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最も早い段階からアメリカの住宅バブル崩壊の正確な時期を予測し、その後の世界経済の混乱を予見した「最も予測が当たる」No.1エコノミストの思考とアプローチ方法をあますところなく公開する。その卓越した経済予測の背景にある、歴史学、心理学、哲学などを通した独自のアプローチ方法の身につけ方をわかりやすく解説。
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Posted by ブクログ
マーケットを予測するのは困難で、それを職業にしているエコノミストやアナリストも自身の見解をよく外します。不透明極まりない震災後の日本で、自分の資産を運用するには何が必要なのかと考え、再読しました。基本的には経済学だけでは相場は読めないという話。経済学以外に①歴史学☞人は同じ間違いを繰り返すもの、だか...続きを読むらこそ歴史上のケースに置き換えて今から先を見をみる。②心理学☞心理的バイアスがかかると、卓上の論理は機能しない。自分の心理的を俯瞰で見る事が出来るようになる事が重要③哲学☞知のOSをアップデートする。ぶれないものの捉え方をつかむ。 以上の③つの知識をバックボーンとして、これからのマーケットと向き合えば、勝算があるかもしれない。実際、マーケットは厳しい世界で専業にしている方々で退場を余儀なくされるプレイヤーも多い。勝ち組と言われる3%に入るには弛まない努力と能力が必要だと思います。長く相場と付き合い、資産を増やすためには思考停止する訳にはいかないと思いました。道は遠いが、やってみます。
経済分析には経済以外の、心理学・歴史・哲学を学びましょう。という主旨。 私はそうやってきたんでサブプライムとかも予測できました、すごいでしょう、という匂いもするので☆ひとつマイナス。
歴史学、心理学、哲学から予測脳を養う。 具体的な指南があり、面白かった。 早速上記に関連する書籍をあさろうと思う。
読書目的 ①世界潮流を見る能力として、著者の主張する『経済予測脳』を理解する。 ②著者が主張する歴史学、心理学、哲学の重要性を学び、学問的視野の拡大のきっかけとする。 ベストセラー『サブプライム後の損資産運用』、『サブプライム後の新世界経済』の著者でエコノミストである中原圭介さんの著書。ご自身の世...続きを読む界潮流を見るスキル『経済予測脳』を紹介している。 ・経済予測脳とは 経済予測脳とは、『起こりうる未来を描き出し、その方向に向け行動すること』。 現在の日本の経済・政治のシステムは『資本主義』と『民主主義』。『資本主義』の本質は『弱肉強食』。努力すれば報われる一方、努力を怠ると敗れ去る社会。一方、『民主主義』は公平平等な社会を実現すること。特に資本主義による弱者を民主主義の観点で救済し、2つのシステムのバランスをとることが、本来の政府の役割。しかし、バラマキ型の政策を続ける今の日本政府にそれを期待することは出来ない。 したがって、この混沌とした時代を生き抜くのに頼るべくは自分自身しかなく、その能力として経済予測脳が必要不可欠。そして、経済予測脳を身につけるには、経済学以外の学問の視点を必要とし、著者は特に歴史学、心理学、哲学の重要性を主張している。 ・歴史学の視点 『歴史は繰り返す』の言葉通り、人間の本質(思惑と欲望)は昔も今も大きな違いはない。今起きている現象は、歴史の事例を検証することで、次に何が起きるかを予測することが出来る。 ・心理学の視点 人間は、時として非合理的な判断で行動する。今起きている現象は、どのような人間の心理に基づいているかを検証することで、次に何が起きるかを予測することが出来る。 ・哲学の視点 今起きている現象の全体構造や本質を抽出するには、哲学的視点で思考力を鍛え、物事を俯瞰的に捉える能力を身につけることが必要。 【感想】 前著『サブプライム後の世界経済』でも概略が説明されているため、内容に目新しさは余りありません。しかし、以前から合理的行動をとる人間をモデルとした経済学に違和感を持っていた私にとって、歴史と心理学の視点から人間行動を読み解く姿勢は、非常に共感できる考え方です。加えて、哲学の視点で物事を構造的に俯瞰して捉える姿勢は、情報が氾濫する現代において、世界潮流を読み解く上で必要不可欠な考え方だと思います。 又筆者は、インターネットで新聞情報が収集できる現代において、『それでも新聞を(可能ならば複数)読みなさい』と主張し、速読が流行している中、敢えて『非』速読を主張しています。いずれも、物事を大局的に捉え、思考力を鍛えることが経済予測脳には必要であるとの考え方に基づいています。これは、私にとって大変参考となる考え方です。 又筆者は、現在起きている欧州の経済危機を、自分の先入観から予測できなかった失敗談を敢えて紹介しています。この真摯な姿勢こそ、複雑な現代を生き抜く上の必要な考え方として、共感を持ちました。 【個人的サプライズ】 本書を通じて、筆者は哲学的視点を身に付ける参考文献として、哲学書『構造と力』(浅田彰)を推薦しています。私は本書を読んで、哲学的なものの見方に非常に興味を持ったため、この『構造と力』を購入しようと思っていました。偶然ですが、先週末に積読の書籍を項目別に整理をした際、蔵書の中にこの『構造と力』を発見しました。何時、何のために購入したのか、まるで記憶にありません。いずれにしても、非常に難解そうな書籍ですが、何とか読破して思考力を鍛えようと思いました。
著者の経験を基に、経済を予測する為のレベルアップの方法を紹介している。経済学という狭い括りではなく、歴史学、心理学 哲学など様々な知識とそれにまつわる思考法を学ぶことで経済予測脳を作り上げていくというもの。具体的な勉強法や一朝一夕で頭が良くなるというような耳触りの良い話はないが、経済という人間の行動...続きを読むの集積による現象を解き明かすには様々な視点が必要という意見には賛成できる。内容量からすると少し割高かな、とも思う。
日本や世界経済を予測した本が巷に出回っていますが、それを読んでも「付け焼刃的」な知識が得られていないと感じる最大の原因は、その著者の結論を導き出した前提条件や考え方が理解出来ていない事にあると思います。 それを解説することは、ある意味で解説者としてのノウハウを開示することにも繋がるので、それに触...続きを読むれられることは少無いと私は思っています。その中で、この本のタイトルに含まれる「経済予測脳」という言葉を私のアンテナが捉えました。 中原氏の提唱する、いま起きている出来事を、歴史学・経済学・心理学・哲学の4つの視点から見てみることの重要性(p82)は私に取っては新鮮でした、特に後者の心理学(欲望、エゴ)・哲学(西洋史はキリスト教、日本史は怨霊信仰)の観点はより根本にかかわる重要な概念だと思いました。 筆者が最後で、より高いレベルを身につけるには、理系学問(生物、物理、化学、数学)や人類学等も必要と述べていました(p268)、バランスのとれた知識が重要だということでしょうか。 以下は気になったポイントです。 ・米バブルが崩壊したのは、その過熱ぶりを警戒したFRBが2004年以降、利下げから利上げに転換したのが遅すぎたのが原因、2006年に5.25%まで政策金利が上がって米穀住宅価格が下落した(p35) ・FRBバーナンキ議長は、2008年4月に、「ベア・スターンズと同様の破綻が起きることは想定していない」と発言したがリーマン倒産(同年9月)となった(p50) ・マクロ経済学の教科書通りに金融政策を実施した日本(政策金利:無担保コール翌日物レート」を0.15%、量的金融緩和)は、景気が回復しない状況が10年以上続いた(p67) ・歴史から学べることは、「時代や場所が違っても、同じ状況と条件がそろえば歴史は繰り返す」ということ、拡大しようとする根本は、「人間の欲望」である(p77、95) ・今起きている出来事を、史学・経済学・心理学・哲学の4つの視点から見てみることが大切(p82) ・ローマ帝国の衰退の原因は、1)ゲルマン人に国を囲まれて新たな領土獲得が困難、2)戦争奴隷を獲得できずに経済基盤の農業衰退、である(p102) ・農業生産が立ちいかなくなって崩壊に追い込まれたローマ帝国のように、国際巨大資本も「国際分業体制」というビジネスモデルの限界にあと10~20年で到達しようとしている(p103) ・西洋史を研究する上で、常にキリスト教の影響を考慮すべきなのと同様に、日本史を解明するには、怨霊信仰の影響を考える必要がある(p114) ・バブル発生から拡大までのプロセスとして、1)需給の不均衡、2)投機家による買い、3)一般投資家らによる買い、の3段階がある(p142) ・人間は、利益が出る場合にリスク回避的な行動を好み、損失が出る場合にリスク指向的行動を好むと言われている(p158) ・知の「OS」とは、哲学のこと(p166) ・「構造と力:浅田氏」とであったことが、哲学を学ぶ出発点となった、この本により、「人間はお金に縛られ続ける限り自由になれない」ということを学んだ(p168、177) ・ボーダーレス化によって、米国経済が地球規模で膨張した姿が、現在の世界経済であるという本質を理解したので、デカップリング論はあり得ないと予想した(p185) ・米国住宅市場では、販売件数の80~90%が中古住宅なので中古住宅の販売件数が米国経済と深い関係がある(p189) ・パソコン業界がネットブックにより価格下落となったように、自動車業界も同じような状況になると予測できる(p211) ・新聞を読むメリットは、1)世の中の流れを大局的につかめる、2)自分にとって関心のない記事にも目を通せる、である(p215) ・今後の世界経済の流れは、1)米国依存の経済発展の限界、2)金融から環境主導の経済、である(p239) ・欧州が温暖化ガス削減に取り組んでいるのは、欧州が育てた(2005年開始)排出権取引制度の存続がかかっているから(p241) ・ドイツの大手銀行では、5カ国(ギリシア、ポルトガル、スペイン、アイルランド、イタリア)への与信残高はGDPの20%、フランスの場合は同30%であり危険水準(p245) ・日本のハイテク企業が韓国企業に苦戦しているのは、為替相場と法人税率にもよる、2009年最高益のサムスン電子も、ウオン相場が円相場並に高かったら赤字の可能性あり(p254)
経済だけでなく、歴史、心理学、哲学の視点で考えるという中原氏のスタイルを紹介したもの。しかし、哲学編の浅田彰の著書の紹介が一番おもしろかった。 構造主義の考え方(浅田彰「構造と力」): ・人間以外の生物は本能の導きによって自然の秩序を乱さない範囲で行われている。 ・人間は壊れた本能としての欲動に突...続きを読むき動かされるため、それを制御するために象徴秩序としての文化が求められた。 ・文化は人間同士のぶつかり合いによって形成される。個人対個人のぶつかり合いが複数となり、混乱を拡大する。 ・混乱を解決するのが王の誕生であり、法と秩序の体系に縛りつけられることによって平穏がもたらされる。 文化が形成されていく過程(ガタリ「アンチ・オイディプス」) ・コード化=秩序形成(原始共同体) ・超コード化(古代専制国家) ・脱コード化(近代資本制)→貨幣(競争)が人間の欲動を転換させることによって秩序を維持している。人間の欲望が満たされることはないため、幸福になれない(浅田彰「構造と力」)。 パラノ人間からスキゾ人間へ(浅田彰「逃走論」) ・パラノ人間は偏執型で、競争の熱心なランナー。成長社会において肯定される。 ・スキゾ人間は分裂症で、競争を拒絶して自分の思うままに生きる人間。成長社会では落ちこぼれだが、低成長社会では正常者になるのではないか。 ・中原氏は、貪欲さを捨て、人間らしい生き方を求めることが答えであると解釈する。 新しい世界経済の大きな流れ ・アメリカは輸出を増やして景気回復を図ろうとしている。そのため、緩やかなドル安に誘導し、経常黒字国に対する市場開放、中国への人民元の切り上げを求めるだろう。
「経済予測脳」、歴史、哲学など、幅広く教養を深めて、自ら考える人が、持つ頭脳のことだ。 経済は、人が関わってくる、数式道理には決してならない。 高等な経済理論も、人間の合理性を欠いた、行動にはついては行けない。 歴史から何を学ぶか、ローマ帝国、モンゴル帝国などなど、繁栄しつづけているものは、過去の...続きを読む歴史には存在しない。 そこから何を学ぶのか。 人間の愚かさだとうか。 19世紀は、英国の時代、20世紀は、米国の時代、さあ、21世紀は、どこの時代だろうか。 経済は、どんどん動いている。 無策な政治家、官僚がコントロールしている、日本には、残念ながら、明日はないのかもしれない。 哲学から何を学ぶか。 人間の種としての愚かさか。 地球上の生物の中で、突出して、貪欲な生物人間を深く学ぶ事により、経済理論が役に立たない事があることを学ぼう。 だからといって、何もしないとは、愚か者だ。 今、もてる知識を使って、たまにはよく考えてみたらどうか。 これから、どんな社会になるかを!
経済予測を行うには経済学のみを勉強すればよいのでなく、心理学・哲学・歴史の素養を付けておくことが重要である。経済は人の心理や行動によって左右され、歴史は繰り返すためである。これらの素養にプラスして、新聞を読み情報を取捨選択することが大事である。特に事実か予測なのかを判断し、事実に伴う自己の予測を起て...続きを読むていくことが経済予測脳を育む。 様々な観点から物事を俯瞰し、自分なりの答えを用意することこそ今後の人生を賢く生きるための術である。
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