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森の一軒家で,働きもののグレイ・ラビットは,うぬぼれやの野うさぎヘアと,いばりやのリス・スキレルといっしょに仲よく暮しています.牛乳屋のハリネズミ一家,物知りのフクロウ,恐ろしいキツネやイタチなど,森の仲間たちが活躍する有名なシリーズから,未紹介の最初の4話を選び,心をこめた決定訳で贈ります.
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Posted by ブクログ
幼年向けの動物物語だけど、子どもに遠慮してない。 *** 「やつら、まとめて、むし焼きとしよう。」と、イタチはつぶやきました。というのは、ひとりぐらしの者がよくそうするように、イタチは、いつもひとりごとをいっていたからです。 *** なんて、するどい描写がちょいちょいあって、にやりとさせられる。 ...続きを読むラビットは、ヘンゼルとグレーテル方式でイタチをやっつけるんだけど、これもなかなか臨場感があって生々しいですしね。 巻末の石井桃子さんによる解説を読んで、アトリーが、大人になってから大きな苦しみを味わったことを知った。それやこれやすべてを乗り越えた上で書いている物語だから、一見おだやかな癒やしに満ちているように見えても、いろいろなものを内包しているんだろうなあ。
グレイラビットと、その仲間の動物たちの生活をちょっと覗かせてもらった気分です。 個性豊かなキャラクターが揃い、とても愛らしいお話。森での生活が情景豊かで、特に植物が魅力的です。昔話にあるような、ちょっと残忍なシーンもあるけれど、そんなスリルも楽しみの一つ。
森に暮らす働きもののグレイ・ラビットとその仲間たちの物語。 どの登場人物(動物)たちもそれぞれがいきいきと描かれ、お話の展開もテンポもよく、なるほど面白い。 幼年文学の傑作といわれ、後書きで訳者の石井桃子さんもつくづく述べているように、やはり、アリソン・アトリーの力量が見事。 実は、大人になってか...続きを読むら、このお話を読んでみたいと思っていたのは、瀬田貞二さんが著書の『幼い子の文学』(中公新書)の中で、このグレイ・ラビットを抄訳し、紹介されていたのを読んだからである。勿論、アトリーのお話のうまさを絶賛されていたが、何より、作品にひきこまれる魅力があった。 そして、文庫を手にして満足。森の様子や、家を構えて住んでいるグレイ・ラビットの暮らしもまた楽しめる内容だったのですね。
世の中にはとっても有名なうさぎが何匹もいるわけですが、KiKi にとって最も馴染みの深いうさぎちゃんは月に住んで餅つきに励んでいるうさぎちゃん。 2番目がこの物語の主人公のグレイ・ラビット。 そして3番目にようやく顔を出すのが、ピーター・ラビットです。 イマドキの女性なら恐らく順番は逆(しかも...続きを読む月に住む餅つきウサギはランクインすら果たさないかもしれない ^^;)だと思うのですが、KiKi 自身がピーター・ラビットに出会ったのはかなり遅かったんですよね~。 動物を擬人化した物語っていうのは「何歳の時にその物語に出会ったのか?」が結構キーになって親しみ具合が変わってくると思うんですよ。 ピーター・ラビットが最初に世に出たのが1902年だったのに対し、こちらのグレイ・ラビットが世に出たのは1929~1932年ということなので、ピーター・ラビットに先に出会っていてもちっともおかしくなかったはず・・・・・ではあるのですが、たまたま KiKi の場合はグレイ・ラビットに先に出会ってしまった故のランキングということでしょうか? 大人になって多くの物語と接した後でこの物語を再読してみると、もう一匹の超有名ウサギ;ピーター・ラビットとの類似点やらその他多くの童話集のモチーフとの類似点にどうしても気がついてしまい、「何となくオリジナリティには欠ける作品だったんだなぁ・・・・」という感想を持ってしまうんだけど、それでも逆にA.アトリーならではの美しい自然描写、美しいだけではない自然描写はやっぱり際立っているなぁとも感じるわけで、ちょっと複雑な気分です。 (全文はブログにて)
さいしょはひどいな~って思ったけど、スキレルとヘアがやさしくなっていいところもありました。話は長かったけど、すごくおもしろかったです。
たださんの本棚で見つけました。 古典的(と言っていいのかしら?)な児童書です。 翻訳が、なんと贅沢な!石井桃子さん、中川利枝子さんではありませんか! 森の暮らし、小さな家で暮らす三匹(人)のつつましく あたたかな様子。 森の情景にはうっとりとなります。 でも、グレイ・ラビットには「がんばりすぎ...続きを読むよー!」って声をかけたくなります。 4話のお話しに拍手を送ります。 岩波少年文庫は、大切にしたいですよね。 あまり売れていないのかしら? 婆さんは心配です。 ≪ とりかえた しっぽは友の しあわせを ≫
表紙からも分かるとおり、服を着た動物たちが自然豊かな地で人間のように暮らす物語に、当初はシルバニアファミリーを連想させたが、内容は決して楽しさだけでは無い現実世界の厳しさも感じられて、共に生きていく事の大切さを教えてくれた児童文学作品(1929~1932年)です。 灰色うさぎの「グレイ・ラビット」...続きを読むは、森の外れの小さな家に、野ウサギの「ヘア」と、リスの「スキレル」と一緒に暮らしているが、家事はグレイ・ラビットに任せきりで、他の二人はほぼ何もせずにダラダラしているだけ。 それでも、元来動くことが好きなグレイ・ラビットは気にせずに仕事を続ける中、我が儘だけはよく出てくる二人の頼みに応じる内に、とある知識を得るため、物知りの「カシコイ・フクロウ」を尋ねた際には、それと引き換えに自分のしっぽを差し出さざるを得なかったシビアな場面もあり、思わずそこで読むのをやめたくなったのだが、本来子どもが読むお伽話には、こうした場面も付きものであることを思い出し、どうも大人になると文字にされていない様々な点に気が取られるらしく、これには何か意図するものがあるのだろうと、気を取り直して読み続けることに。 その後、涙に暮れながらも、ヘアやスキレルの為になることを喜んだグレイ・ラビットが家に帰ってみると、いつもいるはずの二人の姿は無くガランとした有様で、どうやらここ最近動物たちの間で噂になっていたイタチの仕業らしく、二人はさらわれてしまったようだ。 これを見てバチが当たったんだよと、我ながら嫌なことを思う中、なんとグレイ・ラビットは残された足跡を辿って二人を助けに行くのだという。普通に戦っても明らかに勝ち目は無さそうなのに、どうして・・と思った自分が恥ずかしくなるくらい、そこからの展開は胸躍るような、グレイ・ラビットの大胆ながらも知的な勇ましさでイタチに一人で立ち向かう姿に目が釘付けとなり、こう言ってはなんだが、とても爽快な気分だった。 そして、助けられたヘアとスキレルは、グレイ・ラビットにこれまでの彼女への接し方をお詫びし、心を改めて、また共に暮らすという内容で、こうした展開には、どんな相手に対しても真摯に接する事で相手の心を開かせる事もあるということを感じられたが、正直なところ、私には出来ないかもなんて思ってしまった。 しかし、この物語のよくあるお伽話と異なるところは、グレイ・ラビットが聖人君子のような完璧さで無いところにあり、自分たちの食料を得るために、時には人間の畑から作物を盗ったりするときには、自分に都合のいいように納得させていたりと、作者の「アリソン・アトリー」の中では、あくまでも人間に擬えて表現している点に、要は自分らしくあればいいってことかなと都合の良い解釈をしてしまえるところに、本書の親しみやすさがあるのだと感じられました。 ちなみに、これまで紹介してきたお話は、本書に収録された4話の内の最初の話で(要するに、最初の話で既に気持ちを持っていかれたということ)、この後はグレイ・ラビットが如何にして自分のしっぽを取り戻すかの話に、臆病者のヘアの大冒険の話に、最後はいつもグレイ・ラビットの家に牛乳を配達してくれる、ハリネズミの息子、ファジー坊やの話と、その何れの物語に於いても、グレイ・ラビットとその仲間たちの温かいやり取りに、キツネやラットといった、ちょっと怖い動物たちとの関わりも含めた、児童文学として様々な個性の人達とどのように生きていくかを表している中でも、一際注目を惹くのは、自然と密接に結びついた、その生活風景であり、グレイ・ラビットが森の中へ入っていきニレの木の枝から固くて小さい紫色の芽を採ったり、トチの木のねばねばした冬芽を欲しそうに見上げたり、プリムローズを摘んだりとしている時の嬉しそうな顔を見ていると、かつて作者が幼い頃に学校に行く時に通り抜けた、森の中に息づく自然の中の思い出に、大人になって癒やされた事がきっかけで本書を書き上げたくなった、その気持ちが私には分かるような気がして、そこにあったのは、大人の世界で苦しむ自分自身を子どもの頃の思い出が救ってくれたという、児童文学が大人にとっても大切なものであることをアリソンが知っていたからこそ、こうして伝えようとしてくれたのかななんて思うと、それこそ共に生きる事の大切さを教えてくれているようで、とても嬉しい気持ちにさせられました。 また本書は石井桃子さんと中川李枝子さんの共訳といった、私にとっては(児童文学にとっても)まさに夢のコラボであり、石井さんのあとがきにあった『一つの言葉も二人で確かめあい』や、『音楽でいえば合唱しているような感じ』に、本書にかける思いが窺えたようで印象的でした。 更に本書の絵は版権の都合により、「フェイス・ジェイクス」が担当したとの事で(これはこれで味わい深くて良いが)、後に発売された愛蔵版絵本での本来の挿絵担当だった、「マーガレット・テンペスト」の絵も是非見てみたい。 そして、肝心の「グレイ・ラビット」シリーズ自体は、この後も長く続いているそうなので、また、ふと読みたくなった時に気軽に読もうと思う。
小さな動物たちのくらしをのぞいてみよう。 働きもののグレイラビットは、森のはずれの小さい家に、野ウサギのスキレルやリスのヘアとすんでいます。 小川からやかんいっぱいに水をくんだり、ヒナギクの花でお茶を作ったり、木の実やスイカズラのジャムを食べたりしておだやかにくらしています。 でも、ある日、グ...続きを読むレイラビットがにんじんのタネを手に入れるため、町へ出かけている間に、スキレルとヘアがイタチにさらわれて……。 美しい自然の中で暮らす小さな動物たちの様子はとても楽しい。でもきけんもいっぱいでハラハラ! 物知りのフクロウや、器用なもぐら、年寄りのヒキガエル、牛乳屋のハリネズミたちもかつやくしますよ! 「ヘアは ひるめし スキレル おやつ ドングリ・ソースで おいらの ごちそう」 がらがら声でうたいながら、イタチが、 家にはいってきました。
一話目は露骨に主婦のジェンダー問題が抉られている。子どものためのお話しとして微笑ましく、よく書けている。
動物擬人化の物語は数多くありますが、似ているようでいてそれぞれの味があるものです。 今作でもほのぼのとしているようでいて、意外と弱肉強食の世界があっさりと描かれていて驚かされたりします。 はじめグレイ・ラビットが同居している野うさぎのヘアやリスのスキレルからこき使われていて不憫に思ったのです。しかし...続きを読む読み進めていくうちにこれは母の愛なのではないかと思ったり。ヘアとスキレルもグレイ・ラビットに命を救われた後はちょっと反省するのですが、それでもなんやかんやとグレイ・ラビットを頼って甘えているのです。これは実に母と子の関係だなあと思う訳ですよ。この辺りのユーモア具合も面白いですね。
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グレイ・ラビットのおはなし
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アリソン・アトリー
石井桃子
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