【感想・ネタバレ】君が戦争を欲しないならばのレビュー

あらすじ

「ここで負けるわけにはいきません!」絶叫は、オリンピックの試合でも、戦争中でも、日本にこだまする。一致団結を求める日本人の同調気質こそ、もっとも恐るべきもの。この日本気質への最後の歯止めが憲法九条である。今、漫画映画の世界的カリスマが語る、平和の重さとそのリアリズム。ナンセンスなことを「ナンセンス」と言うために。

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Posted by ブクログ

火垂るの墓は、高畑勲さん自身は、反戦映画ではない、反戦映画を見ることが戦争抑止につながらない、とおっしゃっていると聞いて。
どういうことか、わかるのがこの本だということで読んだ。

すごく納得。
悲惨な美化された戦争映画を見て、平和が大事と再認識すること自体はいいけれど、そうした状態とするには?戦争を始めてしまった経緯は?と考えを進めなければ意味がないなと感じた。

戦争の悲惨をわかっていても、始まってしまったらそれを正当化せざるを得ない。始まらせてしまうずるずる体質がダメだと。

人の気持ちを変えてしまう、集団心理や正常バイアスが怖い。今まではそうさせてしまう寒気が怖いと思ったけれど、日本人の体質というのもあるんだろうなと思った。

日本人全員に読んでほしい一冊。

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2025年08月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「戦争」と「日本人」の立ち位置への見方がかなり変わった。いま、世界情勢はまた別の動きをしているようにも見えるが、「日本人」の危なっかしさは変わっていないと思う。自分たちは悪に転じやすいこと、生活の下にたれかを踏みつけていることに、なるべく常時自覚的でありたい。

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2024年09月21日

Posted by ブクログ

「ここで負けるわけにはいきません!」絶叫は、オリンピックの試合でも戦争中でも日本にこだまする。と高畑さんは言う。63ページと短いので「君が戦争を欲しないならば」読んで欲しい一冊。ずるずると押し流され、空気をすぐ読もうとする同調気質には疑問を抱いていきたい。

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2024年03月29日

Posted by ブクログ

63ページしかない短い本だったけど、すごく整理されており、読みやすくわかりやすい。

岡山は隣の県で駅周辺はよく見知った場所だったので、高畑勲の空襲で辿った経路をなんとなく想像できた。
整備された美しい小川だと思っていた西川緑道が、防火帯のための強制疎開で開かれた道なのは初めて知った。
街には歴史があり、私たちは歴史の上に生きていると思った、歴史を生かさなければと思う。

この本で高畑勲は、悲惨な戦争の体験を語っても戦争を防止することはできない、そうなる前のこと、どうして戦争が始まったか、為政者、国民がどう振る舞ったかを学び、ではどうしたら防げたのかを考えることが戦争防止になると主張する。

最後にまとめられているが、私たち日本人の同調し責任追求ができず、押し流され空気を読む気質のせいで、本当の民主主義はまだ身に付けられていないと非難している。異を唱えるものは排除される村社会であり、多数派に流され、上部の議論で全てが進んでいく。(最近の国会の様子を見ていても野党が弱く、閣議決定されたものでほとんどの法案が決められてしまっているのも危機感を感じる)
この体質を変えるのは簡単ではないし時間のかかること、これを変える努力をするのはもちろん、こう言った日本人の性質から戦争への道を閉ざす最後の砦はやはり憲法9条なのだと。

安倍政権時から改憲を目指す動きが徐々に顕になってきているが、本当に恐ろしいことだと思う。
憲法9条に守られてきたことを誇りに思い、アメリカに頼らず、沖縄に依存しない外交は何かよく考えるべきだと思う。

私は日本の文化的財産を世界に発信すること、強い経済で世界に通用するインフラ基盤を持つこと、輸出産業を守ることが、防衛以外の安全保障として役割をもつ大事な抑止力になると思う。

経済を推進するにも、少子化に歯止めをかけるのも、人権が守られ戦争をしない国にするためにも今の政治(とも呼べない茶番劇)を今すぐ変える必要があると思う。
裏金問題が露呈しても、責任を取らず居座り続ける議員にはすぐに全員辞めてもらわなければ、と強く思う。

高畑勲みたいな頭が良く心がある人を亡くしてしまったのは本当に惜しく思うし、この本で言う「頭で食う」人間が多くなっていて危機感を感じる。東大をはじめとする有名大学出身のエリート層はもうどうしたら稼げるかしか考えておらず、社会の見えない弱者には関心もなく自己責任と自助努力で糾弾している。社会全体の利益を考え行動する、そんな志がある人はかなり減ってるように思う。そしてこの国の全体もそんな空気感が蔓延してきて、みんな自己中心的で物事を考えている。
助け合いや繋がりが薄くなっていることが、民主的な政治や意識をより遠ざけているように感じる。
どうやったら同調することに寄らない民主主義、功利主義をみんなが身につけられるようになれるんだろう。
自分で考えて意見できるようになりたいから、私ももっと勉強しなきゃいけないと反省する。

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2025年11月19日

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ネタバレ

戦争なんて望んでないけど備えることは不可避な局面にあると今は思う。戦争経験者の、戦争なんてするもんじゃない、という言葉には全力で同意するけど無策のまま反対を唱えることもまたできない。国際社会は戦火が広がらないようあの手この手で踏ん張ろうとしてると思う。その中で日本は何ができるか。日本の民主主義が村八分ってのは怖いけど真実かなと思った。でも最近はマイノリティ配慮が行き届きすぎて多数派が我慢する場面も増え分断を生んでる気もする。平和への思いと流れに身を任せてしまうことの怖さを伝えたかった作なのかなと受け止めた

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2023年06月02日

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戦争ものがわたしは悲しくなりすぎる為
読むのが苦手だが、薄い本だし高畑勲さんだし、読んでみた。

人とは簡単に
朱に交われば赤くなる
生き物だということを
高畑勲さんが仰っているのかなと感じた。

いま、読んで欲しい本です。

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2022年11月21日

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高畑勲氏の戦争論。自身の体験に基づく話は説得力がある。いまだからこそ、ひとりでも多くの人に読んでもらいたい本。

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2022年04月12日

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ジブリ映画でも有名な高畑勲氏の岡山市での講演会をもとにした本です。
映画『火垂るの墓』を「反戦映画」ではない、と考えている監督の想い・考えには大きな衝撃を受けました。
たしかに、戦争末期の悲惨な兄弟の様子を描き、「戦争ではこれほどまでにつらい出来事があったのだ」ということを語り継ぐことそのことは重要です。しかし、「戦争=悲惨」ということをいくら伝えたとしても、将来の戦争を防ぐことにはつながらない、と筆者は言います。

戦争が「悲惨な出来事だ」ということは世界中の人々が認識しているはずですが、今日また戦火が開かれようとしています。そのときに私たちはどのようにふるまうべきなのでしょうか。

「ナンセンス」なことに対して「ナンセンスである」と発言できなくなる、その理由とは何か、ということについても筆者の体験を踏まえて分析されていて説得力がありました。
あえて欲を言うとすれば、「どのように行動・思考を新ためればよい(と筆者は考えている)か」というところについても、もう少し具体的な言及があればよりよかったと思います。

日常生活の中で「空気を読む」「和を以て貴しとなす」ということはもちろん大切な要素・能力だと思います。一方で、「平和」を維持するためには「大勢に流される」ことを避けねばならない場面も出てきます。このバランスをどのようにとるのか、その判断を誤らないためにも正しい情報を集めることや、自分なりの言葉でしっかりと考えることが必要になるのだろうと思います。

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2022年02月28日

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「君が戦争を欲しないならば、繕え、平和を」
理想なくして対処はできない、それを忘れた政治家は第一にも第二にも利権のために国民を扇動しているだけで、それを政治と呼んでいる現状が悲しい

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2021年11月08日

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倚りかかってしまう。
これは自分も含め、自分の周りでここ最近感じるていることを言っているのかもしれないと思った。
自分の意見を持たずに流されてしまう、持っていても空気を読んでしまう。流されてしまう。空気を読む、合わせる。それは状況によってはとても危険な方向に向かうことにつながってしまうのだなとおもった。それが戦争に向かわせたという高畑さんの意見はとても的を得ているのではないかなと思う。
いちいち一人一人が無視してしまうことに考えを持つっていうことはやっぱり大事なことなんじゃないかと痛感した。一度危険な方向に傾いた時に、自分を頼りにできるように学んでいく必要がある。また学ぶ理由が見つかった。

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2021年04月21日

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火垂るの墓は反戦映画ではないと高畑は言う。
日本人の同町体質。憲法9条がなければ日本人はずるずる体質で戦争に突き進む民族であることを喝破している。空気を読む体質、反対勢力を排除する体質。高畑は読み取っている。

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2019年09月09日

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高畑勲さんは冒頭からこう言う。「火垂るの墓は反戦映画ではありません。」
さらに高畑さんは、国民学校(今の小学校)4年の6月29日に岡山市内で受けた空襲体験をもとにこうも言う。「戦争末期の負け戦の果てに、自分たちが受けた悲惨な体験を語っても、これから突入していくかもしれない戦争を防止することにはならないだろう。」
でも高畑さんは一貫した憲法9条改正反対、戦争反対論者だ。
一見、さっきあげた引用の内容と矛盾するとも思われるけど、通読して改めて高畑さんの思いについて深く考えてみると、次のような、ちょっとビックリする考えに突き当たった。
――高畑さんは、実はこう言いたかったのではないだろうか?『14歳の清太と4歳の節子を死に至らしめた直接の原因は、アメリカ人じゃなくて日本人にあるのだ』と。

たしかに戦争の相手国はアメリカで、空襲したのもアメリカ。
でも冷静に考えてみればわかる。アメリカと戦争するように「理性を失って」「突っ走った」のは他ならない日本人である。
この本を読めば、火垂るの墓に出てくる意地悪い親戚のおばさんや、仕方なく野菜を盗んだ清太を殴る大人を持ち出すまでもなく、幼い兄妹を追いつめたのは、当時の日本全体の世相であり、そういう「全員一致」の方向に(無意識であっても)突き進んだ日本人全員にあると直視せざるを得なくなる。

もう一方で高畑さんは、「全員一致」の暗雲が別に戦時中の話だけではなく、戦後70年を経てまだ日本や日本人を覆い続けているのではと表明する。その証拠として、表現者として、火垂るの墓の評価が1つのところに“落ち着いている”ことに一種の警戒感を持っているようだ。
さらに高畑さんは、戦中の「撃ちてし止(や)まむ」「進め一億火の玉だ」というフレーズに、戦後民主主義教育を受けた日本人にとって誰もが違和感を持つのだというのは今更否定できないはずなのに、オリンピックやワールドカップなどの際に、それらと似ているとしか思えないフレーズを平気で日本人の誰もが口にすることに素直な目で疑問を持っている。
いや、そのこと自体に疑問を持つというよりもむしろ、その雰囲気からはみ出る考えや意見を、日本人全体で封じ込めたり消そうとする傾向が今も厳然と残っていることに大きな疑問を持っているという方がより近いのかもしれない。

1つの国の国民が一つの方向に全体的に進む、というのは日本に限った話でもないのは私もわかっている。しかしそういう雰囲気になった時に、そこからはみ出る弱い立場の者(まさに節子など)や異なる考えを持つ者を、有無を言わさず隅に押しやる傾向が特に日本人は強いというのを、高畑さんと同様に、もうそろそろ日本人は自覚すべきではないだろうか。
高畑さんはそれを日本人の「体質」と表現している。体質は容易には変えられないので、高畑さんは日本人が戦争をしない状態を今は保ち続けているものの、ちゃんと考えていかないと、いつか戦争やむなしという雰囲気が大勢となる日が再び来てしまうのでは、と予言している。(そしてそれを防ぐ唯一の方法が憲法9条を改正させないことと高畑さんは言及している。)

良いところだけでなく悪いところも同じように描き込むことで事象の真実に迫るいう高畑流のリアリズムは、火垂るの墓でもいい面で出ていたと私は思うけど、この本での戦争や日本人に対する考え方にもそのリアリズムが顕著に表れているように感じて、好感をもった。

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2021年08月15日

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「ずるずる体質」「責任を取らない体質」の絶対的な歯止めが、憲法九条。体質を変えるか、憲法を守るか。どちらが簡単だろう?

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2018年04月13日

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「平和を繕う」、今大切なことだと思う。
最後のページの「言っておきたいこと」のまとめに主張は全て集約されているが、共感するところしきり。

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2016年03月23日

購入済み

短いですが、説得力あって趣旨の内容は整理されやすく相性が良いと思います。ETV特集で高畑さんの特番されてましたが
その前に20%OFFだったのでお得に買えました。

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2025年08月18日

Posted by ブクログ

15冊目『君が戦争を欲しないならば』(高畑勲 著、2015年12月、岩波書店)
2015年6月に著者の故郷である岡山市で行われた戦没者追悼式・平和講演会の講演記録。黙してきた空襲体験を赤裸々に告白した上で、憲法9条の必要性を説く。
日本人の「空気を読む」という国民的体質を痛烈に批判。「いいね!」を求める現代人にこそこの主張は響く。

〈抽象的であいまいな言葉でどんなまやかしの限定をつけようとも、一旦戦争のできる国になれば、どういう運命をたどることになるのか、私たちは歴史に学ばなければなりません〉

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2025年03月06日

Posted by ブクログ

2015年6月29日、岡山市戦没者追悼式・平和講演会での講演記録を収録したもの。60ページほどの本で、すぐ読み終わります。
9歳のとき岡山で焼夷弾の空襲を経験した高畑勲による、平和への提言。大変真面目で、まっすぐで、わかりやすい言葉でした。重みがあります。

高畑勲は、いままで戦争の体験を語ってこなかったという。その理由は簡単で、悲惨な戦争を語り継いだところで、
①「あんな悲惨な戦争を繰り返さないために、武器を捨て平和憲法を守ろう」
②「あんな悲惨な戦争を繰り返さないために、武器を持ち戦える準備をしよう」
これら両方の意見が出てくるからだと。とくに為政者は②を支持するだろうと。なるほど確かにその通りだ。

そして、日本の「責任を取らないずるずる気質」、「空気を読む」国民性が、70年前からいままで何も変わっていないという。どれだけ戦争に反対している人でも、いざ始まってしまえば、「始まったからには勝つしかない」と反転してしまう。偉大な詩人や芸術家も同じ、市民も同じだった。そして自分もきっと同じ。それが一番怖いという。

読みながら、まったくその通りだと思った。平和憲法を守り抜くしかないという結論は、現代においてはあまり響かない主張かもしれませんが、しかし、それしかないと私も思います。
緊張が高まっているから軍拡して備えなければいけない、というのが最近の流行りですが、その道はどれだけ不安定だろうと思う。
戦闘機やミサイルをたくさん持って多少強くなったとして、中国やアメリカの軍事力に対抗できるのか。それこそ桁が違う戦闘力の国に対して、同じように武器を持って準備して、誰も殺さず殺されない道をずっと歩めるか。できそうにない。ちょっとバランスを崩しただけで、戦争に転がり込むだろう。
では仮に世界一の軍隊を手に入れたところで、果たしてそれはいつまで続くか。盛者必衰は歴史を見れば明らかで、そんな不安定な道のりに進んではいけない。その不安定さがはっきり想像できるから、私は軍拡には賛成できない。
唯一の戦争被爆国である日本だからこそできる、平和への歩みがあると思う。平和憲法などお花畑だという人は多いが、お花畑を目指さずして、平和な世界を作れるというのか。

笑顔で握手をしながら裏では銃を突きつけあうのが大人の世界の平和だ、という言説を何度か見かけたことがある。互いに武力を持ち緊張状態を保つことが平和だと。そんなわけあるかと思う。そういうことをずっとやってきて、失敗し続けているのが人間ではないか。武力による緊張状態を保ち続ける、という思想こそが、お花畑ではないか。

武器のない世界をどうやって作れるか、戦争をけしかけた方が損をする仕組みはどうやって成立できるか。それを考え続け、世界にも発信し続ける。それしか本当の平和への道はないのではないか、と私は思います。


半分以上、自分の思いを書いてしまった。しかし、そういう思いを抱かせる本でありました。

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2025年09月03日

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焼夷弾の実際、日本人のずるずる体質。言葉にされて、ハッとなる。ものすごく教養のある人なのだなと感じる。

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2023年10月29日

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久しぶりに岩波ブックレットを読んだ。
高畑勲は単なるアニメーション監督としか認識していなかったけど、なかなか素晴らしい人物だったのだと今になって気づく。
日本がずっとやってきた「ずるずる体質」や「責任を取らない体質」は、これからも続いていく危険性がある。そのための歯止めとして憲法九条が必要なのだと高畑勲は訴える。
この考えを全て受け入れるかどうかは別として、改憲が叫ばれている世の流れの中で、護憲の主張を訴える岩波らしい本を久しぶりに読んだ感じ。

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2023年09月03日

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『火垂るの墓』『かぐや姫の物語』で知られる高畑勲が自身の戦争体験の経験や、昨今の憲法改正に向かおうとする日本への危機感が語られている。

日本は戦後70、80年足らずで、もう以前の戦争でどれだけ悲惨なことが行われたのか忘れられようとしている。
広島、長崎で原子爆弾が落とされ、亡くなった日本人の魂に黙祷が毎年の行事として行われようと、戦争の傷跡をもう忘れてしまったようだ。
その証拠に2023年の日本は軍事費を増やし、自民党主導による憲法改正(しかもその憲法に緊急事態条項まで追加しようとしている)への道を諦めてはいない。

本著で指摘される「ずるずる体質」「責任を取らない体質」も、この10年でどんどん酷くなっていっているように思える。
高畑勲が『火垂るの墓』で清太を糾弾しようとする意見が大勢を占める時代が来るかもしれないという危惧をしていたが、今の日本国民はそうなっているのではないだろうか……。

ロシアのウクライナ侵攻で「汝平和を欲さば、戦への備えをせよ」に似た主張から軍備の拡大や、憲法改正を唱える声が聞こえようとも、「もし きみが戦争を望まないなら、繕え 平和を」のプレヴェールの言葉、そして高畑勲が語る主張を信じたい。

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2023年03月24日

Posted by ブクログ

私は、サッカーやフィギュアスケート、テニスをテレビで観るのが好きだ。サッカなどチームプレーは、選手は日本代表で日の丸背負っているのだろうと思う。観客が大きな日の丸を掲げるのも理解出来る。でも、フィギュアスケートやテニスの個人競技の時にも大きな日の丸を掲げるのは、違和感を覚える。昔はあんなにしていなかったと思うが。
こんな気持ちを持っている人は、他にも多いのかもしれないと、本書を読んで感じた。
自分の国を誇りに思う事は大事だ。でも、自分の国だけ良ければという考え方は、時に悪い方向に政治を向かわせる。

一度、戦争を始めてしまったら、戦争に反対していた人たちも、家族を失わないように勝つ方向に進んでいく、という高畑の考えに、目から鱗、共感を覚えた。

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2019年02月15日

Posted by ブクログ

2015年6月29日岡山市民会館で開催された、岡山市主催による岡山市戦没者追悼式・平和講演会での講演記録を大幅に加筆、収録。ということで、とても読みやすい。同調気質の恐ろしさに一人でも多く気づいてほしい。

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2016年03月23日

Posted by ブクログ

戦後もうすぐ80年にならなんとしている。その間日本は憲法9条に護られ市民の戦死者を一人として出すことなく過ごすことが出来た。ありがたいことである。高畑さんの本でもこのことは書かれている。憲法9条を護持し外交を研ぎ澄ますこと。それはその通りであると思うが、今のこの情勢の中でそれだけで日本が戦争を遠ざけることが可能だろうか?その答えは誰も知らない。現在に生きる我々が考えていくべきことだと思う。日本は元来、多民族が作ってきた国家である(このことはゲノム分析で近年明らかになってきた)。これが人さますなわち世間との同調性が強い特殊な民族性と関係があるように思える。したがって、高畑氏の唱える欧米的な声のあげ方、ナンセンスと叫ぶ気質を持ち合わせていないと残念ながら思う。もっと違う方法で平和を維持する努力をしないと力による現状変更を考えている国家と対峙することは適わない。この違う方法は今を生きる我々個人は一人一人が考えなければならないのである。

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2022年02月15日

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