Posted by ブクログ
2021年01月17日
小樽での雅桐刀の元締めを探る明日郎、阿爛、旭の3人。辿り着いた先にいたのは、まさかの武田観柳。
死の商人として登場し、剣心と戦い野望と叩き潰されたあの男が再登場です。
雅桐倫具というガトリングもじりの偽名つけるなんて、過去の栄光が忘れられないのでしょうか。と思えば、再起のために艱難辛苦に耐え忍ぶとこ...続きを読むろもあったりします。
成り上がるという目的のためには、手段は選ばないというのは変わっていないのか。
蒼紫に怒られろ。
労働の対価を要求する阿爛。それに対しての剣心と観柳の反応。少年漫画としては、剣心の方がスタンダードな気がするんだよなぁ。でも、現実では観柳なんだよなぁ。
北海道編のこういう場面で、和月伸宏の考え方や書きたいことが変化しているのだな、と思います。勧善懲悪の文脈でなく、登場人物それぞれの個性に沿って展開してゆくという感じ?
それによって、作品の芯となるものがぶれなければいいのだけど。まあ、後進を導く存在として、多種多様な先達がいるというのはいいのではないかな。観柳で言うなら、商才という点では、剣心よりも学ぶところは遥かにあるわけだし。人道という点はどうかと思うので、それは剣心や他の面々がフォローしてゆけばいいのですよ。
後進ではなく、同志や戦友として並び立つ存在の左之助。人誅編で漠然と抱えていた将来への不安。ラストで世界へと旅立ち見聞してきた経験。そこで何を得て、何を己の生きる意味にしてゆくのか。少しですが、斧號・於野冨鷹との戦いで明かされたのかな。剣心と同じように、弱いもののために戦い続けてゆくのだろうなぁ。
当初は、あてつけの意味合いが強かった背中の惡一文字。これからは、義賊としての意味合いに変わってゆくのでしょうか。
月岡津南との一件も、己の道を鑑みるに大きかったですしね。あの頃と芯では変わっていないです。
「政府の奴らが汚ねぇからってよ、何もこっちまで合わせるこたあねェ」
「じっくりでもゆっくりでもいいさ、あの世で隊長が笑って見てくれるやり方で俺はいかせてもらうぜ」