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Posted by ブクログ
秘密会のリークから山下教授の退任までの功績はたたえる必要がある。
感想として、
①山下教授は福島に来て以来非難の嵐なのに、何故あえて福島県立医大の副学長になってしまったのだろう?
②甲状腺がんと原発の因果関係はおそらく統計学で処理できる。(原発が安全と言っていたのも統計学を利用しているはずで、この因果関係を否定するなら、論理矛盾となるはず)
③チェルノブイリのデータを、医療では原発の安全性にむずびつけ様とする国の風潮があるが、それと真っ向から反する”チェルノブイリ原発事故がもたらしたこれだけの人体被害: 科学的データは何を示している”という本もある。
④この秘密会議は、特定秘密保護法と共通する点が多い。
今後は、
①この秘密会は誰が主導指導していたのか?恐らく政治家だろうが、なぜ福島県庁職員はそれに加担してしまったのだろうか?
②そして、健康管理調査を通して報告された結果と異なる見識を持った研究者たちがわんさかいるわけで、次回はこれらを扱った連作に期待したい。
Posted by ブクログ
2011年の311以降、福島県や国の原子力に対する対応を見るにつけ、政治家というものに侮蔑しかわかなくなった人も多いと思います。
本書は、福島県で設立された県民健康調査委員会の呆れ果てた実態の数々を公式資料と独自の取材で暴いています。
県民へ何を公開するのかという情報操作が、「県民の不安を解消するため」というリスクコミュニケーションのお題目の上で秘密裏に会議されていた実態。
そこに見えるのは、県民流出を防ぐため、放射線被害をなるべく最低限に見積もる、という県の政治的思惑。
その結果、住民の「不安を解消する」どころか、「なにが真実かわからない」とう不安、怒りをただいたずらに増長させるだけになりました。
そのような事態になったにも関わらず、記者会見は紋切り型で短時間、情報操作をしていたことについては「誤解をまねきかねない行動」の一言で済ませて認めようとせず、被曝量の基準も改めようとしない。
僕は原発反対の立場です。しかし、ここで問われているのは原発の必要の有無ではなく、情報操作を可能にし、住民の声に耳を傾けようとしない閉鎖的な政治システムの必要性の有無です。
これから暮らしていく日本をどのようにしていくか。反面教師として福島県議会は充分やってくれたと思います。もう後進にまかせて休んでください。
Posted by ブクログ
”取材を重ねる中で、よく想像したことがある。10年後か20年後か分からないが、甲状腺がんに限らず、健康被害を訴える人々がでたときにどうなるだろうかと。
そうならないのが一番良い。しかし、万が一、そのような状況になったとき、国や福島県はこの県民健康管理調査の結果を使って、「被曝との因果関係はない」と反論するのではあるまいか。そのとき、この県民健康管理調査がなんだったのか、調査内容がどう決まり、どこまで信頼できるものかが問われることになる。”
エピローグに記された言葉に、記者の一連の”秘密会”取材にかける意気込みを感じる。”秘密会”を必要とした県民健康管理調査検討委員会が何を守ろうとし結果として何を犠牲にしているのか。”科学的””客観的”であるとは何か、専門家の役割とは何かについても考えさせられる。多くの人に読んで欲しい。
Posted by ブクログ
福島県県民健康調査の検討委員会における事前協議、つまり秘密会のスクープ記事を書いた筆者の取材舞台裏と、調査のあり方に疑問を呈している。
これは安心のための調査が、不安、そして不信になっていく舞台裏でもある。いや、そもそも原案では「(放射線量の推定評価を行い)安全であるかどうかを確認」した上で「不安の解消」が目的であったのに、前者が抜けてスタートした時点で、不信を生み出していたのであろう。
検討委員会の配信映像を見ながら、納得いかないことも多くあったので、「あーーあのときの、あれか。やはりシナリオがあったんだな」と思い当たることも。
専門家たちが比較的前向きであった尿検査をやらないと主導したのは県であったことなど、どう考えても県側のスタンスは「面倒くさい」のか、「一日も早く大丈夫だということをアピールしたい」のか、彼らはどこを見て県政を担っているのか、疑問だらけである。
完全に職務怠慢であるし、県民に対する背信行為に思えるのだが。
巻末に検討委員会とオブザーバーの一覧が掲載されている。これを眺めていると、45名のうち女性はたった2名。甲状腺がんは子供を対象にした検査だというのに、これでは検討委員会に多くの母親の悲痛な叫びが想像できるはずもなかろう、と思った。
ネットが発達したこの時代、調査報道をきちんとしてくれることが既存マスコミの存在意義だとも感じた。
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