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Posted by ブクログ
多くの史実の中で、ひとつだけ民俗学的考察に触れた章があり、非常に考えさせられた。和時計に対するクダリである。日本人は人間の好みを機械に押し付けるが、外国では機械のやり方に人間が合わせる。その背景には、日本人はモノに対する認識として「自然感覚」を持っているのに対し、西洋人はモノに神を宿らせて尊重する、という決定的な違いがある。確かに日本ではハイテク製品を秋葉の露店で売っていたり、高級デザートをコンビニで売っていたり、西洋人からしたら異常な光景に見えるだろう。某TV番組で、外国人が「日本のパンはパンではない」と指摘するコーナーがあった。西洋にとってパンはキリスト(神)から与えられた食事。したがって彼らにしてみれば、日本のパンはどちらかというとデザート。つまり根底にあるものが異なるから価値観も変わる。おそらくこれからもそうであろう。今後の文化、文明の展開を対比考察していくうえでも、なかなか面白い視点であると感じた。
Posted by ブクログ
小さいころ、エジソンの伝記に夢中になった経験のある人は多いのではないでしょうか。これは、まさに大人向けの発明家の伝記オムニバスといった感の本です。各章20ページ前後のボリュームで、様々な科学技術の発明にまつわるエピソードを紹介しています。科学技術の発展において,20世紀前半を主導したドイツと、20世紀後半を主導したアメリカを対比します。人によって琴線に触れる箇所は様々かと思いますが、私の印象に残った箇所は、「ドイツをはじめヨーロッパでは新技術の発明はギルドに代表される熟練者、伝統産業の既得権益を害する存在として支持を得られないケースが多かったのに対し、アメリカではそのような既得権益者が存在しなかったために発明家という職業が成立した」、日本独自の科学技術に触れている和時計のくだりで「西洋では機械制御に落とし込みやすいという観点から定時法(季節に関係なく同じ長さの時間の単位を用いる)を進めたが、日本では不定時法(日の出と日没の時刻を等分し、季節によって時間の単位が変化する)をそのままからくり時計として採用した。西洋とは全く独立した技術体系が成立していた」という2点です。書名が「偉人伝」ではなく、「異人伝」となっているのは、発明家という人種が、生きている時には概して変人扱いされたケースが多かったからかも知れませんね。
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