空の魔法陣 上（魔法陣シリーズ）

斎藤栄

豪華な病棟、超デラックスな医療設備…。南川外科産婦人科病院は、理事長・南川の経営手腕によって“立派な病院”の印象を与え、訪れる患者の数も多かった。ところが医療ミスで小杉の妻は半身不随になり、阿相の妻は死亡した。病院側の責任を追及する小杉。阿相も毎朝新聞記者・梶の協力で真相の究明に乗り出す。そんな渦中、手術を担当した外科医の寿山が殺された。なぜか下半身を裸にされ、死体の上にはネズミのオモチャが置かれて……。

• カテゴリ: 小説・文芸
• ジャンル: 小説 / 国内ミステリー
• 出版社: 集英社
• 掲載誌・レーベル: 集英社文庫
• シリーズ: 魔法陣シリーズ
• ページ数: 496ページ
• 電子版発売日: 2014年05月02日
• コンテンツ形式: EPUB
• サイズ(目安): 1MB

[ブクログ · ★★★☆☆]

豪華で最新設備の整った南川外科産婦人科医院。そこに通院する小杉恵美子、そして、偶然にも小杉恵美子と同じ日に緊急手術をした阿相の妻。南川医院の医療ミスにより恵美子は半身不随そして阿相の妻は死亡する。毎朝新聞記者の梶の協力で阿相は真相の究明に乗り出す。が、そんな折、手術を担当した寿山が殺害される。下半身を裸にされ、死体の上にはネズミの玩具が……犯人の意図は？


魔法陣シリーズの３作目である。「水の魔法陣」「火の魔法陣」と続き、そしてこの「空」がある。魔法陣シリーズはまだまだあるが、この３つで一つの話と言われている。が、勿論「水」「火」は単独で読めます。
完結までかなりの枚数なので、上巻でやっと殺人事件が起こった・・・ってな具合。
主人公である梶の取材目的の話があるので、やたら石仏や宗教観が出てくる……まぁ、それを狙った話なのでこれはしかたないけど。。。
しかし、500頁弱あるというのに、殺人事件が一つとは……それだけ背景描写が多いってことですな。それはそれで面白い。個々の人物像がはっきり出てきて感情移入がとてもしやすい。
南川と千代子の生い立ちまでしっかり書いてあるのは見事だな。