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母なる聖地熊野と訣別し、若者と老婆たちはセックスと御詠歌の旅に出る。神の地皇居まで、何を探し求め彷徨うのか。聖俗混淆の流離譚。
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Posted by ブクログ
素晴らしいの一言。 『地の果て 至上の時』で完結したかに思われた“路地”が、なんと移動を始めた。 移動に使う冷凍トレーラーの比喩となる表題も見事。 神的なもの(静)と迸る性(動)の混合、外から映る“路地”の異様さと、中上の当時表現したかったものやアドバンスが強く感じられた。
中上はまだそれほどたくさん読んでいるわけじゃないけれども、これは今まで読んだなかではいちばん面白かった。就活の合間合間に読んだから細部をしっかりおぼえてないのだが、冷凍トレーラーは重要な役割をもっていたように思う。聖と俗が常に一体となって描かれていた。老婆らはとにかくグロテスクだったが、最後は妙な寂...続きを読むしさのようなものが残った。
携帯もなく、Nシステムもなく、駅の自動改札もなく、ソープがトルコだった昭和50年代を舞台にした神話のような小説。熊野の被差別部落の老婆達を盗難車の冷凍トレーラーに乗せて、路地の若衆が伊勢・一宮・諏訪・唐橋・青森・東京を巡る旅に出る。老婆たちは、行く先々の土地でトレーラーを駐車する場所を「路地」にして...続きを読むいき、若衆は女を漁る。特定の主人公がいるわけではなく、常に物語の中心にあるのは冷凍トレーラー。面白かった。
再開発により路地を失った老婆と若者たちがトレーラーに乗って東京を目指す。 道々では、老婆らの信仰心と若者らの欲望が対象的に描かれているが、読後には信仰心も欲望も、人の自己実現の方法であるだけで、根本的には変わらないのではないかと思わせられる。 この後に続く「讃歌」では、ひたすらに欲望の世界が描かれて...続きを読むいるが、人を描いた、という点では変わらないテーマなのではないとも思う。 移動していくストーリーに引きずり込まれる一冊。 ぜひ。
盗んだ冷凍トレーラーで七人の老婆を載せ全国の霊場を巡るロードノベル。こう書くと何が何だかわからないが読んでも何が何だか何だか分からない。しかしほかの中上作品と同様言い知れぬ迫力と熱量は備わっている。 根底にあるのは「路地」すなわち被差別部落の紀州に土着したサーガであるが、そこを流離し流浪し性と暴力...続きを読むを伴いながら根無し草のように振る舞う。オバたちの神仏に献身する姿と傍若無人な振る舞いの対比が印象的だ。世俗を超越した存在のようで姿かたちは極めて俗物的なオバらを、享楽を追い求めるツヨシと田中さんが導くさまが本作品の複雑性を織り成している。
「路地」と呼んでいる被差別部落を立退でおわれ、7人の老婆と若者が改造した冷凍トレーラーに乗って、伊勢、諏訪、出羽、恐山、皇居と御詠歌を歌いながら旅をする。老婆たちは神々と出会い近づこうとし、一方で若者たちは性の享楽にのめり込む。中上作品は3冊目ですが、否応なく文体から五感を刺激し、老婆らの感じる音や...続きを読む匂いなどを共有する錯覚に陥る。「路地」へは二度と戻れない。冷凍トレーラーに身を預け、新たな「路地」を見つけるのか、「路地」から脱却するのか・・・。『讃歌』という続編があるようで早速注文しました。
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