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アメリカの金融業界は、1974年の個人退職年金法改正以来、約40年にわたる万年好況を謳歌してきました。それは、年金基金のおカネが株式市場に流入し続け、アメリカの株価は、実体経済から見ればはるかに高水準を維持し続けてきたからです。しかし、その結果として金融業界だけが肥え太り、一握りのカネ持ちだけに所得と資産が集中し、一般国民の生活は困窮していきました。
増田氏は、この40年にわたる株式市場のバブルは、今後2、3年のうちに大崩壊を起こし、アメリカ経済・社会は大打撃を受けるであろうと予測しています。
本書では、このバブルはどのようにふくらんでいったのか、そしてなぜ大崩壊すると言えるのか、その後の世界経済はどうなるのかを、経済問題だけでなく、社会問題、政治問題も含めて、徹底的に分析します。
いまアメリカでは、約40年にわたる万年好況のもたらした社会のひずみが、極限まで大きくなっています。教育、雇用、家族、医療、食生活、居住地……あらゆる分野で「持てる者」と「持たざる者」の格差は、これ以上ないほど広がっており、いったん貧困に陥ったら最後、逆転などまったくありえない社会になっています。増田氏は、これは決して持続可能ではなく、アメリカはいずれ、経済だけでなく、社会も崩壊するだろう(すでに崩壊している)と断言します。
なぜそう言えるのか。本書では、人気アナリストの増田氏が、事実とデータに基づいて、徹底的に分析します。
【主な内容】
第1章 経済金融化の分水嶺は1974年
第2章 アメリカを衰亡に駆り立てる黙示録の四騎士たち
第3章 第一の騎士は貧困の構造化
――分断された労働市場の定着と家族の崩壊
第4章 第二の騎士は利権の横行
――あらゆる使命や職能ばかりか、罪と罰まで利権化している
第5章 第三の騎士は自由の仮想現実化
――肥満の蔓延とそれでも自己顕示に励む人々
第6章 第四の騎士は持続不能となったクルマ社会
第7章 かくて地上最強の軍事帝国は滅亡する
Posted by ブクログ 2016年12月30日
戦後日本人が憧れた夢の国アメリカが、衰亡への道をたどっているということを、具体的な数値を示しながら論じている。
第1章 経済金融化の分水嶺は1974年
個人退職年金法の改正で金融市場にあぶれだした多量のマネーが、一握りの金持ちだけの国、あらゆる低次元の不正が横行する国となってしまった。
第2章 アメ...続きを読む
Posted by ブクログ 2014年06月09日
ここ数年、アメリカ経済や社会に対して懐疑的な内容を書かれてきた増田氏ですが、この本はそれらの集大成と言えるものかもしれません。
私が感じたこの本の特徴は、アメリカは昔からそのような国だったわけではなく、この数十年間に完全に変わってしまったのだということを、すべてデータを根拠に論じています。
彼の...続きを読む
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