今西錦司のレビュー一覧

  • 生物の世界

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    機械論的ダーウィン進化論に対して新たな視角を提供した著者の論理展開は、読んでいて非常に良い頭の体操となるものであった。同時に、人間の審美眼をくすぐるような蝶の美しさや貝殻の模様の微細さ等、目的論的に捉えないで自然淘汰の論法に一辺倒した場合には、ナンセンスとなりうる事象が、今日の自然科学では垣間見ることができるのも事実だと感じた。
    社会科学に携わることが今後多いだろうと思われる自分にとって、構造的解釈に囚われすぎずに目的論的解釈の意義を見直す余地が生まれたことは大きな収穫であったと言ってよいだろう。

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    2012年12月12日
  • 人間以前の社会

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    [ 内容 ]
    社会をつくるのは人間だけではない。
    トリやケモノには、順位制、テリトリー制、リーダー制、分業制などの社会的形態がある。
    それは人間の社会をより下等にしたというものではなく、人間の感覚からははかりしれない独自の論理をもっている。
    ダーウィン進化論の人間中心主義に疑念をもつ著者による興味深い生物社会論。

    [ 目次 ]


    [ POP ]


    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時

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    2011年05月15日
  • 生物の世界

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     単なる生物学の本というより哲学の本として読んでいました。この世界にあるもの全てが違っていて、全てがどこか似通っている。世界のつながりを考えさせてくれる本です。

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    2017年08月16日
  • 今西錦司 生物レベルでの思考

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    ◯山極先生つながりで今西錦司の本を手に取ってみる。この本はかなり不思議な本である。元々この文庫本の思想がそうであるようだが、自然科学者のエッセイを文庫本としたようだ。まとまりがあるようでないような内容だった。
    ◯ただ、この著者のことはよく分かる。自然が大好きで、ちょっと変わった人で、頭の良い野生人と言った感じだった。
    ◯とりわけ山に関する記載が多い。このエッセイの一部を読んだ人は、冒険家か探検家と勘違いするのではないだろうか。
    ◯最も気になったのはオスについての記載である(ここ最近の関心事でもあるので)。オスが力を持て余し、それを吸い上げられて戦争を起こしているという。そんな発想は中々ないが、

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    2020年08月01日
  • 今西錦司 生物レベルでの思考

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    生物学を基礎におきつつ展開される、様々な視点がとても興味深かった。
    中には同調しがたい考えもあったけれど、それでも、こうして裏打ちされたものがあると、それもある意味ありかもと納得できるところが、やはり違う。
    そして、文章が面白い。初めて読んだけれど、結構好みだった。
    朝永、寺田、中谷に続くヒットだった。

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    2019年08月06日
  • 世界の歴史〈1〉人類の誕生

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    歴史というより人類学な第一巻
    文庫版は変更しない方針とはいっても
    1968年そのままはさすがにきついものが
    全体の構成はさすがの一冊

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    2018年11月13日
  • 生物の世界

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     久しぶりに「生物学」関係の本を手にとってみました。著者は「棲み分け理論」で有名な今西錦司氏です。
     現在では、本書で提唱されている今西氏の棲み分け理論や生態学的進化論は広く支持されている学説ではないとのことですが、生物社会学ともいうべき科学哲学的著作としてはユニークで、なかなか興味深いものではありました。
     加えて、「序」にて語られる今西氏の本書執筆への思いは特に印象に残ります。それは、拡大する戦火を前に、いつ果てるとも知らぬ自らの足跡の今を書き留めておきたいとの強烈な意志でした。

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    2013年05月20日
  • 生物の世界

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    ★3.5。
    ただ戦前に書かれた奇跡に敬意を表して★4つ。
    解説にて哲学云々と解説されているように、生物学の話というよりは科学者としての立ち位置・決意表明と理解すべきだろう。
    そうであれば時代が古い云々という議論はナンセンス、科学的態度の本質というものは今も昔も何も変わらない。
    この本は間違いなく一級品、★が5つでは無い理由は単純に当方の理解力不足によりこの本に完全には追いつけない、ただそれだけです。

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    2013年02月10日
  • 生物の世界

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    難読かつ論理の展開が圧倒的で呼吸をしていない。戦前に書かれた書物とは思えないほど、哲学的で自創的である。

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    2016年08月22日