ブックライブでは、JavaScriptがOFFになっているとご利用いただけない機能があります。JavaScriptを有効にしてご利用ください。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
来店pt
閲覧履歴
My本棚
カート
フォロー
クーポン
Myページ
5pt
十六歳のマリが挑む現代の「東京裁判」とは?少女の目から今もなおこの国に続く「戦後」の正体に迫り、毎日出版文化賞、司馬遼太郎賞受賞。読書界の話題を独占し“文学史的事件”とまで呼ばれた名作!
アプリ試し読みはこちら
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
米メイン州の高校で行われたディベートのテーマは「天皇ヒロヒトに戦争責任はあったか」。 日本人女子高生の幻想めいたエピソードは正直読み進めるのがしんどいが、それぞれが結末にしっかりと繋がっている。 神でないなら人間か、男でないなら女か、個人とpeopleは別物か、という問いが面白い。
すごい、すごいよ!この小説は。 よくこれだけのものを書き切れたと思う。 メインは「天皇の戦争責任」に関してのディベートなのだが、それまでの狩やスピリチュアルが全て意味を持ちマリのスピーチに繋がっていく。 アメリカ人の横暴な考えや日本人の卑屈な事なかれ主義、真珠湾、原爆、東京大空襲、はては人間キリスト...続きを読むなど目から鱗が落ちた気がした。 今、若い世代にぜひ読んで欲しい。そして現在の日本政府の在り方を考えて欲しい。
評価が低いのは、わかる。たしかに読みづらい。パラレルワールド的な展開で進むから追いにくい。高校で読んだ時は離脱してしまった。 ただ、内容は本当に面白いです。 もしダメそうだったら後半三分の一だけ読むっていう御法度を犯してもいいのではないでしょうか。核になることが書かれてます。そこだけでも読む価値あ...続きを読むると思います。 輔弼というのがどこまでの責任を負う行為なのか。宗教とはなんなのか。私が学習した歴史と削ぎ落とされた歴史はどう混在しながら存在するのか。完全に思想に依存する話ではありますが、自分自身でこれら説明できる範疇になかったので、再考する良い機会になりました。
赤坂真理は現代の巫女だ。 過去の自分の声だけでなく、太平洋側戦争で亡くなっていった人々の声も、そして元帥として戦争を指揮した天皇の声まで聞き取ってしまう。 細部までの生々しい描写から描かれる過去の声達もまだ生々しい。 我々は、過去の、死者の声に囲まれて生きている。 そのことを赤裸々に描き、過去が現在...続きを読むに通底していることを実感させる恐ろしい作品。 三島由紀夫の「英霊の聲」の再来。
若い娘にこういう事を聞くのはかなりむちゃだなあ…と思いました。 私も同じ年頃に聞かれたらわからなかったと思う…。
いやぁ、難しい本だった。 なもんだから、すごく時間がかかってしまった。 いわゆる文藝作品であり、物語小説ではないので書いてある事がちんぷんかんぷんなのだ。 内容はアメリカに留学した16歳の少女が、授業の一環で「天皇の戦争責任」を題材にしたディベートに参加するするという内容。 そもそも日本の社会科...続きを読む教育では、昭和史はほとんど勉強していない。 私自信もそうだし、今でもそうでしょ。 そんな少女がアメリカに留学してきた訳だから、日本人はそこんとこどう考えてるんだ?と興味が沸くのも解る。 しかし、日本人は知らないんだなぁ。。。。 で、必死に勉強する訳ですが、まあ解らない。 日本人の誰もがわからない事なんですから。 東京裁判とか日本国憲法とか。 それらはすべて英語。 英語を訳して、日本国憲法が出来てるわけだから、そんなの成立する訳ないのであって・・・ 例えば天皇は「Emperor」と訳されてるけど、外人が感じるヨーロッパの君主としての「Emperor」と天皇は本来違うでしょ。 また、天皇に関しては、例えば「人間宣言」のくだりでは日本人さえわからない日本語が使われてて、それを英語に訳してアメリカ人(すなわち戦勝国)が理解しようとしてるし。 わかりやすい所で言えば、A級戦犯。 ほとんどの人が「rankA」と思ってるけど、元々は「classA」が訳されて「A級戦犯」になっちゃって、それが誤解を招いてるし、そういう事がいっぱいある訳ですよ。 私もまだまだ解らない事だらけで、その辺の事を少しでも知りたいなぁと思ってこの本を手にしたわけだが、ますます解らなくなってしまった。 ただし、解らない事さえ解らない人達は日本の事を論じてはいけないと感じます。 憲法守れ!とか言ってる連中・・・ それちょっと違うでしょ。 平和を守れ!なら百歩譲って理解しても良いけどね。 日本国憲法はもともと英語なんだから、英語で理解した上で「憲法守れ!」って言ってる? その辺の事を考えさせられる本でした。 ただし、最初にも書きましたが、文章が凄く難しいです。 覚悟してください。 この本の後では、村上春樹だって簡単な文章に感じると思います。
戦後に生まれ、戦争のことを知らないまま、アメリカに留学した、高校生のマリの物語。 アメリカン・ガヴァメントという授業で、天皇の戦争責任について、進級をかけディベートすることになる…という話は、この本が話題になった頃に知った。 複雑な物語で、どう言っていいかわからない。 たった一人で、カルチャーシ...続きを読むョックの中、母を国際電話で呼ぶ。 その回路が、2010年前後の、現在のマリに繋がり、二人は母子を演じながら会話する。 二人のマリは、両親の戦中、戦後を追い、バブル前後の自分たちも振り返る。 こういう、日本の近代史を見返していく部分がある。 その一方で、マリが留学中に地雷を踏むような形でアメリカ人の禁忌に触れていくところも描かれる。 ベトナム戦争と、神のこと。 もはやアメリカ人の思考停止に、マリと一緒に、フラストレーションをためてしまう。 ベトナムの二重双生児や、ヘラジカの姿にもなる「大君」の幻が、マリを揺り動かす。 母親と現代のマリが交錯することで、既に私たるものが何だかわからなくなるカオスが生まれていく。 そこに、これらの幻影だ。 もう、この小説がどんな結末を迎えるのか、さっぱりわからず、迷走するかのような気分。 しかし、このカオスの中、ディベートをしながら、マリはほとんどシャーマンのように、生身の体を持ちながら神でもある、大君にして人々そのものでもある、矛盾に満ちた「天皇」というものを理解する。 なるほど、カオスは周到に用意されたものであったか、と遅ればせながら気づく。 不思議なことに、読者として、大君を語るマリにカタルシスを感じてしまうのだ。 二度とは読めない、読まない小説だと思うが、衝撃的だった。
天皇の戦争責任のことを 日本人の少女が アメリカで弁明する というあらすじに惹かれて手に取ってみた。 これまで深く考えようと思ったことはなかったけど、確かに天皇って、世界に類を見ない不思議な存在だ。 生と死、男と女、戦争と平和、傀儡と主体、人民と統治。 色々な概念を総合して考えても、答えの出せない...続きを読む人?神? だから、この小説は正直とてもわかりづらい。 色々なところへ飛んでいき、これはあれだと思った。 難解な演劇によくあるやつ。 ひとつの空間を色んなものにみせてくかんじ。 演劇みたいな読書体験。 でもこれはそうしないと、伝えられないからなんだ。 それくらい、私たちは複雑に屈折したものを抱えている。 それは天皇という範囲を超えて、太古の日本から、第二次世界大戦以降まで、私たち日本人が抱えているもの。 もっと広く、世界中の「国民」と呼ばれる人たちが、かかえているものなのかもしれない。 その国に生まれただけだけど、その国の国民となって、生きていく。 その国のルールの中で、考え方の中で。 これまで戦争ものって、人としての生死の尊厳を主題として感じることが多かった。 でもこの本が私に提示してくれたのは、人として生き、行動し、意思を持つことに対する尊厳の根源のようなものだ。 それを揺るがされてしまうものが、戦争ということそれ自体に内包されている。 こんなことしていいのかっていう畏怖みたいなもの。 それを抱えきれない、人は。 そんなストレスフルなこと、絶対やめようよ。
東京裁判における天皇の責任という問題を、アメリカ留学中の高校生マリがディベートで追訴する。自分の土壌でない場所で、相手のルールで物事が進めらていく極度のストレスは経験からかなり共感するところがあった。母娘関係、第二次世界大戦の振り返り、戦後の日本人の思考方法など様々な重い問題が何層にも書かれていて、...続きを読む正直読んでて気が重かった。だがそれらを束ね、振り分けて小説にうまく取り込み、主人公の30年の虚無感に救いを見出して示してくれた作者には拍手を送りたい。
「シン・ゴジラ」評がとてもおもしろかったので、著者の小説をしっかり読みたいと思っていた。 イデオロギーにまみれて日本ではまともな議論の成り立たない「天皇の戦争責任」。著者は、アメリカの高校でのディベートという舞台設定と、さながらシャーマンのように過去の人びとやときには野生動物と心を通わせられる主人...続きを読む公の組み合わせで読者を土俵にとどまらせる。 ベトナム、ネイティブアメリカンの人びと(あるいはその精霊)との対話は、ともすれば「米国だってお互い様」という主張の準備のようにも受け取れる。が、それはとりもなおさず日本もまた加害者である、という歴史から目を背けられないことも意味する。 主人公のマリが東京裁判的正義を振りかざす教師に立ち向かうシーンは、実際にはそれができない日本人のささやかな幻想かもしれない。だが、そのセリフには胸を打たれる。 「『私たちは負けてもいい』とは言いません。負けるのならそれはしかたがない。でも、どう負けるかは自分たちで定義したいのです。それをしなかったことこそが、私たちの本当の負けでした。・・・自分たちの過ちを見たくないあまりに、他人の過ちにまで目をつぶってしまったことこそ、私たちの負けだったと、今は思います」(P526)。 安藤礼二、三島由紀夫(「英霊の聲」)といった参考文献はまさにゴジラとも響きあう。他の著作も読みたい。
レビューをもっと見る
新刊やセール情報をお知らせします。
東京プリズン
新刊情報をお知らせします。
赤坂真理
フォロー機能について
「河出文庫」の最新刊一覧へ
「小説」無料一覧へ
「小説」ランキングの一覧へ
愛と性と存在のはなし
愛と暴力の戦後とその後
現代思想 2015年1月号 特集=現代思想の新展開2015 -思弁的実在論と新しい唯物論-
試し読み
コーリング
蝶の皮膚の下
箱の中の天皇
別冊NHK100分de名著 「日本人」とは何者か?
「赤坂真理」のこれもおすすめ一覧へ
一覧 >>
▲東京プリズン ページトップヘ