日本企業がおこなっている新卒一括採用は悪なのか? この一冊ですべてが分かる。
「お祈りメール」という言葉をご存知ですか。就職活動生に対して企業が不採用を告げるとき、
メールの末尾に、「今後のご活躍を“お祈り”しております」と、慇懃な定型文を付けること
から付いた、不採用通知の“愛称”です。
なかには何百回も“お祈り”されてしまい、人格を傷つけられたと思ってしまう学生も。
そもそも、「新卒一括採用」というのは世界では珍しい形態です。
なぜこの仕組みは成立したのか? 企業はなぜ日本型雇用に拘るのか?
欧米のようにサービス残業の無いジョブ型社会にすれば良いんじゃないか?
――色々な声が聞こえます。果たして問題の核心とはなんなのでしょうか。
本書では歴史を振り返り、データをみて、海外と比較をした上で「採用問題」を解き明かします。
著者はドラマにもなったマンガ、三田紀房「エンゼルバンク ドラゴン桜外伝」に登場する
「雇用のカリスマ・海老沢康生」のモデル、海老原嗣生氏。
本作では新卒採用に焦点を絞って分析し、ついには大学改革まで視野を広げた決定版!
豊富な図版と平易な語り口で、難しいテーマが、この一冊でマル分かりです。
Posted by ブクログ 2017年06月10日
■日本では組織の末端に大量の空席ができる。だから新卒採用が可能。
■欧米企業の人材補充は経験者の中途採用が主で,新卒採用を行っている企業でも新卒採用者の比率は低い。欠員が生じた際に,職務内容を提示して当該職務の経験者を中途使用することが一般的である。
■世界でも稀な日本企業の「新卒一括採用」はこれま...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年08月28日
これもブログで見かけて手に取った本。
世間でよく言われることに対して、日本のこれまでの採用や人事の歴史から振り返り、欧米の実際を取り上げながら、丁寧に解説している。
よく表面的に言われるようなことではなく、きちんと丁寧に議論をしていて、改めて勉強になった。
大勢のジョブ型採用と言うのは、キャリア...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年07月26日
題名がなかなか強烈だが、副題の内容を丁寧に整理して書かれたものだ。
日本としてどんな歴史を歩んできたのか、欧米諸国はどうなのか。各国、各時代のシステムの「功罪」を明確にしている。その上で今後の日本がどうあるべきか、その説得力はかなりある。比較的読みやすく、コラムも興味深い。人事などである程度経験を重...続きを読む
Posted by ブクログ 2017年02月26日
帯にあるように「恨まれてますよ」なので、メールの書き方をどうこう、、、という本ではありません。
海老原さんのいつものやり方で、その筋の「権威」な方や、それに乗っかるだけの乱暴な意見を、データでばさばさと斬ってくれます。
教育と雇用については、だれでも「経験者」として意見を言います。でも、大抵は浅はか...続きを読む
Posted by ブクログ 2017年01月30日
巷に溢れる就活改善方策のデタラメさがよく分かる。日本の大学生の就職は外国に比べれば簡単であることがよく分かる。分不相応な選択しなければ就職先はあるらしい。そもそも大学に行くべきでない人も多いのも問題だろう。
娘の就活の時に沢山お祈りメール来てたがなんとか就職できのが6年前?でもってすでに4回目の転...続きを読む
Posted by ブクログ 2016年12月24日
「保育園落ちた、日本死ね」
今年一番叩かれまくった言葉ではないだろうか。
「死ね」という発言が汚い。匿名ブログに信憑性は無い。日本死ねと言っている奴が日本から出て行け。
などなど。
俺は思う。
その言葉を批判してる奴らは、よほど順風満帆な人生を送り、政治社会に対して無批判で従順な人...続きを読む
Posted by ブクログ 2016年12月12日
海老原嗣生さんの新著ということで読んでみましたが、全体の内容的には氏のこれまでの著書で語られていることがほとんどな感じで、それを「新卒一括採用」にフォーカスを当てて論じたもの。
氏の著書の中では「残業」と「ホワイトカラーエグゼンプション」にフォーカスを置いた、『いっしょうけんめい「働かない」社会を...続きを読む
Posted by ブクログ 2017年05月05日
タイトルはともかく、おすすめ。
就活の問題は、学業抵触、3年次の成績評価の組み込み可能性、留学阻害要因化。
日本、アメリカ、フランス+ドイツとオランダのシステム比較。
企業は就職ナビのオープン前に募集できない。ナビオープンで内定までどっと雪崩れる。大学の考査期間は一時休戦。説明会の繰り返しが学業阻害...続きを読む
Posted by ブクログ 2019年12月02日
不景気になって新卒の就活が大変になると巷間で囁かれる、”日本新卒一括採用を変えなければならない”とか”グローバルスタンダードの導入”、欧米に習った”同一労働同一賃金”の実現だとか、それで全てが解決するんならなぜさっさとやらないのか。単に守旧派・保守派の抵抗なのか。本書は、タイトルがキワモノ的な割には...続きを読む