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「戦わずして人の兵を屈するは、善の善なる者なり」などの名言で知られる『孫子』。春秋時代の孫武(そんぶ)が著わし、二千年以上も読み継がれた名高い古典は世界最古の兵法書として、また人間界の鋭い洞察の書として親しまれ、今日もなお組織の統率法や人間心理の綾を読みとるうえで必携とされている。本書は、従来の宋時代のテキストより千年以上も古い前漢武帝時代の竹簡文に基づく精密な唯一の解説である。
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Posted by ブクログ
常にカバンに入れていた本。 普遍的な人間の心理、戦略が書かれている。 よぉし、バトル負けなーーーーーい‼️
数ある孫子の注釈本の中でも評価が高かったので、講談社学術文庫版を読んでみました。 孫子といえば、「彼を知り己を知れば百戦殆うからず」や「風林火山」の節が有名ですが、むしろその本質は謀攻編に示されるように、敵国を保全したまま勝利するのが最上の策であるとのことで、戦わずして敵国の意図を打ち砕くことや、巧...続きを読む妙な謀略により軍事行動を撤回させることにあるのではないかと思いました。 ヨーロッパの軍事学とは対極に位置する面もあるように感じますが、中国の古典は現代においても色褪せることはないですね。
最古の孫子を復刻する試み。 この本は最古の孫子である竹簡本を元に、 足りない部分を従来のテキストで補っている。 シンプルな金谷先生の岩波版と違って、 解説たっぷりで分かりやすい。 始めて読む人はこっちの方が良いかも知れない。 武田信玄公が孫子の一節を旗印にしたのは有名だが、 当のご本人は「有効...続きを読む性に欠ける」と言っていた という話はなかなか衝撃的だったが、 原則だからそのままの方法論は使えないが、 その分陳腐化せず長く残っている。 という解説に載っていた説明に納得した。 これを読んで使えるかどうかは当人次第なのだろう。
孔子とか孟子とか「〇〇子」っていっぱいいすぎて誰が何した人なのかわからん!! と前々から思ってた時に、オリラジのあっちゃんがyoutubeで面白く紹介してたので読んでみた。 孫子は、本屋でもビジネス書のコーナーでよく見かけるワードだったので、 きっと戦争についても概要的な、抽象的なことばかり書かれ...続きを読むていて、それが現代の我々も学べるような的を得た要約の仕方をしているんだろうと、勝手に決めてかかっていたけれど、そんなことは無く、戦争がどれだけお金がかかるか、どれだけ人が疲れてしまうのか、その消耗で具体的にどう負けてしまうかという生臭いことを徹底的に描き続けている本だった。 この本で孫子が言ってたことを、僕が解釈した通り言葉にすると 軍隊が動くという事は、食料や装備等の資源を国から持っていくという事であって、そこに補給を続けるという事は国から資源が減り続けるということで、さらに遠くへ行くなら補給のために物資を運ぶ人員が国から出て、物資を集める人員は仕事に手がつかなくなる。 そんな人も物も減り続ける状況が、1日でも長引けば国が傾くほどの大ごとだってことを、君主がよくわかってなきゃいけない。 だから徹底的に不要な戦闘を避けろ、戦わずに勝て、そのために調べろ、徹底的に調べろ、そして知られるな、それでいてやらなきゃならん時は、早くいってすぐ終わらせろ、多少まずいことがあってもいいから終わらせろ。 始めた時点から出費がデカいんだから、とにかく早く終わらせろ。 勝利というものは、戦略がしっかりしていればほとんど手に入れたも同然なんだ。 やり方はここに書いた、これを信じて徹底して、俺を将軍として起用して欲しい。 もう一度言うが勝利は、戦略でつかみ取るんだ、将軍の勇猛さとか、兵士の勇気や占いで決めるもんじゃない。 ここに書いてあることを、信じて実行してほしい。 って事だと思う。 兵法書に書いていることが何千年も受け継がれるような真理だからめちゃくちゃカッコいいけれど、普通に考えたらヤバいやつでしかない。 当時戦争で勝つか負けるかは占いで決まるとガチで信じられていた時代で「戦争の勝ち負けは100%将軍で決まる、占いは関係ない」と言いはなった孫子のこの兵法が採用されたこと自体が驚き。 現代でいうと、会社の面接に行って「AIの導入とビックデータの解析こそがこの社会で生き残る道だ、やり方は書いてきた、僕を採用してほしい」と言って書き物提出するみたいな事だと思うんだけど… トガリすぎててどう考えても不採用だよね。 孫武を採用した呉の王様も先見の明があるというか、なんというか、なかなかすげぇ人だなと思っちゃう。 この本読んで改めて古代ローマのハンニバル戦争とか調べると、とんでもないことをやり遂げた人だったんだなぁと、歴史を深く知れるようになった気もする。 今後何度も読み返すことで、ほかの勉強にも一歩深く踏み込ませてくれる知識をくれる一冊なんじゃないかなと感じている。
戦の世で生まれた道標
孫子は平時でも皆の道標となる。 この本は、現代語訳、書き下し文、語注(用語注)、解説が記され、 漢文に馴染みが無くても入り易い。 是非、一読されることをお勧めする。
和訳(現代語訳)文、訓読文、原著の漢文、注釈・解説 が章ごとに並べてあるという構成 最後に全編を通した解説の章が設けられている。 本書の最大の特徴は、前漢時代の竹簡を原著に採用していることだろう。 古典は後年に写本されたものほど改竄・改変の可能性が高くなる。 実際、本書の注釈によると、一般的に用...続きを読むいられるテキストは孫子の主張の根幹にあたる部分も改竄されていることがわかっている。 他の注釈本と比べて1000年以上古い竹簡本を採用している本書は、より正確に孫子の思想を反映しているといえる。 注釈・解説がとても面白く、わかりやすい。 原文のみではよくわからない部分も、当時の時代背景・軍事的背景の説明や孫臏兵法の引用などで補足説明されている。 また最後の解説の章では、孫子とクラウゼウィッツの比較や歴史上の意味などについても考察があり、こちらも興味深い内容だった。 とても良い本。
1972年に山東省臨沂県銀雀山の前漢時代の墓から出土した竹簡『孫子』を底本としている。この本は面白いです。特にp.261からの「解説」が面白いので、先に解説から読んでみることをお勧めしたい本。
『孫子』むちゃくちゃ面白かった! 兵法書だけど哲学書に近い感じ。物事への考え方とか捉え方とか… これ2500年以上前に完成された理論とは。 孫武すごし!!!
中国史に興味を持った自分は高校時代諸子百家に関するいくつかの本を読んだ。 たぶん思想とか哲学といったものに興味があったからだと思う。 諸子百家というのは中国春秋戦国時代、つまり紀元前の思想である。 古いからといって侮れない。 むしろ古典の価値の真髄は、それが時の試練を乗り越えてきたという点にあると思...続きを読むう。 だいたい人の評価などというものはいい加減なものだし、加えて社会的・歴史的制約というのは書籍の価値を嫌でも相対化する。 それにもかかわらず、現にこうやって今でも読まれたり、研究の対象にさえなるというのは、そういったいい加減さや社会的・歴史的制約というものに晒されても生き残れる生命力を古典が持っているからではないか。 孫子というのは、戦争や軍事に関する本である。私たちは平和な社会に生きているけれども、この本はやはり古典としての真髄を維持している。
戦争という側面から「人間を解き明かした」不朽の名著! …なんだけど一度や二度読んだくらいでは腑に落ちないもの。きっと何度も読み返すことになるだろう。そして読み返すたびに新しい発見をするはず。単純だと思っていたものにも見えなかった層が重なっていたりするんです。そんなディスカバリーに溢れた一冊。
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孫子
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