福永文夫のレビュー一覧

  • 大平正芳 「戦後保守」とは何か

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    子供ごころに首相として最初に認識した人物で、在任中に亡くなったという以外、あまりイメージは持っていなかった。たまたま、今年の夏休みに旧師を訪ねた際に、私の先輩にあたる、という由で話題に上った。カーターかキッシンジャーか(どっちか忘れた)が信頼を寄せていたとか、周恩来が褒めていたとか、人物的な評価があったというような話だった。また、首相も自民党顔の人に替わったところだし、普段はあまり読まぬ政治家の評伝を読む気になった。

    讃岐の貧農(は少し言いすぎで中の上の農家だったようだ)の倅。政治家としては貧しい家庭の出身だが、奨学金で東京商大に進学して大蔵官僚を経て政治の世界に入る。

    官僚時代に中国駐在

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    2018年11月05日
  • 日本占領史1945-1952 東京・ワシントン・沖縄

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    我が国の占領期の話。敗戦からサンフランシスコ平和条約までの通史である。副題のように、東京、ワシントン、沖縄のアクターについて書かれている。
    現在における安全保障、沖縄の基地問題の起源を探るには簡潔に書かれており、良い本だと思う。しかし、東京とワシントンのアクターにのみ重きがあり、沖縄がオマケというように書かれている点が残念。もしかしたら、沖縄についてこれ以上書くことが無いのかもしれないが。

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    2015年10月23日
  • 日本占領史1945-1952 東京・ワシントン・沖縄

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    ネタバレ

    この一言に要約されるでしょう。「日本占領は連合国の占領でありながら、実質的にはマッカーサーによるアメリカの単独占領であった。」ところで、以前NHKの番組で終戦直後に進駐してきた米軍が、舗装されていない地方をトラックで走っているところが映っていたのですが、そのとき日本人のすべての人が、米軍に背を向けていたのがとても印象的でした。でも暫くしたら、日本人の米軍に対する態度は180度変わったのですね。なんか悲しいですね。戦後の米ソ冷戦構造が単独講和に向かわせたのですね。

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    2015年02月28日
  • 大平正芳 「戦後保守」とは何か

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    2014年度秋学期輪読。最後の2回で怒涛の追い上げでなんとか年度内に読み切る。「含羞の政治家」という大平評はだいたい妥当かしら。とまれマスター学生による報告もこれでおしまい。来年度はどうしようなかなあ。

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    2015年01月24日
  • 大平正芳 「戦後保守」とは何か

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    地元の駅ビルで購入する。大平元首相は、気になる政治家です。城山三郎さんの最後の仕事は、大平元首相の伝記でした。にもかかわらず、何も知らないのです。ですから、気になるのです。正直、失望しました。出来の悪い本ではありません。読みやすい本です。にもかかわらず、失望しました。理由は簡単です。僕の期待値が高すぎたのです。政治家になる前の大平氏のことが分かったのは収穫でした。池田、前尾と異なり、主税畑ではなく、主計畑なんですね。また、強固な均衡財政主義者のようです。失望したのは、長富補佐官です。長富補佐官のことは言及されています。ただし、具体的に、この本を読んだだけでは、何をしたのか分かりません。この人脈

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    2013年10月03日
  • 大平正芳 「戦後保守」とは何か

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    獨協大学法学部教授の福永文夫(日本政治外交史)による大平正芳の評伝。

    【構成】
    序 章 「戦後の総決算」の主張
    第1章 青少年期-人間と思想の形成
     1 生い立ち
     2 大蔵官僚として
     3 大平と「戦後」の出発
    第2章 「保守本流」の形成-宏池会の結成
     1 秘書官から政治家へ
     2 池田政権-新しい保守主義
     3 大平外交の展開
     4 佐藤政権-宏池会の「冬の時代」
    第3章 宰相への道-「三角大福」派閥抗争の時代
     1 大平派の誕生
     2 田中政権の成立-盟友と外交
     3 三木・福田政権-激化する派閥抗争
    第4章 大平政権の軌跡
     1 宰相大平正芳の誕生
     2 波乱の船出
     3 苦闘の宰

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    2011年06月20日