無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
出生前診断に一石を投じる小児外科医の記録。第20回小学館ノンフィクション大賞大賞受賞作。
人間の生命は、両親から一本ずつ染色体を受け継ぎ誕生しますが、染色体が三本に増えている病気がトリソミーです。異常のある染色体の番号によって、「13トリソミー」「18トリソミー」「21トリソミー(別称・ダウン症)」などがあります。13トリソミーの赤ちゃんは、心臓の奇形や脳の発達障害があるため、半数が1か月ほどで、ほとんどが1歳までに死亡します。本書は、小児外科医である著者が「地元の主治医として13トリソミーの赤ちゃんの面倒をみてほしい」と近隣の総合病院から依頼され、朝陽(あさひ)君とその両親に出会うところから始まります。朝陽君の両親は我が子を受け容れ、自宅へ連れて帰り愛情を注ぎます。そして障害児を授かったことの意味を懸命に探ります。著者は朝陽君の自宅へ訪問をくり返し、家族と対話を重ねていきます。また、その他の重度障害児の家庭にも訪れて、「障害児を受容する」とはどういうことなのかを考えていきます。やがて朝陽君の母親は、朝陽君が「家族にとっての幸福の意味」を教えてくれる運命の子であることに気付きます。出生前診断の是非が問われる中、「命を選ぼうとする考え方」に本著は大きな一石を投じます。
Posted by ブクログ 2022年03月18日
命について考えさせられた。
子どもが生まれて毎日幸せを感じつつ、もし自分の子どもが、、と想像したときに自分はこの本に出てくる両親の様に子どもを受け入れることができるのか。
障害、というものを理解しながら育ってきたが、結局当事者にならないと本当のことは分からない気がする。
家が欲しい、子どもがほ...続きを読む
Posted by ブクログ 2019年05月17日
筆者のコラムなどはよく読んでいて、医師としての視点と同列にソーシャルワーク視点が必ずあるのが好きだ。
本書が小学館ノンフィクション大賞を受賞したとは知らなかった。好きな筆者の本ということで手にした。
本当に深い。
仕事柄、障害児・者とそのご家族に日常的にお会いする機会があり、できるだけ彼らの気持ち...続きを読む
Posted by ブクログ 2018年03月04日
泣いた。めちゃくちゃ泣いた。
染色体異常の子を持ち、短命と言われた中での親の苦悩、葛藤、決断、現実的にのしかかるケアの辛さ、不安、それらを経験する中で自分の中の気持ちと向き合い、対話し、時間をかけてそれぞれの接し方を見つけていく。決して悲しい、かわいそうの話だけではない。つらい中でも、自分の子供の可...続きを読む
Posted by ブクログ 2017年08月14日
朝陽くんのお祖母様の言葉、有希枝ちゃんをカンガルーケアしたお母さんのシーン…涙が止まらなかった。生命の尊さ、有り難さを、感じさせてもらいました。
人間には、いろんな人がいます。発達障害の人、身体的障害のある人、トリソミーで産まれてくる子、みんな、同じ生命。みんな、尊い存在。神様の采配ってすごい。むし...続きを読む
Posted by ブクログ 2018年07月15日
生まれた時から短命である定めの、染色体異常の子ども。彼らを育てるって、どういうことだろう。いつ、障害を受け入れるんだろう。そういったことを、小児外科医である著者が障害を持つ子を育てる親に聞き取り、本にした。短命な子だからこそ一日一日が大切で、けれど短命なんてことは考えたくなくて、でもその子を残しては...続きを読む
Posted by ブクログ 2017年12月10日
まさに副題そのもの。
染色体異常のなかでも「13トリソミー」の赤ちゃんは、心臓の奇形や脳の発達障害があるため、半数が1か月ほどで、ほとんどが1歳までに死亡してしまうとのこと。
「13トリソミー」として生まれた朝陽(あさひ)くんの両親は、目も見えず、耳も聞こえず、ミルクを飲むこともできない、見た目に...続きを読む
Posted by ブクログ 2017年05月25日
短命の運命を背負って生まれた子とその家族のお話しです。
家族はトリソミーという運命をいかに受容したのか、家族にとっての幸せとはなんだろうか・・・
すごく考えさせられる内容です。
自宅介護は想像以上に大変そう。でもその中には確かに愛情や絆、希望がある。
障害があるから不幸ではないし、長生きだけが幸せと...続きを読む
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。