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万葉時代の「宴」「宴会」に焦点を当て、当時の宴会芸、いまも昔も変わらない酒席での人々の様子を人気学者が解き明かす。(講談社現代新書)
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Posted by ブクログ
宴会、つまり令和出典となった万葉集の梅花の宴にも触れてあるのでこちらも令和ブームの中で取り上げられていた本ですね(発行は2014年でした)。 家持の歌日誌的な部分の意味をあまり考えてなかったけど宮廷社会の儀式や宴などのしきたり、先例を遺しておくことの重要性に気付いたからとあって、つまり平安以降に子孫...続きを読むの為に貴族がこぞって日記を遺してるあれか…!と思うと目からウロコ。 この本でこのエピソード好きだな~ってなったのが、平十八年の元正太上天皇天在所での雪掃奉仕と歌群かな雪かき大してしてないよね口実に酒宴ねだったんだろねという解釈がとても好きですね。元正太上天皇と橘諸兄の人徳を感じる。
万葉集の作品の多くは宴席で作られている。それでは宴席とはなにか。本書は宴席の持つ異空間性と非日常性とに注目しながら、宴が文学の発生にもたらした役割を述べていく。 ただし、一般向けに書かれた本書には学者の気取りがなく、親しみやすく面白い。かつて私も同じようなことに興味をもっていたので、このような形...続きを読むにまとめていただいたことを大変嬉しく思う。
万葉集で詠まれた謡を題材に、万葉人の時代の宴を考察。どんな宴があったのか。各々の宴の式次第(宴の型)そこで詠まれる歌の型を考察。著者が体験してきた現代の宴席も踏まえて、万葉びとの心情を思いはかっている。 個人的にはどんな肴をあてにどんな酒を呑んでいたかも気になるところではある。
宴という側面から万葉を読み解く、という試み。「今日、私たちは、政治と芸術というものを、別々のものとして理解している。しかし、それは、現代を生きるわれわれのものの考え方でしかない。(中略)ともに酒を飲み、あい歌い、和することこそ、政治の原点ではないのか?」 政治の原点であるからこそ、宴で他の人々がどん...続きを読むな歌を詠んだか席次はどうだったかを記録して子孫に(教養やマニュアルとして)残した。それが芸術を後世に伝えることになった。 政治的側面は切り離せないけれども、歌は歌としておもしろく、作者がよく随所でおっしゃっている「万葉集とは8世紀の声の缶詰」というのがよくわかる。 古今和歌集にある、天地を動かし、鬼神を感じぜしめ、人倫を化し、夫婦を和ぐるは、和歌より宣しきはなし、というのがこの時代にすでに根底意識としてあったのだな、とも思う。 令和の由来となった梅花の宴のことも詳しくかかれていて、タイムリーな一冊だった。
軽妙な語り口で面白かった。色んなタイプの宴会とそこで詠まれる歌のパターンの解説なのだが、筆者が楽しんで書いたんだなということが伝わってきて、読み手も楽しくなる。
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