【感想・ネタバレ】本とは何か(新潮新書)のレビュー

あらすじ

本を読むとはどういうことなのか。読んでいるとき、私たちは何を体験しているのか。「読書とは〈パフォーマンス〉である」という概念を手がかりに、小説、人文書、マンガからハウツー本、楽譜、レシピまで、幾多の学問領域を渡り歩きながら、この世に存在する様々な本について考える読書の哲学/美学。本を読むことが無条件によいものとされる現代で、読書の意味を問い直す試み。

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Posted by ブクログ

「読書はパフォーマンス」というワンアイデアで全部押し切ってしまうスタンスが格好いい。章立ても自然な展開で、良質なエッセイのように、するっと頭に入りました。大満足。

佐々木マキのカバーイラスト(全面帯イラスト?)も素敵。

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2026年07月01日

Posted by ブクログ

楽しい読書でした。

言わゆる読書術みたいなものではなく、本書で論じられる概念を利用して自分の読書の可能性を開拓するというような手触りの本。

「趣味は?」と聞かれて3番目くらいまでに「読書」が出てくるような人が読むと、特に実りがあると思う。とは言え本書は、読書に興味がある人に広く開かれている。

以下、自分の理解による概略(つまり面白かったポイント)です。

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本書では読書をパフォーマンスと位置づけ、少し距離を置いて考察できるように整える。

これによって、①自分が1冊1冊の本をどのように楽しんでいるかを反省的に観察できる、②パフォーマンスの巧拙を審査する(相対的な)基準を設けて自他のパフォーマンスを評価できる、ようになる。

①に関しては他者とのパフォーマンス比較(つまり感想のシェアなど)を通じて自分のパフォーマンスのクセや、自分がどんなふうな読書を楽しいと思うのかを考察できるようになるという点で有用だった。

②は言わゆる「読書が上手/下手」の話で、根本的にはどのように読んでも良いが、例えば本のジャンルごとにその特性ごとの読まれ方を考察し、それをその場での基準にして巧拙を評価することはできるだろう。小説と自己啓発本、雑誌、マンガ、楽譜では読み方がそれぞれに異なるはずで、全てを同じ「読書」として評価するのは無理がある。

第1章が総論(読書パフォーマンスとは何か?)で、以降は各ジャンルの本について「期待される読まれ方」の考察が行われる。もちろんその全てが腑に落ちる主張なわけではないが、読者はそこからいくらでも自分の「読書の哲学」を始めることができる。言わば本書は、読書に関するレシピ本なのである(この意味はぜひ第7章で)。

個人的には特に第6章の、マンガに関する考察が面白かった。マンガを読むのが読書と言い難いと思われているのはなぜか?について、独自でありながら明快で説得力のある主張がなされている。本だけど本じゃない、不思議な存在。これからマンガを読む際に見る視点が変わりそうだ。

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2026年06月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

本を読むことだけが偉いのか?と思っているところにこの本と巡り会えた。
本を読むという行為を、読む対象ごとに分類しその営みについて考えている。例えば雑誌では、いわゆる小説などとは違って時間軸が読者に共有されている。
漫画は「本を読む」に含まれているのか?発行部数ベースだと出版社に寄与している功績は無視できない。
音楽にしかり、自らが精通している人間でないと批評はしづらい。漫画を描いている人は少ないから、評価という行為が難しい(いや、小説や新書も書いてる人が少ない気がするが。)

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2026年07月26日

Posted by ブクログ

「読書の素晴らしさばっかり言う本に飽きてきた」という書店員さんの言葉をきっかけにして、本を読むことにはネガティブな側面もあるのではないか…と考えた著者が、本を読むこと、ひいては本とは何かを考えた一冊。

物語が共感能力を高める、人間理解に役立つ、というのは本の効能としてよく取り上げられる点だが、著者はそれを批判する。
グレゴリー・カリーという哲学者の説を紹介しながら、物語への共感が現実の人間への共感や援助行動とはほとんど関係がないことを述べている。
本を沢山読んでいるであろう著名な学者や小説家でも差別的な言動をする人がいくらでもいるので、この説には納得する。自分自身を振り返っても、本を読んだことで他人に優しくなれたか…といわれると、そんなことは全然ないのだ(優しくなりたいとは思っているけど…)。

もちろん、著者は読書が私たちの生活と人生を豊かにしてくれることを良く分かっているし、本自体を大好きなことも伝わってくる。私も本は大好きだ。
「物語は、私たちがじっくりと他人や世界について考えるためのパートナーになってくれるけれど、「言うことに従っていれば間違いのない絶対の師匠」でもなく、「それを飲めば頭が良くなるサプリ」でもない。結局のところ、私たち自身がじっくりと頭と心を使うための道具に近い」と著者はいう。このことをしっかり忘れないようにしたいと思う。

また、こういった読書論の本には珍しく、ハウツー本・雑誌・マンガ・楽譜・レシピ本を取り上げて論じているのが新鮮で面白かった。

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2026年07月25日

Posted by ブクログ

読書とは何かを『パフォーマンス』という言葉を用いて、書籍の種類ごとに意味を見出している。
読書好きには、新たな着眼点ができて本書を読むことができて満足している。

書籍の種類は
物語、難しい本、ハウツー本、雑誌、マンガ、楽譜や料理本。さらに、コーヒーテーブルブック(名前があることを初めて知りました)
上記内容についてである。

特に昔から好んで読んでいた(最近では読みすぎて?同じことしか書いていないように思えるから読まなくなった)
ハウツー本について章が印象的であった。

『ハウツー本は文章でできた変身ベルト』

『変身ベルト』という言葉は共感できたし、ハウツー本は何か悩んでいたり、新しい自分になりたかったりするときに読む本だと思う。
昔は時間に執着していおり、時間についての本を片っ端から読んでいた。今では時間と向き合うことができていて、時間のコントロールも割とできるようになった。過去に比べて良い方向に変身できたのかな?と思う。

このようにそれぞれの書籍についてのパフォーマンスとともに、読書するだけに限らず、書棚を整理したり、本屋さんを巡ることも読者パフォーマンスと説いている。

それぞれの書籍や時間、感情も含めて、自分は今どのようなパフォーマンスをしているのか考えながら読書するのも悪くないなと思わせてくれた本書であった。

渚にて は読んでみたいなと思った

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2026年07月23日

Posted by ブクログ

あとがきに「紙の本の話ばかりになった。もしかすると、いずれ、デジタルな本とは何かについて書かなければならないかもしれない。」(p.224-225)とあるように、電子書籍には触れられていなかった。電子書籍は本なのでろうか、インターネット上にあるWebサイトはどういった読書パフォーマンスをしているのか、そういった点に関しても著者の意見を知りたいと感じた。

『本とは何か』というよりも『読書パフォーマンスとは何か』というタイトルの方がしっくりくるような気がする。

「おそらくe5489はUI /UXのずぶの素人が設計したのだろう。」(p.149)と言う辛辣な言葉に少し笑ってしまった。そして共感をしたのも事実。どうにかもう少し使いやすい設計にして欲しい、、、

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2026年07月17日

Posted by ブクログ

本文から引用させていただきます。


P46
【本を読まないあいだもその本のことを考え続けることができて、ある意味で、その本の雰囲気のなかに日常をわずかでも浸しているような状態になれるからだ。本の世界が日常を浸食してくる感覚】

すごくわかります。昔すごく好きな雰囲気の恋愛小説を読んだ時、その世界に入り込みすぎて、数日間放心状態になったことがあります。読んでない時間こそ本の世界に意識が飛んでいってる気がします。

読書することを違う視点で考えられたのが、面白かったです。

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2026年08月03日

Posted by ブクログ

読書を、いわゆる今までの枠組みの中だけでなくさまざまな観点で、どのようなパフォーマンスがあるのかを論じた本。
本をこういった観点から見たことはなかったので、視点の新鮮さは興味深かった。
特に積読や本屋の棚、自宅の書棚について、確かにそれを読むだけでなく眺めることによりその並びに触発されて色々な新たな考えが出ることは確かにあるよなぁと実感。
ハウツー本についても、言われてみれば確かに!という感じがした。
ただそもそも私自身が雑食かつ偏食かつまぁまぁ多食な方だと思うので、ふむふむと納得して終わってしまった感じがある。

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2026年07月31日

Posted by ブクログ

様々なジャンルの本について、それぞれの楽しみ方や効能がまとめられていて面白かった。

ただこの本の帯に書いてある「読書ってそんなにえらいのだろうか」については、そこまで多様な効果があるなら、やはり「いいもの」に分類されるのでは?

そもそも、このトピックについて読書家が論じるというバイアスがかかっている。
読書の明確なデメリットや、読書しない人の視点については議論していただろうか?自分が見落としていただけか?

もうちょっとフラットな目線で考えてみるともっとおもしろくなると思う。

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2026年07月24日

Posted by ブクログ

読書とは知識を得るだけでなく、一種の「パフォーマンス」であり、読む目的や期待によって上手い・下手が決まるという独自の視点で読書を語る一冊。物語は人や世界を楽しみ、ハウツー本は「変われる予感」を与え、マンガも立派な読書として価値があると述べている。一方で、内容はエッセイ色が強く、「読書とは何か」を考えさせられる印象だった。自分としては、読書前に目的を明確にすることが最も重要だと改めて感じた。

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2026年07月19日

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