神吉敬三のレビュー一覧

  • 大衆の反逆

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    とても読みづらいくて、すんなりは入ってこない
    だがその分、読むほどに深みを感じる名著
    約100年も前の本だが、大衆の危うさは、SNSのフィルターバブルの中にいる現代により一層、先鋭化している

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    2024年06月11日
  • 大衆の反逆

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    ネタバレ

    1930年刊行。某経済誌で今読むべき古典と紹介されていた。
    たしかに、名言・格言だらけ。例えば、

    「人間を最も根本的に分類すれば、次の二つのタイプに分けることができる。第一は、自らに多くを求め、進んで困難と義務を負わんとする人々であり、第二は、自分に対してなんらの特別な要求を持たない人々、生きるということが自分の既存の姿の瞬間的連続以外のなにものでもなく、したがって自己完成への努力をしない人々、つまり風のままに漂う浮標のような人々である(p18)」

    「今日の特徴は、凡俗な人間が、おのれが凡俗であることを知りながら、凡俗であることの権利を敢然と主張し、いたるところでそれを貫徹しようとするとこ

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    2022年12月24日
  • 大衆の反逆

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    それ以前の人々にとって生とは重苦しい運命だった。しかし、現代の「大衆」=「平均人」は、彼を取り巻く世界に甘やかされている。経済的、肉体的、社会的安楽さをあたりまえのものと思っている。

    近年のヨーロッパに蔓延する無力感は、「潜在能力の大きさ」と「政治機構の大きさ」とのアンバランスから生まれる。

    「国家というものは、人間に対して贈り物のように与えられる一つの社会形態ではなく、人間が額に汗して作り上げてゆかねばらないもの」

    国家を成り立たせる要因は、血縁でも、言語でも、過去でもなく、「われわれが一緒になって明日やろうとすること」

    「国家は一つの事物ではなく、運動である」

    「ヨーロッパ大陸の

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    2022年04月06日
  • 大衆の反逆

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    ポピュリズムが影を覆う今だからこそ読むべき本だと思います。これだけ上から目線で書かれた本も珍しい。今だったら『炎上』必死の内容です。

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    2021年01月11日
  • 大衆の反逆

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    学生の頃に探すも見つけられなかった本が筑摩の文庫にあった。18世紀のルソー「社会契約論」19世紀のマルクス「資本論」、20世紀はこれと言われた社会論のバイブル。皇帝、覇王など選ばれた人のための国家と違い、近代の国民国家は、ビジョンも持たず自ら責任も取らない「慢心しきったお坊ちゃん」たる大衆が支配者になった。大衆の集まりによる自由民主主義の限界。今後どうあるべきか。90年前オルテガはファシズム、ナショナリズム、スターリン的マルクシズムの限界を見抜き、ヨーロッパの現状を憂いて書いたが、今やアメリカも日本も、世界がこの状況にある。多くの学者や思想家が影響を受け、論じてきたが誰も答えを見つけられていな

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    2020年11月15日
  • 大衆の反逆

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    ネタバレ

    文明に突如現れた野蛮人。

    教育水準の向上が要因?

    まるで、今日の状況を分析したような論文集である。
    反〇〇に対する過去を絡めた考察は、示唆に富み、唸ってしまう。

    論文集。

    大衆の唯一の行動は、私刑(りんち)。

    社会のアノミー化。
    ヨーロッパ文明の凋落。

    オルテガは、堕落した大衆の誕生を、ヨーロッパ文明の支配の低下、つまり、歴史的に見ているふしがある。

    民主制度の価値の失墜。

    国民国家の形成には、未来への計画が必要。
    後半は、ヨーロッパという国民国家を超えた共通の基盤のせり出しに注目している。
    生の原理の基盤として、ヨーロッパを置き、歴史的使命を終えた国民国家に代わり、ヨーロッパ

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    2020年01月20日
  • 大衆の反逆

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    長く、きちんと読めないまま、来てしまいましたが、読み通しました。1930年に刊行された大衆社会論であり、ファシズム、スターリン的マルクシズムが挫折していく以前の書ですが、説かれている内容は、今こそ、真剣に取り組まなければならないように思いました。
    読み返しをして咀嚼していきたいと思います。

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    2019年07月15日
  • 大衆の反逆

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    大衆とは、閉鎖的で凡俗。凡俗であることの権利を主張し、その一方で無気力。国家へ主張することの意味を自覚しない。この存在が集合体となれば、国家はおろか国際社会をも脅かす強大な力となる。世界で保護主義が蔓延しつつあるいまだからこそ、読んでおくべき一冊。

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    2017年02月12日
  • 大衆の反逆

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    「大衆というものは、その本質上、自分自身の存在を指導することもできなければ、また指導すべきでもなく、ましてや社会を支配統治するなど及びもつかないことである」

    「われわれがここで分析しているのは、ヨーロッパの歴史が、初めて、凡庸人そのものの決定にゆだねられるにいたったという新しい社会的事実である。あるいは、能動体でいえば、かつては指導される立場にあった凡庸人が、世界を支配する決心をしたという事実である」

    「人間を最も根本的に分類すれば、次の二つのタイプに分けることができる。第一は、自らに多くを求め、進んで困難と義務を負わんとする人々であり、第二は、自分に対してなんらの特別な欲求を持たない人々

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    2017年02月12日
  • 大衆の反逆

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    現代に生きる人間の大衆化に警鐘を鳴らす名著です。
    大衆に流される(常に多数派になる)ことによって、確証バイアスとかエコーチェンバー的な考えにとらわれて、新しい視点に気づけなくなって個を失い平均化してしまう。そういった愚かな大衆によって文明は衰退しうる。とオルテガは言ってます。いろんなこと(異なる価値観)に対して自分なりの考えを持つことが大事だと再確認できます。
    けっこう読みづらくて時間がかかってしまった、、

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    2025年05月10日
  • 大衆の反逆

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    この本は、1930年にスペインで生まれのオルテガによって書かれたものですが、現在の日本の「空気感」、「閉塞感」や、経済的にもピークを超えた日本の社会状況ととても似ていて、内容的にも新刊本を読んでいる感じになり、驚きました。
    過去にも同じような社会状況が繰り返されており、現在読んでも、とても参考になる名著でした。
    ぜひぜひ読んでみて下さい。

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    2022年10月25日
  • 大衆の反逆

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    個人の生の充実。運命を受け入れること。国家の概念。大衆が「慢心しきったお坊ちゃん」となることへの警鐘。

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    2021年10月12日
  • 大衆の反逆

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    【印象に残った話】
    ・大衆とそうでないものの違いは以下の通り
     ・大衆:自分自身に特殊な価値を認めず、自分は「すべての人」と同じだと信じ、それに喜びを見出すすべての人間
     ・大衆ではないもの:自らの能力に不満を覚えていたとしても、常に多くを自らに求める者
    ・大衆の国家に対する態度は以下の通り
     ・自分のものと信じこんでいる
     ・何か問題が起きたとき、国家がそれに対して責任を取り、直接手を下して解決すると思っている
    【考えたこと】
    ・新型コロナウイルスに対する政府の対応を非難し、その非難に応じて政府が対応方針を変更したとしてもさらにそれを非難する、今の日本の姿と重なる

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    2021年06月03日
  • 大衆の反逆

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    ネタバレ

    全ての意見に賛成という訳では無いですが、耳障りの良い正論ばかりでは無い魂のこもった文章で、また新たな視点に気づく事が出来た作品でした♪

    ところどころカチンと来るところもありますしこんな生き方は息苦しいと思ってしまいますが、過去に無敵艦隊とまで呼ばれていたスペインの凋落ぶり・無気力ぶりに喝を入れようとした教育者的使命感で書いた新聞記事として捉えると俄然価値のある作品に思えてくるから不思議。昔読んだ「E・H・カー」の「歴史とは何か」に書かれていた一節「歴史を研究する前に、歴史家を研究して下さい。そして、歴史家を研究する前に、歴史家の歴史的及び社会的環境を研究して下さい。歴史家は個人であると同時に

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    2021年03月18日
  • 大衆の反逆

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    1930年刊行で90年が経過。
    オルテガが指摘したように、大衆が大衆であることを認識しているだけならまだしも、大衆が凡俗ではなく一門の人間であると声高に主張するような時代になりつつあり、もはや軌道修正などはかれそうもないという絶望を感じつつ、コロナ禍でシステムの中にいることが当たり前ではないということに気づけた人たちがいるのは、もしかしたら意識を大きく変えられるチャンスなんじゃないかと思った。

    数学の公式を利用した物理学が天文学の分野で活かされていて、ピタゴラスが「星は動きながら音を出す。そして宇宙は音楽を奏でている」という言葉を残したように、独立しているであろう学問が実はすべて結びつきがあ

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    2020年11月19日
  • 大衆の反逆

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    あらゆる語彙を尽くして大衆の悪口を書いているのでおもしろい、音楽の違法アプリを使用する人びとなんかを見ると、ここに描かれる大衆の姿というのは今も変わってないなと感じる。

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    2019年04月13日
  • 大衆の反逆

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    オルテガ 「大衆の反逆」。大衆社会への批判と国家観を論述した歴史哲学な本。ヒトラーの大衆操作と民族的国家観と 比較しながら読んだ。

    著者が伝えたかったのは、大衆を批判することで、人間のあるべき生き方。

    「歴史は 農業と同じく、谷間から養分を吸収するのであって山頂から ではない。社会の平均水準から養分を取るのであって、傑出した人からではない」

    大衆=平均人=慢心しきったお坊ちゃん
    大衆社会=大衆により平均化された社会
    *歴史的水準は向上した
    *生の水準は向上した

    ヒトラーは 大衆を言葉と権威で服従させたが、オルテガは 大衆を言葉で目覚めさせようとしたのではないか。国家観については ヒトラ

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    2019年04月12日
  • 大衆の反逆

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    エリートの政治から大衆の政治への転換による弊害について述べられたもので、1930年に書かれている。あくまでヨーロッパに焦点が当てられていることと過激な表現が多いことが気になるが、本質を鋭く突いており、とても二次大戦前に書かれたとは思えない。現代社会も状況は大きく変わっておらず、本書の意見を踏まえ物事を考察していくことは大事であろう。
    「大衆人はただ欲求のみを持っており、自分には権利だけがあると考え、義務を持っているなどとは考えもしない」p23
    「今日の虎は六千年前の虎とまったく同じである。というのは、虎は一頭一頭、あたかも以前に虎など存在していなかったのごとく、新たに虎としての存在をはじめな

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    2018年11月12日
  • 大衆の反逆

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    全部が全部ではないのだが、ところどころグッとくる記述がある。「一般人が専門家を尊敬しなくなり、専門的な知識でさえ、一般人の直感とそぐわなければバカにする」といったくだりは、今まさに、2ちゃんねるとかみてると、連日のように書き込まれている内容そのものだと思う。ほかにも、大衆というより、オタクの説明かと思うような箇所もあり、その新しさ、今でも通用する度に驚いた。なんとなく、再読するとまた新たな発見のありそうな本。ちなみに、前から気になってて、たまたまブックフェアで安く売ってたから買った。""

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    2018年11月06日
  • 大衆の反逆

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    きわめて強力でありながら同時に自分自身の運命に確信が持てない、自分の力に誇りを持ちながら、その力を恐れている時代。優越感と不安感の入り混じり。
    大衆⇔貴族:努力の人、優れた人というに等しい。つねに自己を超克し、おのれの義務と要求を強く自覚して、既成の自己を超えてゆく態度を持つ者。
    大衆が国家という匿名化された機械を使う
    アメリカはヨーロッパから生み出された若返りにすぎない
    アメリカが優れているのは市場が広大である事の結果にすぎない
    国家(state)は一つの均衡状態を意味する。しかし平衡状態ということは、そのうちにダイナミズムが秘められているという事。
    ヨーロッパ各国のアイデンティティのほとん

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    2018年07月09日