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危機における政策が満たすべき条件とは何か。被災者の「日常」を再建し、人々の権利・主体性を大切にしつつ、長期にわたる復興政策を正しくつくりあげるために不可欠の共通理解を探る。経済学・政治学をはじめ、現代の哲学・思想の原点に遡って徹底的に考える。
第1章 危機対応のための公共的選択の課題――《次善》の経済政策の構想と実装(鈴村興太郎)
1 危機対応のための公共的機構の課題――東日本大震災の教訓
2 社会的選択機構の設計と実装――標準的理論の点検作業
3 《最善》の性急な追求よりも《改善》の段階的な模索を
4 被災地を訪ねて考えたこと
第2章 政策決定の前提を疑え――復興政策の評価における価値基準(須賀晃一)
1 市場崩壊を生き残る倫理
2 政策評価の観点・情報的基礎・価値基準
3 功利主義の展開
4 復興政策を評価し選ぶための基準
まとめ:政策決定の前提を疑え
第3章 復興を支援することは,なぜ正しいのか――哲学・思想の先駆者に学ぶ(河野勝・金慧)
1 問いの構図
2 不運と不正義のあいだ――シュクラーの問題提起をめぐって
3 状況 vs 選択?――ロールズと「運の平等主義」について
4 憐れみか同情か――アーレントの感情論を手がかりに
5 結 論
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