Posted by ブクログ
2020年02月15日
タイトルからこの本に書かれている内容に興味を持ちました。「少子化による人口減少」と「AIによる自動化」という波によって社会がどのように変化していくかということが書かれています。
全6章で現在日本を脅かしている少子化は複合的な要因が重なっている、そこから社会は高齢化が進み保険料の引き上げ、高齢者が働か...続きを読むなくてはいけない時代が到来する、シェア経済やギグ経済の広がり、消費や所得が伸びないという予測、AIの導入によるホワイトカラーの減少や格差拡大から訪れる民主主義の危機等が書かれ、そして少子化に立ち向かうには、AIとどう向き合うべきかが書かれていました。私は第1章から第4章は現在日本を取り巻く少子化の原因や社会の変化については大変参考になりましたが、第5章の少子化に立ち向かう方法に関しては、目先のことしか考えない日本政府や経済界にはできない方法なのではないかと思われました。ただ理想論というわけではなく、地方創生やテレワークを推し進める候補者を見極めて投票した方が良いという意見は参考になりましたし、候補者の政策をよく見ることが大事であるとわかりました。最後の第6章に関しても、AIによる企業の自動化が高まり、生産性が高まるほど雇用が確実に減っていくから「AI・ロボット税」を各国の税制に導入して企業の自動化の進展を遅らせて失業者の再教育制度や産業の支援にまわすという筆者の案は見事だと思うのですが、目先のことしか考えない政府や経済界は導入することはないと思いました。ただ作者の主張であるAIと戦うのではなくAIを利用して、人間の複雑さを身に着けていくことが重要であるということには共感しました。