ブックライブでは、JavaScriptがOFFになっているとご利用いただけない機能があります。JavaScriptを有効にしてご利用ください。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
来店pt
閲覧履歴
My本棚
カート
フォロー
クーポン
Myページ
6pt
古代ギリシアにおいて初めて倫理学を確立した名著。万人が人生の究極の目的として求めるものは「幸福」即ち「よく生きること」であると規定し、このあいまいな概念を精緻な分析で闡明する。これは当時の都市国家市民を対象に述べられたものであるが、ルネサンス以後、西洋の思想、学問、人間形成に重大な影響を及ぼした。
ブラウザ試し読み
アプリ試し読みはこちら
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
試し読み
1~2件目 / 2件
※期間限定無料版、予約作品はカートに入りません
Posted by ブクログ
上巻、下巻すべて読み終わった後の感想を書きます。下巻の最後に解説があり、それを最初に読んでから本書を読み進めるとよかったかなと思いました。「二コマコス倫理学」という日本語タイトルについての注意点や(正確に言えば倫理学について語っている本ではないよという指摘)、また本書の重要概念である「エウダイモニア...続きを読む」についても、本書内では幸福という訳語が充てられていますが、むしろウェルビーイングというほうが近い、というような注釈がなされていました。 特に後者が大事かなと思うのですが、アリストテレスが「幸福」について語っていると思ってしまうと違和感を持つ個所が多々ありました。明らかに日本人の幸福感とは異なる価値観が展開されているからですが、「エウダイモニア」の概念をウェルビーイングだとして本書を読めば、かなり腹落ちすると思います。人間は知的卓越性だけでなく倫理的な卓越性を持たなければならない。そして倫理的な卓越性は日々の行動、実践によって培われていくこと、さらに何においても中庸こそがもっともすぐれたことなどが議論されています。そこで必要になるのは知慮(フロネシス)ですが、知慮は普遍的なものというよりは、場所や時期によってそのコンテクストを変えていく変幻自在の知であります。知的・倫理的卓越性にもとづいた日々の活動が最高の善、すなわちエウダイモニアにつながっていくということになります。2300年前の文書が現代においてもこれだけ読まれていることに驚愕すると同時に、その書かれている内容の普遍性についても驚愕を禁じえませんでした。
現代人から見ても決して常識はずれではない、高度に洗練された幸福論です。2300年以上前に書かれたとはとても思えない。しっかりと読むコツは、独特の諸用語が持つ意味を、特に用語と用語の関係性に注意して、訳注を参考に着実に捉えていくことだと思います。たとえば「情態」と「性状」という2つの語は、日本語的には...続きを読む似ていますが、原語においてはむしろ対になる概念ですので、注意が必要です。
倫理学を学ぼうと思ったらまず最初に必読の本。古代ギリシアにおいて最初の倫理学集成。ニコマコスが書いたのではなく、アリストテレスが書いたものを息子ニコマコスが編集した本です。
「万学の祖」の異名をもつアリストテレスによる2300年前の倫理学の聖典。 弟子のニコマコスが執筆した本書は、人間にとっての幸福とは何かを説き、後世の哲学界に深刻な影響を及ぼしたとされている。 人間のにとっての究極目的、最高善は、「それ自身として常に望ましい善であって、他の何かゆえに望まれる善ではな...続きを読むい」のであり、それこそがエウダイモニア「幸福」であると。 他にも、 苦悩に対して無感覚であるよりも、その苦悩を感覚し、平静に耐え抜くことができる姿勢そのものは幸福である(ストア派的?) 知識を有する者が、必ずしも知識を持たない者よりも実践において役にたつ場合があり、その差を生むのは経験である(経験主義的?) など、上巻だけでも以後の西洋哲学の源泉をつぶさに掬い上げることができた。 確かに、師匠のプラトンが観念的であるのに対し、極めて実学・実践的な思想が描かれている。
2300〜2400年?も前に生きていた人が書いた(講義した)ものとは思えない。資本主義も新自由主義も存在しないし国家(共同体)や経済の規模や概念も異なる、そんな時代での考察だけど、現代に生きる僕でも充分に共感や気付きを得られる内容が多かった。 徳のうち技術に関する話は自分の仕事感、また友愛(フィリ...続きを読むア)に関する話は、自分の職場や家族との人間関係を改めて考えるきっかけになった。 ここまで共感出来るのは、この本が人間の本質を突いているからだろうか?それともアリストテレスの影響も受けつつ長年掛けて形作られた倫理・哲学世界の延長線を僕が生きてるからだろうか? 答えはわからないけど歴史や古典をもっと勉強したいと思われてくれる一冊だった。 因みに本の読解は難しかった。NHKの解説本(100分で名著シリーズ)やネットの解説を頼りながらなんとか読み進めた。
今年前半、プラトンを1冊、ギリシア悲劇を1冊と読んできたので、よっしゃ次はアリストテレスだ! というわけで手に取ったのがこちら、『二コマコス倫理学』。 さて、はりきって読み始めてみたものの。 ううーーん、これ、難しい(泣)。 書かれている内容が難しい、というのではなく、もはや目で文字を追っても、脳...続きを読むが意味をとらえられなくて、ただただ文字が流れていくか、そのうち注意力を失って気がつくと眠りに落ちているかのどちらか。 うん。これは、あれだな。 自分がその本を読むための前提となる土台を有していないにもかかわらず、読んでしまった時におこる現象だなあ。 いきなり原著から読まないで、入門書か解説書にすれば良かったかなあ、と少し後悔しましたが、せっかく買ったので、わからないことを気にせず、割り切って読むことにしました。 こういう場合の私の割り切り方とは、文章を理解しようとせず、ただただ文字を一定のスピードで、あまりじっくり読むと眠くなるので早めに、淡々と流していきます。 そして、たまーに「お、なんか面白いかも?」と思う一文に出会ったら、素直に喜ぶ(笑)。 川底から砂金を見つけたかのように、その一文をゆっくり眺めて味わいます(砂金、探したことないけど)。 そんなこんなで、なんとか辿り着いた上巻のラスト。 この調子で、爽やかに、下巻に進みたいと思いまーす(汗)。
読み始めて慣れるまでは、やたらとややこしい… ああだこうだと分類されてなかなか頭に入ってこなかった。だがもう兎に角のところ読めばいいやって通読を心掛けたらなんとか読めた。 古典的哲学書だと思ってたから敬遠してたけど、意外にも実用書ぽくってなんだか得した感じ…(^^ゞ
「二コマコス倫理学(上)」Aristotle 人は自分の知っている事柄については優れた判断をする事ができる。全てにわたって教育のある人は、無条件的な仕方においてのよき判断者である。 善には、外的な善、身体に関する善、魂に関する善の三つがあるが、魂に関する善が最も優れた善である。 幸福の為に決定...続きを読む的な力を持つのは卓越性(アレテー)に即する活動に他ならない。 幸福はあらゆる意味において究極の目的でなければならない。 アレテーには知性的、倫理的の二通りがあり、前者は教示に負うものであるから経験と歳月を要し、後者は習慣づけに基づく。 節制も勇敢も過超と不足によって失われ、中庸によって保たれる。 然るべき時に然るべき事柄について、然るべき人に対して、然るべき目的の為に然るべき仕方においてそれを感ずる事が、「中」的にして最善であり、徳である。 全ての活動(エネルゲイア)の目的は、その活動をせしめる時の状態(ヘクシス)の目的とするところと同じ性質である。 豪華な人は識者、達人のようなもの。ふさわしいところを観てとり、壮大な出費を調子の取れた仕方で果たす。 技術(テクネー)は好運(チュケー)を愛し、好運(チュケー)は技術(テクネー)を愛する。
「ー」 即時的に善きもの、善きもののゆえに善くあるところのもの 子供も幸福ではない 中庸は状態 法律の問題は本性が原因 ずっとニコマラス倫理だと思っていました。
目的論的な論法が鮮やか。 ・最高善=究極の目的 ・善=幸福(エウダイモニア) ・幸福=徳、卓越性(アレテー)を発揮すること ・アレテーを十分に発揮して幸福であるためには、究極の生涯=長期にわたる安定した生活を必要とする ・富や権力といった「外的な善」は、アレテーを発揮するために必要であるが、あくま...続きを読むで手段にすぎない ・幸福は学習や鍛錬によって得られる 何をもって善となすか、は結局のところ人によって「見えかた」が異なるのではないか?という重要な問いが立てられている(p134)。アリストテレスの回答は「徳も悪徳も随意的(本人の意思による選択)であるから、悪徳をなす人に責任がある」というもの。つまり人が身につけるべき徳がいかなるものかはあらかじめ決まっていて、悪徳をなす人は善い人になるための努力が足りないってこと?アリストテレスもまたプラトンのように生得的な「善のイデア」的なものを想定しているのだろうか。 以上の重要な論点は本書第1巻〜第3巻第5章に書かれている。中庸の徳について語られる部分(第3巻第6章〜第4巻)は、ほとんど世間一般の認識を記述しただけの“エッセイ”的なものであり、正義論的に参考にすべきかは疑問。 分配的正義・矯正的正義など「正義」がいかなるものかを論ずる第5章、アレテーと知性(真理認識)の5つの様式、すなわち技術・学・知慮・知慧・直知の関係を論ずる第6章で上巻は終わり。
レビューをもっと見る
新刊やセール情報をお知らせします。
アリストテレス ニコマコス倫理学
新刊情報をお知らせします。
高田三郎
フォロー機能について
「岩波文庫」の最新刊一覧へ
「学術・語学」無料一覧へ
「学術・語学」ランキングの一覧へ
折り鶴は世界にはばたいた 平和への祈り・折り鶴をめぐる人びとの物語
決定版!高い声で歌える本
神学大全1 第I部 第1問題~第13問題
新・ヴォーカリストのための全知識 新装版
高い声で歌える本 Complete Edition
ばらの心は海をわたった ハンセン病との長いたたかい
「高田三郎」のこれもおすすめ一覧へ
一覧 >>
▲アリストテレス ニコマコス倫理学 上 ページトップヘ