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15世紀の大航海時代にアジア、新大陸に進出、激しい貿易戦争を繰り返しながらグローバル化を進め、幾多の戦乱と革命を経て国民国家を誕生させたヨーロッパ。産業革命と帝国主義により19世紀の世界に覇権を確立したが、二度の世界大戦で破局を迎える。その反省から生まれた欧州統合への長い道のりの栄光と挫折をも考察する。
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Posted by ブクログ
大航海時代中盤から第一次世界大戦までの間、世界をリードしてきた「近大ヨーロッパ」の覇権。 それが如何に発展し、そして終演したのかというお話。 未だに、「欧(米)」が世界をリードし、フォーマットをつくってきたことは事実だからなあ。(影は影として やはり、欧州が如何にしてその地位を占めてきたのかにつ...続きを読むいて学ぶ必要はある。それにしても、大英帝国。大英帝国に尽きる。
15世紀から19世紀にかけての近代ヨーロッパが世界の覇権を握り現代世界のベースを造った歴史を概観する。文化的にも軍事的にも東洋に比べたら劣っていた中世の欧州が、大航海時代から世界を支配していく歴史はダイナミックでとても興味深い時代だ。 特に神が絶対であり、全てのことは神が造ったのだから、聖書に書...続きを読むいてあることが全てであるから、それと異なる考えを持ってはいけないという中世の世界からの脱却が興味深い。欧州は十字軍の時代にイスラム勢力に対して宗教に名を借りた虐殺・強奪行為を重ね、その後の宗教改革の時代では宗教戦争を繰り返した。その規模と期間は日本の戦国時代どころではないのだ。そのパワーで欧州の大航海時代からの世界征服が始まるのであるから、アジアやアフリカののんびりした国々はひとたまりもなかったのもやむを得ない。 興亡の世界史の中でもこの本は読む価値が高いと思います。
ただ教科書的にイベントの羅列をするのではなく、誰もが知るような大きな出来事の背景を非常にわかりやすく解説してくれている。 長らくヨーロッパの帝国主義・植民地化の動きの背景となるマインドがわからずにいたが、産業発展・文明化されていない他国の啓蒙やキリスト教の布教という極めて一方的な理由であることがわか...続きを読むった。中には投資先の拡大という理由もあった。 「投資先の拡大」と書いて思ったけれど、 産業革命以前には、裕福な貴族と、家庭内手工業的な働き方だった市民や農民と明確に区別がなされ、その範囲内での経済活動であった。もちろん税金の免除など特例がなされていた貴族層に対して不満はあったにせよ、自らの意思で経済活動を行い、被支配感というのは大きくなかったのではないかと思う。 一方で、産業革命を経て資本家が誕生し、市民や農民は工場などに集められ(自らの意思でというよりも、雇用を求めて仕方ない部分が大きかったのではないか。現代でもそうだと思う)、聖月曜日も否定され、子どもも働かされるような、それまでの人権が一部否定されるような環境へと変貌してしまった。技術の発展に伴いあわよくば一般的な所得の人でも資本家へとなれる可能性は拡大した?かもしれないが、やはり相対的貧困やなんとなく感じる抑圧感というのは拡大してしまったと思う。 それは突然商品として売り出されることになった奴隷と近しいものに感じるし、現代社会も似たようなものだと思う。自ら企業するなりお店を経営することも可能だが、失敗することのリスクが大きすぎる。それであればある程度の自由や権利を削ぎ落としてでも、企業傘下で自らの時間と労働力を提供するほうが、経済的・社会的に安心を得ることができる。生きてはいられるけれども、保守的な社会。もっと人間的なるもの(創作や芸術活動や自分のアイデアをもとにした経済活動など)が爆発した世の中の方が楽しいだろうなと思う人は多いと思う。それと現実は異なるし、そのような社会が現実になったこともない(労働の価値が低かった古代ギリシャだってその背景には奴隷がいた)。そういった社会はどうしたら実現するんだろうなと思う。
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興亡の世界史 近代ヨーロッパの覇権
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福井憲彦
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