念願のマイホームを購入した氷見一家。そこは、元の地主の意向で隣り合う四軒の家が前庭を共有する、少し変わった敷地だった。元地主の仁木家は資産家で、夫は覆面作家だという噂。活動的な妻・美和が四軒のつきあいを主導している能生家。共働きで他三軒とは少し距離を置いている高井戸家。そんな三つの家族とともに、氷見家の幸せな暮らしが始まるが……。誰もが思い当たる「ご近所」の物語。
Posted by ブクログ 2020年01月15日
「これは経費で~」が面白かったので同じ作者の作品も、と思い読んでみましたが、「これは~」とはまた違った面白さがありました。特に最初の章に登場する朝子の内面、なにかと人と比べなければ気が済まない、そして自分より劣っているとの比較により安心する、娘の友達に関しても同様で、とにかく何かと比べ自分が上位であ...続きを読む
Posted by ブクログ 2019年07月18日
前庭を共有する四軒の家族の話。
それぞれに癖のある妻たち。
朝子は女に嫌われる女の典型という感じ。自分の周りにいたら嫌いになるだろうけど、なんとなく憎めない。
そして、娘の麻衣花の朝子に対する感じが絶妙に良い。
多佳美は元地主の資産家の娘だけあって、プライドが高い。
想子は、真面目で面白みがなさそ...続きを読む
Posted by ブクログ 2017年05月17日
こんな人たちホントにいるのかなと思いつつ、きっといるんだろうな、私は無意識にこういうめんどくさい人たちと関わらないように生きているんだなと思わせられた。子どもがめんどくさい母親の味方をするところにちょっとほっとする。自分が作中人物の誰に似ているかというときっと高井戸さんの奥さんだろうなあ。あそこまで...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年02月07日
舞台は高台に並んで建つ4軒の一戸建て、そこに住む各家庭それぞれの「幸せ」について。
つい他人と比較して優位な気持ちになったり惨めな気持ちになったりしてしまうけど、結局は昨日の自分より幸せなのかが大事なんだろうと感じます。そもそも幸せの尺度が人によって違うのだから、人と比べても仕方ないですよね。
ご近...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年08月21日
『これは経費で落ちません』とは雰囲気がまったく違う。こちらはとてもリアルで、少しドロッとしたエピソードが印象的。
表面上では和やかに付き合っているように見えて、心の中ではどのように思われているのか…
最後のそれぞれの鬱憤をぶちまけてる中で起きた事件と、その後の展開がジェットコースターのようなスピード...続きを読む
Posted by ブクログ 2016年08月12日
前庭を共有する土地に住む家族の”お隣さん”物語。
元の地主でもある資産家・仁木家。
仁木家夫婦と友人である美和のいる・能生家。
共働きだということを理由に深いつきあいを避ける高井戸家。
そこに新たに加わった氷見家。
以前住んでいた堤家が、家を売って出て行ったのはなぜか…?
登場する家族それぞれが、...続きを読む
Posted by ブクログ 2016年07月20日
ナツイチにつられて買いました。
初めて読む作家さんです。
一癖も二癖もある人々。
その中では朝子と陽平が一番嫌いかな。
朝子みたいな女っているなあ、なんて思いながら読んでました。一番嫌いなタイプ。
うちのご近所さんはみんな同時期に越してきた人々で、これがすばらしいくらいにみんないい人ばかりなので...続きを読む