久保田展弘のレビュー一覧

  • 荒野(あらの)の宗教・緑(みどり)の宗教 報復から共存へ

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    ネタバレ

    [ 内容 ]
    生存困難な荒野で、絶対的な神をつくり上げた一神教世界。
    そこでは“厳格な戒め”の下、神の救済が説かれ、報復が神の名のもとに肯定される。
    一方、豊かな自然観が神々を生み出した多神教世界は、異質な価値観に寛容であり、特に日本では、いのちの共存をはかる“おだやかな救済論”が育まれてきた。
    世界各地を歩き、そこに生きる人々のありようを見つめ続ける著者は、互いのいのちの存在を認識する多神教の宗教観を“緑の神学”として提示し、世界はそこに立ち戻るべきと説く。
    縦横に思索を広げた比較宗教論。

    [ 目次 ]
    序章 なぜ戦争が肯定されるのか
    第1章 ユダヤ教―神に選ばれた旅人の宗教
    第2章 キリ

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    2011年04月23日
  • 日本多神教の風土

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    日本の神は、その場の神であり気配であるという。神像はあまり普及しなかった。本地垂迹説は、仏教が日本の風土によって変質させられたものである。日本人の宗教観は、森羅万象と一体となるというもの。死は、宇宙の源に帰るということなのだ。過酷な砂漠に生まれた一神教とは明らかに違う。豊かな自然が多神教を生み出したのだ。さて、我々はどうしていけばよいのだろうか。世界観、宗教観の違う人々とどうしていけばよいのか。どう生きればよいのか。いろいろと考えてしまう。

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    2019年09月20日
  • 寂聴の仏教入門

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    日本の仏教を知りたくて読み始めたが、インドから始まる仏教のルーツについての話が多く、求めているのとは少し違った。仏教が伝来した時すでに日本には信仰のようなものがあっただろうという話、日本の仏教は神仏一緒くたになっているという話が面白く、印象に残った。

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    2011年06月28日
  • 寂聴の仏教入門

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    寝る前に少しずつ読んでいる。
    分かりやすく語りかけてくれる。寂聴さんの話から、仏教の考え方に触れることができる、とても良い本だ。
    今東光の『毒舌仏教入門』を読んで瀬戸内寂聴を知った。
    彼女の小説はまだ読んだことがないけれど。

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    2010年02月17日
  • 寂聴の仏教入門

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    「仏教入門」とあるが、仏教にまつわる対談式のエッセイというところ。枯淡で飾り気のない寂聴氏の人柄が偲ばれる。

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    2023年11月17日
  • 仏教の身体感覚

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     いかにも「ちくま」らしい本。
     仏教のいろんな流れ、バリエーションがきちんと抑えられている。体感をキーワードとしている点が目新しい。
     最初の方ではなにかしら「すかした」ような文体が気障に見えたのだが、いつしかその静謐な語り口に引き込まれていった。文章が生理的に合うようなら、上質なエセーとも。
     

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    2018年11月04日
  • 仏教の身体感覚

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    [ 内容 ]
    仏教は、呪術性と身体性を強めることによって、人々を救済する宗教となった。
    たとえば、坐禅。
    あるいは、念仏。
    こうした呼吸法をともなう身体感覚をつうじて、仏の教えははじめて深々と腑に落ちる。
    宗教とは信仰の世界の話であり、論理の積み重ねだけで語ることはできない。
    仏教は、老病死に向き合う高齢者にどう応えられるのか。
    生きることに虚しさをおぼえる人々に、どう語りかけることができるのか。
    現代から、あらためて問う。
    身体感覚から読み解く仏教史2500年。

    [ 目次 ]
    第1章 ブッダとダルマ―仏教を実感するとき
    第2章 縁起・空、そしてこころの変革
    第3章 仏教の変容と救済―インド

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    2014年10月30日