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第19回手塚治虫文化賞マンガ大賞受賞作! 簡単にウソの涙をこぼすことができる美少女、逢沢りくは関西の親戚の家でしばらく暮らすことになる。親戚や同級生たちの繰り広げる関西弁ワールドに翻弄されつつも「私は絶対染まらない」と決意するが、次第に変化しつつあるみずからの心の変化にとまどっていく。特にりくになついてくる幼児、時ちゃんとの交流の中で、ある感情がめばえてくるが、関西を離れ、東京に戻ることが決まったある日……。あたたかな笑いと涙に包まれる感動長篇マンガ。
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Posted by ブクログ
りくは、いわゆる「ふつうの女の子」ではない。しかし、りくは私であり、あなたかもしれない。りくのように容姿端麗でなくとも。りくにとっての涙は、寧ろ不器用であること。そして、泣くことが出来なくなったことは、素直になったとも言えるのかも。だから最後の、あの切なさに、私も走り出したくなる。
涙
りく。涙が出て良かった。
関西弁のやりとりは話し声で聴こえてくるくらいテンポが良く、普通に笑える。 最後はそんな大きな展開ではないと思うのに、心がぎゅっとなりました。 漫画だけど小説を読み終わったような、不思議な感覚になりました。
心優しい関西の家族や学校生活から徐々にりくの気持ちに変化が現れる様子をみながら、最後はこちらまで心がほぐれるようだった。 時ちゃんがりくに鳥が話している関西弁を真似させることや、りくはあれほど動物に嫌われていたのに最後の場面で登場するカニはじっとりくを見ていることなど、動物を通してもりくの変化が表現...続きを読むされている。 境界性パーソナリティ障害という病気が家庭にどんな影響を及ぼすのかが分かる物語でもある。 何度も読み返しているが毎回新しい発見があり、この物語に出会えて本当に良かったと思う。
いい。この物語を構成する技量!計算された登場人物! 人は人によって変わる。だけど,変わるために人を受け入れられるかは別の問題。 毛嫌いしていた関西での生活。ずけずけと入り込んでくる居候先の人物達。大人に対してはよい子を演じるが,自分より年少の子どもには演じない。そこに正直な自分の心が表れ,相手と...続きを読むのやりとりが生じ,心と行動に変化が現れる。ラストシーンの慟哭とボートとカニ。ボートやカニに意味はあるのか,ないのか。そんなことを考えるのも面白い。
コマから文字がはみ出るほど関西弁で喋り倒している大阪のおばちゃんが好き。 心に1人大阪のおばちゃんを置いたら強いマインドで生きていけそう。 実際に大阪のおばちゃんに会ったことはないですが...
それにしても、りくちゃんのパパのような男性は本当にいるのだろうか。関西のあんなにおもしろい親族の元で育ったのに、東京で長く働いて最早関西弁も出なくなったけれど、おしゃれな仕事で成功。美しい妻を得て、妻を家庭に閉じ込めて、妻がストイックなほどに家事&育児に打ち込む様子を見てまあまあステディな彼女も作っ...続きを読むて、それでもなお妻に永遠に片思いしているなんて。
大切な友だちに読んでみてと言われた本 読み進めるほど主人公に対して私は好きになれない、逢沢りく という気持ちしかなかったのだけど 関西弁が出てきたあたりから、心地の良い笑いが顔を出し始め お母さんが好きでいてくれた男の人に諭されるシーンで まず一度まさかというほど胸を揺さぶられ 3ページくらい...続きを読むまえまで全然そんな気持ちなかった というテンションのまま ラストのページで号泣しました。 総じてあたたかくてとっても素敵な作品です。 みんな傷ついてるし、分かりたいと思ってるし、側にいたいと思ってる。 この作品を評する言葉に優しいとかあたたかいと使ってしまうのはきっとそういうことなのだと思います。
嘘でしか泣けないりく。 少しずつ見える変化…。時ちゃんとのやりとりは、大人になった私からすると可愛いなって思いました。 関西の人っていうのか、こういう人おるなって思います…。でも、すごく尊敬出来る…。私は素直じゃないりく側なので…。最初は距離が近すぎて嫌だと思うのに、本当はそれを求めてたり…。 最後...続きを読むのシーンは、一緒泣いてしまいました…。 きっとりくは変わって行きそうで、見たかったなーって思いました。
全2巻。まるで芥川賞作家の小説のような、単館系映画の作品ような雰囲気を持っているが、流暢な文体も無ければ、凝った映像と編集もないマンガで、コレを表現出来たことに驚いた。 仮面夫婦の両親のもと、感情を無くした14歳の美少女りくを気持ち悪くなった母親が、大阪の親戚に一時的に預けるという話。ある意味母親...続きを読むが1番のモンスター。りくは合わせ鏡に過ぎない。 第19回(2015年)手塚治虫文化賞マンガ大賞受賞。島本和彦『アオイホノオ』、松井優征『暗殺教室』、荒川弘『銀の匙 Silver Spoon』、大今良時『聲の形』、漫画・近藤ようこ/原作・津原泰水『五色の船』、コージィ城倉『チェイサー』、岸本斉史『NARUTO-ナルト-』、洞田創『平成うろ覺え草紙』を抑えての受賞だ。どんな傑作なのか見てみたかった。どうやら私と同様、審査員はまるきりの変化球にきりきり舞いしたようだ。見たことのない異作だった。 本来のペン描きを捨てて、鉛筆描き一つに絞った世界観。それは、小学生や中学生が漫画を描き始めて、最初にノートに始めたあの手触りである。そういう意味では、私も未だに持っているノートがある(少年の頃はマンガ家志望だった)。稚拙だけど、1番本気の魂が入った作品になる。 もちろん、ほしよりこは大人だから、逢沢りくから見た世界だけではなく、次第とお父さんやお母さんから見た残酷な世界観をも描き、反対に大阪のコテコテの世界も対になるように描く。「号泣必至」と宣伝文は書くが、途中で涙を忘れたりくのように、私の涙はなぜか出て来ない。自由自在に涙を出すことができていたりくは「大人ってとんでもないウソつきなんだから」と、5歳の時ちゃんに繰り返し云う。私の涙が出ないのは感動しなかった「印」じゃない。りくが途中で出せなくなったのも、心が動かなかったわけじゃなくて、反対に心が動かされてそれを表現する手段が見つからなかったためだと、誰でもわかるように、世界を作っていた。 人間は嘘をつく動物だと知っているりくは、いつの日か愛情表現でウソ(ギャグ)を言い合っている関西弁を自由自在に操れるようになると思う。
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