小沼丹のレビュー一覧

  • 椋鳥日記

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    4月末のロンドン。赤い二階バスも通る道に面した家に越してきた主人公が、何気ない日常や不思議と懐かしい人々・風景の姿を綴る。

    のんびり、淡々とした、日記(随筆?)風の小説集。
    読んでいて「これは著者の実体験なのかしらん?」と何度も思ったが、一応「小説」であるらしい。

    何気ない日常のよしなし事が、淡々と綴られる。その筆致はどことなくとぼけているようでもあり、かと思えば思いがけずしんみりとすることもあったりと、淡い色に彩られており、目に優しい鮮やかさ。
    昼間からビールを飲んだり、移民局にて「仕事はない」と言い切ったり(一体どうやって生活していたのだろう? 著者本人は客員教授のようなものでロンドン

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    2011年08月28日
  • 黒いハンカチ

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    ノンシャランなめがね女子、ニシ・アズマ先生萌え!
    海辺を舞台にしたトリッキーな短編など。
    空き時間に職場にキープした部屋でお昼寝しちゃうなんて、いいご身分だなあ。

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    2010年07月17日
  • 黒いハンカチ

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    北村薫が帯を書いたことで、復刻文庫が非常に売れたのではないだろうか?男性作家さんなのに、非常に女性的と云うか優しい文体。暴れないのにハッとさせられる、小気味の良いミステリーだ。

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    2010年04月13日
  • 黒いハンカチ

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    日常ミステリの走りだそうです。どちらかというと井伏鱒二との繋がりの方から出てくる名前だと思いますが。

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    2010年03月06日
  • 黒いハンカチ

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    この本は昭和32年4月~33年3月頃に連載された連作短編を纏めたものです。女学校の英語教師を主人公兼探偵役としたミステリーとなっています。
    書かれた時代が古く、21世紀の今となっては古典となります。文体や漢字表記もちょっと取っ付きにくいかもしれません。
    事件は大きかったり小さかったりですが、比較的主人公の身近な事件が取り扱われます。そういう意味では、北村薫に代表されるような日常の謎派の先駆けとも言えるかもしれません。

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    2009年11月15日
  • 黒いハンカチ

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    通勤(五分)のともに。のどか・・・死人が出るも日なたほかほかな時代観とニシ・アズマさんのひょうひょうとした感じが始終のどか。さらさらと飲み込めすぎて、日差しが丁度良すぎて、読んでてちょっとうとうと。表紙がイイ感じに作中の空気のまま。

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    2011年07月28日
  • 村のエトランジェ

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     大学生になったばかりの頃、僕はひと夏、宿屋の管理人を勤めたことがある。宿屋の経営者のコンさんは、その宿屋で一儲けして、何れは湖畔に真白なホテルを経営する心算でいた。何故そんな心算になったのか、僕にはよく判らない。
     ……湖畔に緑を背負って立つ白いホテルは清潔で閑雅で、人はひととき現実を忘れることが出来る筈であった。そこでは時計は用いられず、オルゴオルの奏でる十二の曲を聴いて時を知るようになっている。そしてホテルのロビイで休息する客は、気が向けばロビイから直ぐ白いヨットとかボオトに乗込める。夜、湖に出てホテルを振返ると、さながらお伽噺の城を見るような錯覚に陥るかもしれなかった。
     コンさんは、

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    2009年10月04日
  • 黒いハンカチ

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    小沼丹が推理小説を書いていたなんて…!と古本屋で出合った一冊。
    北村薫さんのベッキーさんシリーズがお好きな方にはおすすめします。

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    2009年10月04日
  • 黒いハンカチ

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     玄関を出るとき小間使いの婆さんに会った。婆さんは,ニシ・アズマが太い赤い縁のロイド眼鏡なんか掛けているのを見ると,狼狽てて呼び留めて,その眼鏡を掛けると先生の器量が三分の一は割引されるから止めた方がいい,と毎度の忠告を繰返した。事実,美人とは云えぬが愛嬌のあるニシ・アズマの可愛い顔にその眼鏡は似合わなかったが,ニシ先生は一向に平気らしかった。
    (本文p.16)

    ※ひとこと※
    A女学院のニシ・アズマ先生は,眼鏡を掛けると女探偵に大変身!……なんで眼鏡が要るのかなと思ったら,あとがきでちゃんと著者がひとこと述べていました。

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    2009年10月04日
  • 椋鳥日記

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     約束した日の四時頃,デイヴィッドは秋山君を案内役として訪ねて来た。酒を飲むのだから地下鉄かバスで来いと云って置いたのに,車で来たと云って笑っている。歯の具合は益宜しくないが,客を招いて置いて相手をしないのは紳士道に悖るだろう。歯が悪いから何も口に入れたくないが,ウイスキイは液体だから歯に関係は無い。
    (本文p.113)

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    2009年10月04日
  • 黒いハンカチ

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    小沼丹氏の推理ものです。面白い。
    小品ながらきれがあります。
    いつもの随筆にはあまりない女子の描写が楽しい。
    ニシ・アズマをはじめ、みんなくるくるとよく動き
    とてもかわいらしいのです。

    私は氏の随筆のファンですが
    やはりここでも、いつもの優しく軽快な文体が見られてうれしい気持ちになりました。

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    2009年10月04日
  • 黒いハンカチ

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    ミステリとしてはそんなにガチガチなものではない。が、この文体と語り口がかなり独特なもので読んでいてほのぼのしてくるしこの世界に長く浸っていたい気持ちになってくる。ニシ・アズマ先生のキャラも飄々としてるというかなんというか…いいねー。

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    2009年10月04日