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Posted by ブクログ
〔七賢人〕竹林で清談してる呑んだくれたち。
〔華虞姫〕探偵役。《あのねえ、この世には不思議なんかないの》p.57。と、不思議の権化のような存在が言う。
〔尸解仙〕その男は本当に尸解仙になったのか?
〔酒徳頌〕劉伯倫が参加した酒の席で人が殺されたが誰にも殺すチャンスがなかった。
〔竹夫人〕最も危険な男、鐘士季と竹の因縁。
〔竹に虎〕阮嗣宗の祖父が虎退治をし、餃子や打鞠を始めたのは本当か?
〔老子はどこへ行った?〕老子は実在したか、どこへ行ったか。山巨源の「人を見る目」は節穴か?
〔最後の清談〕それぞれの顛末。
〔感想〕この著者はバリエーション豊かなので自分に合うかどうかはけっこう賭けやけど、今回のは好みでした。
■竹林についての簡単な単語集
【逸民】魏の司馬氏の専横を避けるため飄々と風雅に生きようとしていた人たちのこと。世捨て人というわけではなくちゃんと職に就いていた。
【王濬沖/おう・しゅんちゅう】王戎(おうじゅう)。七賢人のひとり。最年少。優男。高位の役人で資産家。金は好きだが賄賂は嫌い。皆からは「俗物」と言われているが嫌われているわけではない。
【華虞姫/かぐひめ】七賢人の仲間。竹に酒を捧げたら来てくれる小さい女性。探偵役。《あのねえ、この世には不思議なんかないの》p.57。と、不思議の権化のような存在が言う。
【疑案】謎のこと。華虞いわく《どんなことにも理屈があるの。大きな謎も、小さな謎がたくさん集まっているから不思議に思えるだけ。》p.110
【嵆淑夜/けい・しゅくや】嵆康(けいこう)。七賢人のひとり。手足が長い。思想家であり音楽家。鍛冶などもしている。
【阮嗣宗/げん・しそう】阮籍(げんせき)。七賢人のひとり。酒呑み。詩人であり文章家。最近歩兵校尉(宮城の警護人)になった(のには理由がある)。耳が尖っていて岩のような顔で眉は一文字につながっており口髭と顎髭は伸ばせるだけ伸ばしている異相と言える。
【阮仲容/げん・ちゅうよう】阮咸(げんかん)。七賢人のひとり。阮嗣宗の甥。雅楽の統括をしている。
【山巨源/さん・きょげん】山濤(さんとう)。七賢人のひとり。最年長。老人だが巨体。吏部郎(人事担当)。
【七賢人】竹林に集まって天下国家から身の回りの小事のことなどをくだくだ話し続ける呑兵衛の集まり。皆、それなりの地位と知名度を持つ。
【儒教】《儒教は、上に立つものには都合のよい学問だ。》p.174
【向子期/しょう・しき】向秀(しょうしゅう)。七賢人のひとり。大学者。老荘の研究で知られている。いつもきっちりした身なりで丁寧な言葉遣い。
【鐘士季/しょう・しき】俗物だが危険な男。他者を罪に落として処刑するのが趣味?
【清談】談義のための談義。
【劉伯倫/りゅう・はくりん】劉伶(りゅうれい)。七賢人のひとり。酒呑み。身長百四十センチくらいと小柄。小さな鹿車(ろくしゃ)に乗っていて自分が死んだらその場に埋めろと従者にスコップか何かを持たせている。『酒徳頌』という酒の百徳を称えた詩を書いているところらしい。《皆、無為のままに生きる。それが人間の本来の姿なのだ。》p.74
【老荘】老子と荘子。《大事なのは過去ではなく、未来でもなく、今この瞬間だけである。君主や親が無謀なことをしようとしたなら、身を隠して命を守れ。自分自身がいちばん大切である。仁義や礼忠は人間にもともと備わった資質をむりやり捻じ曲げるものだ。人間は自然を手本として、あるがままに生きるべきだ。目立つな、知恵に頼るな、手柄を立てるな、出世するな、世俗に関わるな、ものを裏から、逆さまから、横から、斜めから見よ……それが老荘の教えである。》(p.175)
Posted by ブクログ
モデルは竹林の七賢人だから、どうしても登場人物は7人になり、それぞれを描かなければならないと思うのですが、そうすると、この1冊では足りないと思うのです。7人全員を描かなくても、誰か一人をじっくりと描いてくれるともっと満足するのですが、それぞれが面白いはずの七賢人がなんとなくすうっと通り過ぎて行ってしまったように感じ、何かをもっと期待したくなりました。
華虞姫の設定は面白いと思いました。そうですか、そうすると、彼女はこのような感じで、その後の世界で会話していたのですね、なるほど。
「竹夫人」は諸星大二郎が作品に仕上げそうな雰囲気で、それを想像しながら読んだところです。一番好きでした。ただ、アームチェアディテクティブではありません。よい感じです。
面白いと思いました。読み終わるまで早かったです。
ただ、自分が求めていたものとは少々違っていたかもしれません。それは手に取った読者の責任です。
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