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「ここで負けるわけにはいきません!」絶叫は、オリンピックの試合でも、戦争中でも、日本にこだまする。一致団結を求める日本人の同調気質こそ、もっとも恐るべきもの。この日本気質への最後の歯止めが憲法九条である。今、漫画映画の世界的カリスマが語る、平和の重さとそのリアリズム。ナンセンスなことを「ナンセンス」と言うために。
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Posted by ブクログ
火垂るの墓は、高畑勲さん自身は、反戦映画ではない、反戦映画を見ることが戦争抑止につながらない、とおっしゃっていると聞いて。 どういうことか、わかるのがこの本だということで読んだ。 すごく納得。 悲惨な美化された戦争映画を見て、平和が大事と再認識すること自体はいいけれど、そうした状態とするには?戦争...続きを読むを始めてしまった経緯は?と考えを進めなければ意味がないなと感じた。 戦争の悲惨をわかっていても、始まってしまったらそれを正当化せざるを得ない。始まらせてしまうずるずる体質がダメだと。 人の気持ちを変えてしまう、集団心理や正常バイアスが怖い。今まではそうさせてしまう寒気が怖いと思ったけれど、日本人の体質というのもあるんだろうなと思った。 日本人全員に読んでほしい一冊。
「ここで負けるわけにはいきません!」絶叫は、オリンピックの試合でも戦争中でも日本にこだまする。と高畑さんは言う。63ページと短いので「君が戦争を欲しないならば」読んで欲しい一冊。ずるずると押し流され、空気をすぐ読もうとする同調気質には疑問を抱いていきたい。
63ページしかない短い本だったけど、すごく整理されており、読みやすくわかりやすい。 岡山は隣の県で駅周辺はよく見知った場所だったので、高畑勲の空襲で辿った経路をなんとなく想像できた。 整備された美しい小川だと思っていた西川緑道が、防火帯のための強制疎開で開かれた道なのは初めて知った。 街には歴史が...続きを読むあり、私たちは歴史の上に生きていると思った、歴史を生かさなければと思う。 この本で高畑勲は、悲惨な戦争の体験を語っても戦争を防止することはできない、そうなる前のこと、どうして戦争が始まったか、為政者、国民がどう振る舞ったかを学び、ではどうしたら防げたのかを考えることが戦争防止になると主張する。 最後にまとめられているが、私たち日本人の同調し責任追求ができず、押し流され空気を読む気質のせいで、本当の民主主義はまだ身に付けられていないと非難している。異を唱えるものは排除される村社会であり、多数派に流され、上部の議論で全てが進んでいく。(最近の国会の様子を見ていても野党が弱く、閣議決定されたものでほとんどの法案が決められてしまっているのも危機感を感じる) この体質を変えるのは簡単ではないし時間のかかること、これを変える努力をするのはもちろん、こう言った日本人の性質から戦争への道を閉ざす最後の砦はやはり憲法9条なのだと。 安倍政権時から改憲を目指す動きが徐々に顕になってきているが、本当に恐ろしいことだと思う。 憲法9条に守られてきたことを誇りに思い、アメリカに頼らず、沖縄に依存しない外交は何かよく考えるべきだと思う。 私は日本の文化的財産を世界に発信すること、強い経済で世界に通用するインフラ基盤を持つこと、輸出産業を守ることが、防衛以外の安全保障として役割をもつ大事な抑止力になると思う。 経済を推進するにも、少子化に歯止めをかけるのも、人権が守られ戦争をしない国にするためにも今の政治(とも呼べない茶番劇)を今すぐ変える必要があると思う。 裏金問題が露呈しても、責任を取らず居座り続ける議員にはすぐに全員辞めてもらわなければ、と強く思う。 高畑勲みたいな頭が良く心がある人を亡くしてしまったのは本当に惜しく思うし、この本で言う「頭で食う」人間が多くなっていて危機感を感じる。東大をはじめとする有名大学出身のエリート層はもうどうしたら稼げるかしか考えておらず、社会の見えない弱者には関心もなく自己責任と自助努力で糾弾している。社会全体の利益を考え行動する、そんな志がある人はかなり減ってるように思う。そしてこの国の全体もそんな空気感が蔓延してきて、みんな自己中心的で物事を考えている。 助け合いや繋がりが薄くなっていることが、民主的な政治や意識をより遠ざけているように感じる。 どうやったら同調することに寄らない民主主義、功利主義をみんなが身につけられるようになれるんだろう。 自分で考えて意見できるようになりたいから、私ももっと勉強しなきゃいけないと反省する。
戦争ものがわたしは悲しくなりすぎる為 読むのが苦手だが、薄い本だし高畑勲さんだし、読んでみた。 人とは簡単に 朱に交われば赤くなる 生き物だということを 高畑勲さんが仰っているのかなと感じた。 いま、読んで欲しい本です。
高畑勲氏の戦争論。自身の体験に基づく話は説得力がある。いまだからこそ、ひとりでも多くの人に読んでもらいたい本。
ジブリ映画でも有名な高畑勲氏の岡山市での講演会をもとにした本です。 映画『火垂るの墓』を「反戦映画」ではない、と考えている監督の想い・考えには大きな衝撃を受けました。 たしかに、戦争末期の悲惨な兄弟の様子を描き、「戦争ではこれほどまでにつらい出来事があったのだ」ということを語り継ぐことそのことは重要...続きを読むです。しかし、「戦争=悲惨」ということをいくら伝えたとしても、将来の戦争を防ぐことにはつながらない、と筆者は言います。 戦争が「悲惨な出来事だ」ということは世界中の人々が認識しているはずですが、今日また戦火が開かれようとしています。そのときに私たちはどのようにふるまうべきなのでしょうか。 「ナンセンス」なことに対して「ナンセンスである」と発言できなくなる、その理由とは何か、ということについても筆者の体験を踏まえて分析されていて説得力がありました。 あえて欲を言うとすれば、「どのように行動・思考を新ためればよい(と筆者は考えている)か」というところについても、もう少し具体的な言及があればよりよかったと思います。 日常生活の中で「空気を読む」「和を以て貴しとなす」ということはもちろん大切な要素・能力だと思います。一方で、「平和」を維持するためには「大勢に流される」ことを避けねばならない場面も出てきます。このバランスをどのようにとるのか、その判断を誤らないためにも正しい情報を集めることや、自分なりの言葉でしっかりと考えることが必要になるのだろうと思います。
「君が戦争を欲しないならば、繕え、平和を」 理想なくして対処はできない、それを忘れた政治家は第一にも第二にも利権のために国民を扇動しているだけで、それを政治と呼んでいる現状が悲しい
倚りかかってしまう。 これは自分も含め、自分の周りでここ最近感じるていることを言っているのかもしれないと思った。 自分の意見を持たずに流されてしまう、持っていても空気を読んでしまう。流されてしまう。空気を読む、合わせる。それは状況によってはとても危険な方向に向かうことにつながってしまうのだなとおもっ...続きを読むた。それが戦争に向かわせたという高畑さんの意見はとても的を得ているのではないかなと思う。 いちいち一人一人が無視してしまうことに考えを持つっていうことはやっぱり大事なことなんじゃないかと痛感した。一度危険な方向に傾いた時に、自分を頼りにできるように学んでいく必要がある。また学ぶ理由が見つかった。
火垂るの墓は反戦映画ではないと高畑は言う。 日本人の同町体質。憲法9条がなければ日本人はずるずる体質で戦争に突き進む民族であることを喝破している。空気を読む体質、反対勢力を排除する体質。高畑は読み取っている。
高畑勲さんは冒頭からこう言う。「火垂るの墓は反戦映画ではありません。」 さらに高畑さんは、国民学校(今の小学校)4年の6月29日に岡山市内で受けた空襲体験をもとにこうも言う。「戦争末期の負け戦の果てに、自分たちが受けた悲惨な体験を語っても、これから突入していくかもしれない戦争を防止することにはならな...続きを読むいだろう。」 でも高畑さんは一貫した憲法9条改正反対、戦争反対論者だ。 一見、さっきあげた引用の内容と矛盾するとも思われるけど、通読して改めて高畑さんの思いについて深く考えてみると、次のような、ちょっとビックリする考えに突き当たった。 ――高畑さんは、実はこう言いたかったのではないだろうか?『14歳の清太と4歳の節子を死に至らしめた直接の原因は、アメリカ人じゃなくて日本人にあるのだ』と。 たしかに戦争の相手国はアメリカで、空襲したのもアメリカ。 でも冷静に考えてみればわかる。アメリカと戦争するように「理性を失って」「突っ走った」のは他ならない日本人である。 この本を読めば、火垂るの墓に出てくる意地悪い親戚のおばさんや、仕方なく野菜を盗んだ清太を殴る大人を持ち出すまでもなく、幼い兄妹を追いつめたのは、当時の日本全体の世相であり、そういう「全員一致」の方向に(無意識であっても)突き進んだ日本人全員にあると直視せざるを得なくなる。 もう一方で高畑さんは、「全員一致」の暗雲が別に戦時中の話だけではなく、戦後70年を経てまだ日本や日本人を覆い続けているのではと表明する。その証拠として、表現者として、火垂るの墓の評価が1つのところに“落ち着いている”ことに一種の警戒感を持っているようだ。 さらに高畑さんは、戦中の「撃ちてし止(や)まむ」「進め一億火の玉だ」というフレーズに、戦後民主主義教育を受けた日本人にとって誰もが違和感を持つのだというのは今更否定できないはずなのに、オリンピックやワールドカップなどの際に、それらと似ているとしか思えないフレーズを平気で日本人の誰もが口にすることに素直な目で疑問を持っている。 いや、そのこと自体に疑問を持つというよりもむしろ、その雰囲気からはみ出る考えや意見を、日本人全体で封じ込めたり消そうとする傾向が今も厳然と残っていることに大きな疑問を持っているという方がより近いのかもしれない。 1つの国の国民が一つの方向に全体的に進む、というのは日本に限った話でもないのは私もわかっている。しかしそういう雰囲気になった時に、そこからはみ出る弱い立場の者(まさに節子など)や異なる考えを持つ者を、有無を言わさず隅に押しやる傾向が特に日本人は強いというのを、高畑さんと同様に、もうそろそろ日本人は自覚すべきではないだろうか。 高畑さんはそれを日本人の「体質」と表現している。体質は容易には変えられないので、高畑さんは日本人が戦争をしない状態を今は保ち続けているものの、ちゃんと考えていかないと、いつか戦争やむなしという雰囲気が大勢となる日が再び来てしまうのでは、と予言している。(そしてそれを防ぐ唯一の方法が憲法9条を改正させないことと高畑さんは言及している。) 良いところだけでなく悪いところも同じように描き込むことで事象の真実に迫るいう高畑流のリアリズムは、火垂るの墓でもいい面で出ていたと私は思うけど、この本での戦争や日本人に対する考え方にもそのリアリズムが顕著に表れているように感じて、好感をもった。
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