坂井達朗のレビュー一覧
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学問をすれば、誰もが賢人になれる。
日常生活に役立つ実学を学ぶ。
暴虐な政府の支配を受けたくないならば、学問に志し、自らの才知と徳行を磨いて、政府と同位同等に向かい合える力を持つ。
国民に独立の気力がなければ、独立国家にはなれない。まずは国民一人一人が自立しよう。
国民と政府とのあり方について述べている部分が多いのは、国がまだ若いからだと考えている。しかし、今にも通用する考えであることが分かる。
道理を説いて政府に迫るのが上策。むやみに命を棄てても文明には何ら役立たない。
自分の考えで他人を束縛してはならない。
衣食住が安定して独立したということではない。未来へ文明の恩恵を遺す。
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ネタバレ福沢諭吉は日本のため、強いては日本人のためを強く思う人格者だと思う。
明治の頃からの悩みは現代まで続いている。昔も現代も日本人は時代は変われど本質は変わらないのかもしれない。
福沢諭吉はひどく日本の未来を心配していた。その結果が現代に現れているように見える。少子化、外交問題、働き手の不足と鈍化、学び、日々の生活に活かす生き方をしない保守的で受け身な若者達。今の福沢が見たらどんなに悲観するだろうか。それとも、それでも自らがまた先駆者となって教鞭を振うかもしれない。本当の学びを知らない今の若者が多くいる日本はこれからどうなるのだろうと、これからの私達が今直面していて最も考えて行動に移さなければなら -
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もう10年早く読みたかった。読書をするのに遅いということはないが10年早く読んでたら今だいぶ変わってたかもしれない。なぜ人間は学問をするのかから始まり、それが政治と人民との関係や国と国関係にどう繋がるか。そしてそれを踏まえた上で人はどうあるべきか。当時の福沢諭吉の思いを訳文からでも充分強く感じれる。例えば本文でこれは私福沢に与えられた使命なのです記し、本作に並々ならぬ思いを注いでいたことが伝わる。当時専制政治の慣習が抜け出すがまだその慣習が残ってあた時代。人民に不安を感じ、外交に不安を感じていたということも伝わる。少なからず人生の見方を変える一冊だと思う。リピートしたり原書も読みたい。
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「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず」
この書き出しから本書を知る人は多いだろうが、おそらく最後まで読んだことのある人はどれほどか。
斯く言う私も、この少々偽善的な出だしが苦手で敬遠してきたのであるが、機会を得て読んでみれば、全く思っていた内容と違い、衝撃。
昨今の日本について常々思っていたことが、驚くほどそのまま書かれていた。
国内外が不安定である今こそ読むべきと思える一冊。
もちろん細かな点では現代に合わない部分もあるかもしれないけれど、それでも、一体いつの時代に書かれたのかと疑いたくなるほど、今の日本が抱えている諸問題に対する答えが多くある。
逆に言えば、100年以上もこの国と国 -
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なぜ学問をするのか。そして、学問を修めた者の責務とは何なのか。福沢諭吉はその答えを、「文明の進歩のため」そして、「国家の独立を得るため」としている。
学んだものは、活かさなければならない。少し学んだだけで、それをただのステップにして職に就き、日々の暮らしを保つのに腐心するだけでは、個人はそれでいいだろうが、文明が進歩するのに寄与するには至らない。福沢は例として、世の中のすべての人が、自分の家計をやりくりすることのみを考えていたとしたら、新しいものは生まれることなく、ずっと同じ文明水準のまま時代が過ぎて行くだろうとしている。
原書は明治初期に著されたものである。元々、小冊子のような形で短 -
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チコちゃんは聞きます。
「学問のすゝめ」は何を書いている?
「学問のすゝめ?知ってるよ。天は人の上に人をつくらず、人の下に人をつくらず、というヤツでしょ?明治の四民平等を広めた人だよね」
そんな風にドヤ顔で答えてくる一般人のなんと多いことか。
ボヤーっと生きてるんじゃねーよ!
その人に聞きます。「貴方は学問のすゝめを最初から最後まで読んだことがありますか?」
おそらくほとんどの人は読んでいない。私も、大学のゼミで、半年かけて読むまでは、福沢は四民平等を訴え、自由民権運動を理論面から支えた人だと思っていた。ところが、最後まで読むと福沢は自由民権運動にほとんど関心を持っていないことがわかる。何故 -
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賢人と愚人との違いは、学ぶか学ばないかによって決まる。
やらなければならないのは、日常生活に役立つ学問。
自由と我がままとの境界は、他人に迷惑を掛けるのと掛けないのとの間にある。
権義があれば、それに伴う義務があるのは当然。
独立というのは、自分で自分の身を支配し、他人に頼る心のない状態を言う。
人民の独立の気力、これこそが、文明の精神であり、最も重要な物。
明治初期、西洋諸国の脅威により、一歩間違えば国の独立が危うい時代において、なんとか人々に啓蒙を、という福沢諭吉の熱い思いが伝わってくる。
150年たって、さすがに現代にそぐわない内容もあるものの、論の骨子は、今の時代に生きる我々にも考え