Posted by ブクログ
2018年08月08日
裏表紙には「大人のための青春小説」とあるけれど、イヤミスかもしれないと訝ってしまう進み具合。
数年に一度の頻度で開かれる中学校の同窓会。幹事に引き入れられてしまった男性を中心に物語は進行します。
幹事あるある、てんこ盛り。そうです、返事すらくれない人って多い。でもそれは、ここに書かれているとおり...続きを読む、「行く価値が相対的に低いという判断」なのでしょう。
幹事を務める身としては、本作の幹事の気持ちもよくわかるものの、ちょっと人のことに首を突っ込みすぎな気もします。そこまでして同窓会の出席者を増やそうとしなくても。それにそんなに誰も彼もに会いたいか!?
お節介が過ぎると思いつつも、読みながらいろんなことを考える。小中高大学いずれの時代も、当時はほとんど話したことのなかった同級生と同窓会で会うと、タメというだけですごくいろんな話ができる。なんだ当時からもっと話せばよかったと思うこともしょっちゅうで。
「会いたい人というのは簡単には会えない人のことで、だからこそ思いは募るのでは」という一文に、そうかもしれないと思う。「結局そのとき行きたい人は行くし、行かない人は行かない、でも行かない人でもいつか行くかも」にもうんうんとうなずく。いくら案内を送っても何の返信もない人にもう連絡するのはやめようかなと思っていたまさに今年、こんなのを読むと、もうちょっと続けて送るかと思い直すのでした。