書店員のおすすめ
数学はお好きですか?
私は好きではありません…。
好きではないというよりも、苦手意識が強いのです。
そういった、ある種の「数学アレルギー」の方、多いのではないでしょうか。
この物語は、京都の名門大学・吉田大学理学部に入学した、秀才 横辺建己の物語。
実は彼、高校までは天才と持てはやされ、果ては物理学者になってノーベル賞を期待されるほどであったが、大学の高度な数学の授業に全くついていけず…
わからないことがわからない状態に。
何故なら数学というものは
①数学的な概念の定義を学ぶ
②その概念に対する命題や定理の証明を理解する
③その命題や定理を使って具体的な問題を解く
という段階を経る(らしいのです)。
高校までは③を重点的に行うが、大学では①と②がメインとなるため
数学を理解せず問題を解くことしかできない横辺はものの見事に躓いたのであった。(合掌)
数学が苦手な人間からすると、横辺が理解しようと挑み、打ち砕かれる姿がなんとも滑稽であり、共感を覚えるのです。
そして、理解する数学というものが新鮮に感じられ始めます。
数学ってこんなに面白いものだったんですね…!!
数学好きはもちろん、数学に躓いた人、躓きそうな人、数学アレルギーの方にも読んで欲しい作品です。