんかは特別お気に入りの曲以外はまったく魅力がわからないんだけど、私じゃあそこに流れてる音楽を聴けないだろうな~と思いつつも、それでもここで紹介されているマンガの全てに目を通してみたくなった。(実際二冊注文した)
それに、自分が普段何気なく聴いている音楽がどんな種類のも -
Posted by ブクログ
MAG・ネットで拝見してから気になっていた高野さんの書籍がやっと読めたことがまず嬉しかったです。音楽と漫画はお互いがお互いを表現することは難しいと思うんですが、それをあえてするのは何故か、それが魅力的に思えてしまうのは何故か、すっきり解決する本でした。基本的には高野さんのお好きな漫画をたっぷり盛り込んで音楽と絡めて語るという形という、なんとも商業本というよりレポートに近い同人誌みたいで、さくさくと読み進めることができます。興味深いこともたくさんありました。なにより、こうして愛してる作品をリスペクトできることが素敵で、好きでたまらないという気持ちが読んでいて伝わる1冊でした。
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Posted by ブクログ
ネタバレp45「音楽は贅沢品だそうだから」
「でも、そこには、生きていくための希望がある」
p92「人生は一本の道だ。だったら、やりたいこと全部やってから死にたいなって。もし間違えても、生きてさえいれば、どこからでもやり直せる」
p173「俺はおまえの心を知らない。悲しみも知らない。どこまでいったって別々の人間で、近づけば近づくほど知らないことが増えていく。その隔たりだけはどうにもならない。でも、舞台の上で、同じ熱を感じたことがあるだろう。光を見ただろう。あのときは、確かに近くにいたんだ。だから、いつまでもおまえの心に居座り続けるその人に、嫉妬した」
p182「俺たちだって同じだ。俺たちが消え去り、い -
Posted by ブクログ
音楽文筆家、高野麻衣さんによる歴史小説。友人にしてライバスでもあった2人の天才音楽家、ショパンとリスト。東欧に生まれ、激動の時代を生きた2人の出会い、共演と化学反応、そしてすれ違いを描く。
大国に翻弄され、国体が激しく変化したポーランド。ただならぬ故郷への強い想いと悲しみと怒りを、創作意欲に昇華させたショパン。そして、陰を纏った存在である天才ショパンの懐に何とかして入ろうともがき苦しむリスト。 今となっては、2人の深い絆と関係性は想像することしか出来ないが、作品中には書簡も紹介されていて、楽しんで読むことができた。リストが晩年までショパンを慕い、尊敬していたエピソードは感動的である。
ワル -
Posted by ブクログ
ふたりとも天才であることに間違いないのだけれども、リストにとってはショパンって、仲間のようで、何か手の届かない高いところに存在していたのではないのかなぁ、と思ってしまう。その時代はベートーベンからシューベルトへ、そこにショパンがまったく新しいスタイルで、しかも自分ではどうやっても生み出せない旋律をこれでもかって、自分の目の前で展開していく・・・容姿端麗な天才ピアニスト、作曲家としても素晴らしい作品を数多く残し、その後の音楽界に大きな影響を与え続けた存在ではあるが、メロディーメーカーとしてはどうやってもたどり着けない孤高の存在として、あこがれと嫉妬が混在しながらも、友としてショパンを見守り続けた
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Posted by ブクログ
漫画と音楽との結びつきで生まれる「物語」へのいとおしさに溢れる文章。
音楽は日常のものであり特別なものでもある。あるときは登場人物に自分と同じ日常を見出して喜び、あるときは自分の知らない未知の世界を夢みて憧れる。いったん読み手の想像力に火をつければとどまるところを知らない世界が、著者ほどには漫画を知らない身からは少しうらやましくもある。いつか読んでみたい漫画のストックがたくさんできました。
音楽によって象徴される人物像はいわば「フード理論」の音楽版といったところか(本文中でも触れられていた)。善人は鼻歌をうたう、合唱すれば仲間、そんな読み解きもおもしろい。「23番」や「独断によればト短調」のあ -
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