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夜遅くまで起きている大人のもとで育つ子どもの睡眠事情は、想像以上に深刻だ。乳幼児の約半数が夜10時を過ぎても眠っておらず、大都市だけでなく地方都市でも夜型生活は浸透している。しかし、夜ふかしによる睡眠不足は生体リズムを混乱させ、乳幼児では脳機能発達のバランスを崩し、少年・青年期では学校社会からの離脱の主原因となる慢性疲労症候群を招く恐れがある。本書では、脳への影響をはじめ、発達障害や不登校・ひきこもりとの関係など、子どもの睡眠障害に関する最新知見を紹介。睡眠時間記録表を使うなど、副作用なしの具体的な対応策を明示する。【目次】はじめに――知っていますか? 子どもの睡眠障害――/第1章 子どもの夜ふかしが危ない/第2章 新生児から乳幼児までの睡眠障害と発達障害/第3章 小学生以上の子どもの睡眠障害と不登校・ひきこもり/第4章 睡眠時間記録をつけよう/第5章 家族でできる睡眠改善――大人が変われば、子どもも変わる――/あとがきにかえて――福井県W町A小学校における眠育プロジェクト成功例――
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Posted by ブクログ
本書は子どもの睡眠不足に警笛を鳴らした本である。本書で述べられている多くのことは現段階では疑似科学の範疇にあるといわざるを得ない。以下ではその解説を書いていく。
まず前提知識として、著者が提唱を始めた「小児慢性疲労症候群」は、社会構成主義(社会問題を理論付けるための後付けの理論)であることに触れておく。名古屋市立大粂和彦教授によると、長年不登校児童・生徒を診断してきた著者がある程度傾向があることを示したことにより名付けられた病名だと述べている。また診断基準のあいまいさ、疾患概念としての一貫性・統合性(integrity)、他の疾患概念との区別、客観的指標に対する疑問などが指摘されている。
小児慢性疲労症候群が社会構成主義を前提とした概念であること、その診断には多くの疑問点があること以外にも、本書では疑似科学の問題が付き纏っている。
例えば、睡眠不足と肥満・学力の関係、あるいは学力と朝食摂取の有無の関係(pp.24-27)は、ただ統計的に見てそういった傾向が伺えるといった「相関関係」があったというだけで「因果関係」が明らかでない。肥満や学力低下の要因は他の原因も十分に考えられ、睡眠不足が原因と断定することは難しい。また睡眠は量ではなく質が重要である。長い睡眠が良いとは限らない。
このように本書の内容は全て研究段階であり、睡眠不足が原因と断定することが難しい事例が多い。したがって疑似科学と言わざるを得ない。もちろん本書の内容すべてが間違っているとまでは言わないが、注意深く読む必要があると考える。
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