山口昌男のレビュー一覧

  • アフリカ史

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    紀元前から1970年くらいまでのアフリカ通史。地中海に面する北アフリカは文化の流れが違うので、この本ではあまり触れられない。ヨーロッパから見たアフリカの歴史ではなく、民族に伝わる神話などから伝わる歴史。地名や民族の名前や人名なんかも耳馴染みがなくて読んでて楽しい。

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    2025年10月30日
  • アフリカの神話的世界

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    山口昌男
    1931-2013年。東京大学文学部国史学科卒業後、東京都立大学大学院で文化人類学を専攻。東京外国語大学、静岡県立大学、札幌大学の教授を歴任。「中心と周縁」「スケープゴート」「道化」などの概念を駆使して独自の文化理論を展開した。『天皇制の文化人類学』 『文化と両義性』 『文化の詩学(I・II)』 『知の遠近法』 『「挫折」の昭和史(上・下)』 『「敗者」の精神史(上・下)』 『いじめの記号論』 『道化の民俗学』 『内田魯庵山脈(上・下)』(以上岩波現代文庫)、『アフリカの神話的世界』 『知の旅への誘い』 『文化人類学への招待』(以上岩波新書、『知の旅』は共著)など著書多数。

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    2024年01月16日
  • アフリカの神話的世界

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    ネタバレ

    アフリカの神話における「いたずら者(トリックスター)」を題材として、彼らの神話の構造と意義を解説した書。著者がフィールドワークで収集したものも含めた様々な部族の「いたずら者」の物語を紹介しつつ、それらを構造主義の視点から比較・分析する。
    本書は、アフリカ大陸で語り継がれる神話――その中でも最も大きなウェイトを占める「いたずら者」の神話を扱ったものである。東はエチオピアのアニュアック族から西のコードジボワールのアニー族まで、アフリカの諸部族で語られる「いたずら者」の神話を文字通り東西横断して収集し、構造主義的分析を行っている。なお、本書の内容は著者の過去論文「道化と民俗学」中「(六)アフリカ文化

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    2021年09月07日
  • 道化的世界

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    分類の項目にしてしまうほど私に影響を与えた。
    道化というものは、人々の周りを回ってきゃっきゃと笑わせているが、その道化がいつの間にか輪の中心にいることがあるというこの話は、本当に勇気づけられた。

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    2013年12月04日
  • アフリカの神話的世界

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    ネタバレ

    アフリカは南アフリカしか行ったことがないので、
    アフリカの神話を聞いても、ピンと来ないところがあります。

    アフリカの神話と他の地方の神話との比較をする際のきっかけになればと思いました。

    日本でアフリカを調べることは難しく、アフリカに行く機会も少ない。

    一度は、エジプトは行ってみたいと思っていましたが、
    本書で紹介のある地方へは、行ってもいいかなという気になりました。

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    2012年08月22日
  • アフリカの神話的世界

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    ユング派の臨床心理学者である河合隼雄さんの著作にはトリックスターという言葉が頻繁に出てくる。トリックスターという考え方はユングが発案者だからだ。
    しかし、河合さんは山口昌男さんがトリックスターという言葉を使いはじめたのを知って自分も使い出したと告白している。
    具体的にはここ、
    p19「妖怪に策略で立ち向うという構造においてはヤマトタヶルの場合も、スサノオノミコトの場合も、基本的にはトリックスター「いたずら者」の英雄のパターンの上に成立しているということができるのである」
    河合隼雄さんの「ブックガイド心理療法」の「アフリカの神話的世界」の紹介に、この文章をみて、自分が封印していた日本神話というテ

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    2024年10月15日
  • アフリカ史

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     あの山口さんが、歴史シリーズの一冊として ”アフリカの歴史に関する本” を書いていたとは全く知らなかった。元版刊行は1977年なので50年近く前のこと。今でも日本ではアフリカ史に関する本はあまり刊行されていないが、この当時ではなおさらだっただろう。
     著者は、「はじめに」でアフリカの歴史について次のように言う。「アフリカの歴史は、かりに、それがユニークな位置を、人類史の中で持つことができるとしたら、アニムスで固められた、他の諸大陸の文明史に対して、アニマの位置、つまり深層の歴史を垣間みせるところにある。いわば、論理とか、実証とか理性とか、機械的時間で固めて、人間の意識の真の土壌から切り離され

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    2023年10月02日
  • アフリカ史

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    アフリカは暗黒大陸で近年まで未開のエリアというようなイメージを描きがちではあるが、ヨーロッパやアジア諸国同様、いろんな王国、帝国が興亡を繰り返し、地域独特の文化を育んできたことがわかる本である。

    黒人奴隷というのも、単純にヨーロッパ敵国がアフリカの人々を浚って行ったのではなく、アフリカの列強が商品として奴隷を輸出していたと言う事もよく判る。

    著者独特の語り口で読み物として面白い本だが、たんなる読み物ではなく、著者自身が描いたスケッチや詳細な図版が随所に挿入されており、本格的な歴史書になっている。フィールドワークで何度も現地を踏査している文化人類学者だから書けたものであろう。
    また、ヨーロッ

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    2023年08月19日
  • アフリカの神話的世界

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    [ 内容 ]
    アフリカ各地での実地調査をもとに、文化人類学の神話研究の成果をとり入れて描き出されたアフリカの神話的世界。
    異なった地域の原住民に伝わる神話を比較・分析し、神話の「伝播」と「変身」、さらに、その「構造」を考察する。
    原住民の世界を内側から理解することを通して、私たちの世界との関係、「第三世界」の真の意味を明らかにする。

    [ 目次 ]


    [ POP ]


    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った

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    2011年05月15日
  • 文化人類学への招待

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    元は、市民講座で講演したものを、文章化したらしい。
    初心者でもとてもわかりやすく、それでいて専門的な内容です。

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    2010年10月02日
  • 本の神話学 増補新版

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    人類学者である山口氏が中央公論に連載した文章を書籍化したもの
    刊行は4度目だというが、最初に出されたのは1971年
    音楽、演劇、芸術、政治、思想と博物学的に語られている
    各々の分野は決して独立しておらず圧倒的な知識の中で相関しながら語られる
    このような知の連関を示されると専門性の危うさを感じてしまう

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    2023年12月14日
  • 道化的世界

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    著者の論文やエッセイなどをまとめた本です。なお『山口昌男著作集』全5巻(筑摩書房)に収録されている論文も、一部含まれています。

    チャップリンとならぶ喜劇王バスター・キートンに対する著者の偏愛が語られているいくつかの論考は、興味深く読みました。著者は、自身の道化にかんする思想にもとづいてキートンの演技を解釈しており、彼の身振りが日常生活からの逸脱であるとともに、新たに形成されるコスモロジカルなリズムに観客を巻き込んでいくと論じられています。

    著者は、こうしたキートンの喜劇を、チャップリンのそれと比較し、チャップリンのばあいには「作品のなかで事物の世界がアニメートされることはほとんどない」と辛

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    2023年01月01日
  • 文化人類学への招待

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    多摩市の市民講座で開講された「文化人類学入門」という連続講演をまとめた本です。巻末には、講座に出席していた大江健三郎の感想も収録されています。

    本書ではまず、トロブリアンド諸島の「クラ」について調査をおこなったマリノフスキーについての解説がなされています。つづいて、モースの贈与論やレヴィ=ストロースの構造人類学などへと話が展開して、交易と互酬性が社会の基礎をかたちづくっており、文化のなかにおける家族・親族関係の基礎に通じるしくみをそこに見てとることができるということが説明されます。

    さらに、レヴィ=ストロースの『親族の基本構造』における女性の交換の議論を手がかりにしながら、著者自身が研究・

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    2022年05月01日
  • 文化人類学への招待

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    自分には時期尚早だった。

    前半は構造主義の入門本の類を読んでいて、かろうじて理解できた。
    個別具体的な事象に演繹し、考察する部分は面白かった。

    後半は前知識が全くなく、読み進めるのに一苦労。数年後、また読み返そうかな。

    新書に稀に出没する、初見殺しシリーズ。

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    2020年04月03日
  • アフリカの神話的世界

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    ネタバレ

    民話に興味があり読んでみました。
    国が違うからこそ文化が違う部分もあれば
    日本に通ずるところもあり興味深かったです。

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    2019年04月23日
  • 道化的世界

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    「道化」について考える上で、豊富な具体例が非常に参考になる本でした。

    名前も聞いたことのないような民族の昔話がいくつか紹介されていますが、それだけでも十分読む価値はあるくらい興味深かったです。

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    2011年11月20日
  • 文化人類学への招待

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    [ 内容 ]
    ポーランドの知的風土に始まり、交換という経済行為の背後に見えがくれする宇宙論的構図、女性が開示する文化のルーツ、政治の演劇的解釈など、現実の多義性を読みとき文化の全体像を回復しようとする試み。
    文化人類学が内包する知の挑発的部分のありかを示し、学問の形式を使って知の深層にふみこもうとする人のための入門書。

    [ 目次 ]


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    [ おすすめ度 ]

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    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
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    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速

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    2011年05月15日