西岡研介のレビュー一覧
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★第2弾だからこその厚み★前作「マングローブ」を読んでいないので重複する部分がどの程度あるのかは知らない。JR東労組から3万人超が脱退した異常事態の裏側を描き、同じ総連系ながら、触れられることの少なかったJR北海道労組の今も残るいびつさを描く。あとがきの最後にあったように、北海道の話をメインに書きたかったが、読者が限られるので東の現在進行形のトピックを先に持ってきたのだろう。東の話を書いた本は多いが北海道は少ないだけに貴重だ。取材の蓄積と歴史観に強みがある。
東については、経営側が労政転換をして組合をつぶしにかかったといっても、そんなに組合員が一致団結して脱退するわけではない。法令違反かもし -
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JRではいまだにこんな歪な労使関係がまかり通っているのかと、唖然としながら読みました。
わが(筆者は北海道出身、在住)JR北海道では、経営側が労組の言いなり。
たとえば、乗務員らのアルコール検知器を使っての検査も組合側の抵抗(!)で義務化できず、実現したのはようやく2012年になってからです。
ちなみにこの労組とは、JR北海道労組。
組合員が他の組合に属する組合員と口を利くことを許さず、結婚式にも出席するのはご法度というのですから、あまりにも偏狭です。
世間の常識とかけ離れた組合と言わざるを得ません。
もっとも、歪んだ労政を転換しようとした経営者もいます。
しかし、労組の抵抗に遭い挫折。
しか -
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極左暴力集団として中核派と並ぶ核マル派が実はJR東日本及びJR北海道を支配している-2007年に週刊現代の連載で、核マル派とJR東日本の関係性を暴き、高い注目を集めた著者による続編ルポルタージュが本作である。
本作ではJR東日本という会社がどのように核マル派に支配されたのか(その問いは逆に同じ本州のJRであるJR東海とJR西日本ではなぜ支配されなかったのかという問いと表裏の関係にある)を、JR民営化からの歴史を踏まえて明らかにする。そして、2018年になって3.5万人ものJR東日本の組合員が労働組合に嫌気が差し脱退・労組未加入の状況に置かれているという日本の労働史上、前代未聞と呼んでも良い事 -
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革マルとの闘い 組織の存亡を賭け、多くの人材を喪失する 費やすエネルギーは虚しいが現実
国鉄の分割民営化は革マル潰しが本質
日本国を挙げた戦争と言っても過言ではない
JRになっても各社それぞれ戦いを継続
JR東日本は委員長の死に合わせて戦闘モードへ
JR北海道は革マル組合が協力でより深刻
36協定拒否から2011年9月に中島尚俊社長が自殺。そして2014年1月に坂本眞一元社長と2人の社長経験者が相次いで自殺を遂げた。2018年1月には、将来の労働組合幹部候補と言われていた組合員も「謎の死」を遂げている。組合としては戦勝。
菅義偉官房長官の方針を嶋田社長が現実化
技術系トップが組合と親しく混乱 -
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仰天スクープはこうして誕生した!
東京高検検事長のクビを取り、首相を窮地に追い込んだ、 若き「ゲリラ記者」の東奔西走奮闘記!
1999年4月9日付朝日新聞朝刊は、一面トップでこう報じていた。
「東京高検 則定検事長に【『女性問題』最高検、異例の調査へ 進退問題に発展も」
記事を読み終えると、すぐさま私はA子さんの携帯に電話。早朝の電話に困惑する彼女に、動揺を抑え、こう言った。
「今からすぐに荷物をまとめてください。今後少なくとも1週間はホテルで生活してもらうことになると思います。1時間後に迎えに行きます。理由は後で説明します……」
法務・検察当局や国会、そしてマスコミを巻き込み、その後1ヵ月 -
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JR東日本労組「3万5000人大量脱退」、「JR革マル」対「党革マル」の「内ゲバ」、北海道の社長2人と組合員の相次ぐ「謎の死」の真相とは。
事態の裏側で、いったい何が起きていたのか。
この取材力。ジャーナリズムってこういうことなのかと衝撃を受けた。労働組合から抜けた職員を勤務時間中に拉致、そして駅の外にいる非番の組合員に引き渡す。組合を抜けるなら会社を辞めろと恫喝(刑事事件で有罪)。結婚式の招待客に敵対組合員がいるからという理由で集団欠席。社長の自殺が二度も続く。JR駅員さんの笑顔の裏にこんな苦労とゴタゴタがあっただなんて。しかも現在進行形で問題は抱えたままという。日本の闇ってすぐ近くにある -
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ネタバレ日本には、いまだにこんな労組と経営者がいるのだろうということは、まあ、知ってはいるのだけど・・・。JRだけではないということも知っている。でも、ひどい。
JRに巣食う「革マル」。虎の威を借る労働者。保身と自らの出世だけに関心がある経営者。両者がつるんで、国民の安全をないがしろにし、税金を強奪する。民営化前から続く、その癒着ぶり、異常さを暴く。21世紀の話とはとても思えない、拉致、暴力、策謀・・・・。
革マルが指導してきたJR東労組はついに組合員が大量脱退し、少数組合に転じたが、それまでは第一組、連合の中でも最大単組だったという。それはなぜか? 著者はあとがきでこう言う「実直で、従順 -
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いったい、あの労働組合の存在はなんだったのか。
内部にいても全然わからなかった。
2018年初、まず地方支社から雪崩をうって労働組合脱退が各職場で始まった。
当時、まだ長野支社にいた俺は、
「電力はすでに終わった」
「設備で残ってんのはウチだけだ、とにかく急げ」
との声を聞いていたい。
たしか2月か3月か、所員集まって一人ずつ届けを出して、晴れて労働組合から脱退した。
その時は、なんでこんな話になってるのか全く知らなかったが、あとから原因は、会社に対してスト権を打つという組合への反発だったと知る。
4.69万人を誇った自称世界最強の労働組合は2019年初までに脱退者は3 -
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ネタバレ今まで知ることのなかった、JR(旧国鉄から)の経営と労組の複雑な関係を知ることができました。
安全第一で業務にますっぐに取り組んでいるだろうと思っていた会社が、このような労組間の闘争にあけくれている事態だったとはとても複雑な思いです。
特に、JR北海道での社長二人の自殺や、ステンレス733系とアルミ735系導入にあっての裏があったとは。
K沼さんの開発本も読んでいて、北海道も頑張っていると単純に信じていましたが・・・残念でなりません。
労組に遠慮しての経営で安全が守れるのでしょうか?
JRに乗るのが不安になってしまいます。
やはり規模の大きな会社となるとどこもこうなのでしょうか?
中小企業に勤