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ロッキード事件を背景に日米の闇を描く
「俺たちは、切り捨てられたんだ。」
1976年、前総理逮捕。その裏側に日米関係の“陰”を追う者、隠そうとする者の熾烈な闘いがあった――。あの大疑獄事件に取材した、迫真の陰謀スパイ小説。
1974年、アメリカのヒクソン大統領がスキャンダルで辞任した。ヒクソン政権で国益のためには汚い手段も辞さなかった特別補佐官カール・サンドラーは、苛立っていた。政権の海外での非合法活動を追及する動きが止まないからだ。サンドラーは子飼いのCIA秘密工作員トム・ブロックを呼び、事態の収拾を命じる。一方、日本では「今太閤」と呼ばれた山本源太総理が金権政治家と批判を浴び、次第に追い詰められていた。そこにアメリカでの不正追及の余波が及び、CIAの日本人エージェント中井一郎は対処を迫られるが――。
1976年7月27日、田中角栄前総理逮捕から50年。ノンフィクション大作『ロッキード』の著者が、大疑獄事件に材をとった巨編。
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Posted by ブクログ
現代史の基礎知識が必要とされるかなり難しい小説だった。
1970年代半ばから現在も続くアメリカの日本遠隔統治の裏側を、ニクソンのウォーターゲートから田中角栄逮捕に至る一連の流れの中で、作者が現代の対アメリカ依存体質に警鐘を鳴らすかのような危機感を感じさせる迫力があった。
登場人物を架空の名前で描いてはいるが、ニクソン、キッシンジャー、三木武夫、福田赳夫、中曽根康弘、児玉譽士夫、丸紅、ANA、川崎重工など、小説の人物をこれらの名前に変換して読み、当時の事件の報道との乖離を改めて感じさせられた。
経済小説である事を前提として読んではいても、自国優先のアメリカ諜報機関がやりそうな…物語に説得力があった。
下山事件にまで遡る根の深さには、恐怖と共に嫌悪感を抱いてしまった。
救いのない事実を目の当たりにさせられ、そして深く考えさせられた小説だった。
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小説・文芸
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