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戦後日本を女性たちはどのように生きたのか.黒柳徹子,土井たか子,田辺聖子,吉永小百合など,男性優位の社会に多くの女性たちの声を媒介し,支配的な価値観に風穴をあけてきた一二人の女性たち.日々紡がれた〈文化としての民主主義〉の諸相を描き,男性中心の戦後史の語りを読みかえる.雑誌『世界』の連載に大幅加筆.
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Posted by ブクログ
日本の総理大臣として初めて女性としてその地位に着いた高市早苗氏。女性の社会進出が遅れ、先進国中でも男女不平等な国として見られる日本であるが、漸く漸くといった感じだ。だが、社会を広く見れば、企業における女性管理職の数にしても、政治家の女性比率にしても、給与面の不平等にしても、何をとっても日本はG7中最...続きを読む下位であるだけでなく、世界全体から見ても男女の不平等を表すジェンダーギャップ指数は圧倒的に低い(世界経済フォーラム「Global Gender Gap Report 2025」より)。確かに私の所属する会社でも、女性役員や部長職は男性のそれと比べるとまだまだ少ないし、所属部署には100名近い人員が居るが、残念ながら女性管理職はゼロという極めて男性職の強い組織になっている(女性社員数は多いが)。 その様な現代においても尚、女性の社会進出という点では未成熟とも言える状況にある中、1945年以降の戦後日本社会に於いて、目覚ましい活躍を遂げた女性たち12名にフォーカスを当てているのが本書である。名前を挙げれば、「おたかさん」の愛称で政治の世界で活躍した土井たか子氏。「白い巨塔」や「大地の子」「沈まぬ太陽」など数々の名作を生み出した山崎豊子氏。私も愛用しているが料理愛好家(料理研究家ではない)の平野レミ氏。日本のお昼時に欠かせない「徹子の部屋」から毎日楽しいトークを提供し続ける黒柳徹子氏など、誰もがその名を知る女性たち12名を題材に、その生い立ちやその後の活躍を振り返っていく。 どの女性にも共通しているのは、素直に感じたこと思い描いたことをそのまま飾らずに表現し、実に明瞭に行動に移す姿だ。勿論そうした活躍した人を題材にしているから、当たり前の事だと思うかもしれない。だが激しい競争社会に身を置き、時には他者を蹴落としたり、騙しあったりする獰猛な男性社会の中には、中々見られない様な自然な姿がそこにはある。実に自然で身近で、どこにでもある感覚。それでいてここに紹介される女性たちが信念に導かれるままに強く生きている姿はとても美しく輝いている。 これから先、日本も女性活躍が進んでいく事は間違いない。高市総理を始め、歴史に名を残す女性が次々と現れるだろう。だが本来的な話で言えば、敢えて女性として取り上げるのではなく、性別に関係なく紹介される世の中が来る日も近い。まずはこれまでの必ずしも男女平等とは言えない社会に生きた偉大な女性たちを見ながら、将来の日本社会での女性の更なる活躍を楽しみにしたい。
最近の国内外のニュースを見ていると、田辺聖子さんの「ほんまかいな?」という言葉が頭をよぎる。防衛費の拡大、憲法九条の改憲論議、核の抑止力……。軍靴の足音が、少しずつ近付いて来ているように感じるのは私だけだろうか。 この本に出てくる12人の女性たちを見てると、彼女たちの「戦後」はまだ終わっていないん...続きを読むだなって思う。男性中心の社会で、自立して平和を切り拓いてきた彼女たちの行動力は本当にすごい。そしてその力強さに圧倒されてしまう。 特に黒柳徹子さんの「子どもを泣かせない」という覚悟、田辺聖子さんの「笑って生き抜く勇気」とユーモア、そして吉永小百合さんの「原爆詩の朗読」と「戦後が続いてほしい」という祈り。みんな「自分にできる小さなこと」から始めるフットワークがすごく軽くて、信念があって格好いいんだよね。 もし戦前、土井たか子さんの「護憲」や中山千夏さんのような「個」の声が政治に届いていたら、日本はあんな破滅的な道を辿らなかったのではないか……そう思わずにはいられない。 ロシアや中東の紛争が続く現代、「新しい戦前」に一歩足を踏み入れているのかもしれない。 国家という大きな力に個人は微力に見えるけど、まずは【自分にできる一歩】を始めること。それが、彼女たちから受け取った平和のバトンを繋ぐ鍵であり、「あなたなら何が出来る?」という問い掛けなんだと思う。 私に出来ることは少ない。「知ること」を止めないことと、定期的に行っている献血で大切な誰かの命の繋ぐ一助になればと願っている。
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彼女たちの「戦後」 12人の肖像
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山本昭宏
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