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推理小説の中に家族の物語がある
元警察官のおじいちゃんと、インチキ引きこもりの孫がご近所のトラブルを捜査しながら、壊れていた家族関係を修復していく様が感動的でした。
Posted by ブクログ
引きこもりともいえないような状態で暮らしていた将。
突然現れた祖父・和馬によって拉致され母の実家に連れてこられた。
二人だけの奇妙な同居生活が始まり、将はこれまでの生活では考えられなかった出来事に遭遇していく。
老人介護がひとつの大きなポイントになっている。
将や健太の祖母への思いは、そのまま両親との希薄な関係のうえに成り立っている。
互いに理解することを諦めてしまったのか、それとも最初から寄り添う気持ちがなかったのか。
精神的にいっぱいいっぱいだとなかなか周囲にまで気が回らない。
それほどまでに介護とは大変なものなのだろう。
引きこもりっぽい生活を送りながら将は何を考えていたのだろう。
読み進んでいくと彼の思いが少しずつ見えてくる。
ひとつずつ前に進む、ひとつずつ自分が出来ることをこなしていく。
それによって自分が変わるだけではない。
確実に周りも変わっていくのだと物語は教えてくれる。
堂場さんには珍しい物語だなと最初は思った。
けれど読んでいくうちに「人は変われる。人は成長する」という堂場さんの思いが伝わってくる物語なのだと気づいた。
一歩踏み出す勇気、前に進む力。
そんなものを感じた物語だった。
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