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本を読むとはどういうことなのか。読んでいるとき、私たちは何を体験しているのか。「読書とは〈パフォーマンス〉である」という概念を手がかりに、小説、人文書、マンガからハウツー本、楽譜、レシピまで、幾多の学問領域を渡り歩きながら、この世に存在する様々な本について考える読書の哲学/美学。本を読むことが無条件によいものとされる現代で、読書の意味を問い直す試み。
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Posted by ブクログ
楽しい読書でした。
言わゆる読書術みたいなものではなく、本書で論じられる概念を利用して自分の読書の可能性を開拓するというような手触りの本。
「趣味は?」と聞かれて3番目くらいまでに「読書」が出てくるような人が読むと、特に実りがあると思う。とは言え本書は、読書に興味がある人に広く開かれている。
以下、自分の理解による概略(つまり面白かったポイント)です。
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本書では読書をパフォーマンスと位置づけ、少し距離を置いて考察できるように整える。
これによって、①自分が1冊1冊の本をどのように楽しんでいるかを反省的に観察できる、②パフォーマンスの巧拙を審査する(相対的な)基準を設けて自他のパフォーマンスを評価できる、ようになる。
①に関しては他者とのパフォーマンス比較(つまり感想のシェアなど)を通じて自分のパフォーマンスのクセや、自分がどんなふうな読書を楽しいと思うのかを考察できるようになるという点で有用だった。
②は言わゆる「読書が上手/下手」の話で、根本的にはどのように読んでも良いが、例えば本のジャンルごとにその特性ごとの読まれ方を考察し、それをその場での基準にして巧拙を評価することはできるだろう。小説と自己啓発本、雑誌、マンガ、楽譜では読み方がそれぞれに異なるはずで、全てを同じ「読書」として評価するのは無理がある。
第1章が総論(読書パフォーマンスとは何か?)で、以降は各ジャンルの本について「期待される読まれ方」の考察が行われる。もちろんその全てが腑に落ちる主張なわけではないが、読者はそこからいくらでも自分の「読書の哲学」を始めることができる。言わば本書は、読書に関するレシピ本なのである(この意味はぜひ第7章で)。
個人的には特に第6章の、マンガに関する考察が面白かった。マンガを読むのが読書と言い難いと思われているのはなぜか?について、独自でありながら明快で説得力のある主張がなされている。本だけど本じゃない、不思議な存在。これからマンガを読む際に見る視点が変わりそうだ。
Posted by ブクログ
面白かった。「読書」を「パフォーマンス」と捉え、様々なジャンルの本を読むことは、それぞれどのようなパフォーマンスをすることなのか。(小説、人文書、自己啓発書、楽譜、コーヒーテーブルブックなどなど...)
それぞれのジャンルに割り当てられた紙幅はそこまで多くないので、著者の言う通りそれぞれをさらに深く考えることが出来そうだし、楽しそう。その道具として有用な本だと思う。
最近、下北沢かどこかで、薄暗く仄かな間接照明によって照らされたこじんまりとした空間で、人々が集まって地べたに座りながらチルい音楽とともに各々読書をする、というイベントがあったらしい。それに対し、「自分に酔っているだけ」「ダサい」といった批判的な感想が多く見られた。
本書に照らして考えるならば、ただ「本を読む」というパフォーマンスだけではなく、「チルい場所で皆で本を読む」という、空間を含めた読書のパフォーマンスである。それが何故、自己陶酔といった「恥ずかしい」行為として受け取られるのだろう。受け取ってしまうのだろう。
最後の方の「書店」に対する著者の考え方、著者は本当に書店というものが好きなのだろうと、言葉を選びながらもその熱い気持ちが伝わってくる文章でよかった。確かに、独立系書店よりも一般的な書店、大きな書店ほど、社会の中で今どのような関心事や主張があるのか、その全てではないにしろ網羅的に知ることが出来る。普通、自分の関心事や主張とは違うそれらが実践されている場所に赴き、その内容を知ることは難しい、というか居心地が悪い。書店という多種多様であるが故に特定の思想を持たない「箱」があり、その中で自分の関心事や主張を大っぴらにしないままに他者のそれらを覗き見ることが出来る。それが書店の良いところである。すごくよくわかる気がする。
独立系書店に行った時に感じる、「独立系書店にある りがちな本」(フロムの『愛するということ』だとか)ばかりが並べられていることへのちょっとした嫌悪が自分にはあり(逆に、その本があることによって、そのような本を並べる書店のお洒落で知的な雰囲気を自分自身も纏っているように感じて嬉しくなることも否定できないけど)、それはそのような雑多な良さがないことによる嫌悪なのかもしれない。(嫌悪を感じている時点で著者の考え方とは違うかもしれないが)
Posted by ブクログ
本を読む、という所作全般を「読書パフォーマンス」として捉え、読書とは何か、本とは何かを考えていく。
内容はだいぶ難しいが、文体の柔らかさやわかりやすい例えが差し込まれているので、じっくりゆっくり読むとなんとかついていくことはできた。ただ、真に理解しているかは自信がない。日頃の読書も漫然と読むのではなく反芻しながら読むことで(つまり頭を存分使う)自分の中で何かしら変化があるかもしれないとは思った。
漫画はなぜ「本」とは言わないのかや、映画を観ることと本を読むことの違い、など立ちどまってよく考えてみると興味深いトピックはそれなりにあったので、もう一度読み返してみたいとは思った。
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