Posted by ブクログ
2011年12月13日
この気持ちをいったいどうしたら?読み終わってからずっと、せつない気持ちを引きずっています…
お隣同士の幼馴染み。てっちゃんは窓からやってくる宙のことを大事に思っていて、守りたいとさえ思っています。宙は家族の愛情に恵まれていなくて、てっちゃんでなくても庇ってあげたくて仕方ない気がします。守りたいと思...続きを読むう気持ちは、いつしか肉欲をともなった想いに変化していって、それを自覚した哲弥は宙を避けるように。
宙は大人に変わっていく哲弥に置いて行かれたような気がして不安になります。宙もまた、哲弥への想いを意識するのですが、その時にはもう哲弥は傍にいなくて。
宙の置かれている家庭環境や、彼自身の状況がとてもシビアに描かれていて、なのにそこからはみ出ることもせずにひたすら哲弥を心の支えに頑張っている姿を見るにつけて、涙腺がゆるみっ放しになってしまいました。
そして、宙に対して自制がきかないと気付いた哲弥が、彼から離れる決意をしたその胸の内を考えると、胸が痛かった…
哲弥と離れ離れになってからも、バイト先の男とのことなど宙には耐えられないことが重なってついに「おまじない」を使うところでまた涙。この先も読んでいて胸が激しく痛むことばかりで感情移入しまくりでした。
唯一、哲也が何を置いてもすぐに駆けつけたことで、離れていても宙のことを一番に思っているのが伝わってきたのは良かったんですが。
危うくて拙くて、でも深く激しい想いが脈々と流れている、そんなラブストーリーです。
とても気になるところで続いていて、読み終ってから「ここで続く?」とまた泣きそうになりました。