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忍びが牙を抜かれた文政の世に、伊賀の山中に、わらべの頃から人体兵器として養成する裏伊賀の集団があった。十五の若者・鬼市は、決死の思いで抜け忍となり江戸に出る。執拗な追っ手に追われ、鬼市は隠密廻り同心・城田新兵衛に出会い、その腕を見込まれ、同心屋敷にかくまわれた。はじめて人の優しさに触れた鬼市。義賊として生きようとしていた裏伊賀の若者が、江戸の闇を守る。活劇と人情の忍び物語。新シリーズ、開始!
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Posted by ブクログ 2018年09月07日
率直に言って、最近の倉阪鬼一郎さんの作品にはキレを感じなくなっていました。「八丁堀の忍」(2018.8)、宇良伊賀の忍者として修業中、同僚を殺してまでの修業に嫌気がさし、抜け忍となった鬼市15歳の物語。テンポよく、キレもよし。期待できる新シリーズです。
Posted by ブクログ 2021年01月09日
少年忍者ものとして大変に楽しめました。(^^ 世間知らずが都会に出てきてのちょっとしたトラブルとか、何かとフォーマットに沿っているという印象も強いのですが。 忍者の里を抜けて江戸に着くまでが大半なので、一通りキャラクターの紹介をしましたって感じです。 次巻以降にも期待大です。
忍びの痛快な仕事そして働き
鬼市は幼子時にかどわかされて、人体兵器となるべく、忍びの里に連れて来られた。悲しくも親の顔も知らない時の出来事だ。その定めの鎖を自ら断ち切り、鬼市は裏伊賀の隠れ砦を抜け出してはるばる遠くの江戸まで逃げて来たのだった。 鬼市は、江戸の賑いに戸惑い、大川近くの食べ物屋で岡っ引きに捕えられたが、見回り同...続きを読む心城田に見初められその家の小者となり、長屋に住むことなる。 江戸の町の営みは鬼市が過ごしてきた伊賀の里とは大きく違い、人情があり心休まるものがあった。 だが、数奇な運命に翻弄されてきたこの若者は、常人にはない、おのれもまだ分からぬ力を持ち合わせているようだ。 このところ江戸の町の夜には辻斬りが頻発していた。その犯人を追い詰めるべく、城田は見回りを続けていたが、その捜索を鬼市の忍びの能力が助けるのだった。痛快な物語である。
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