あらすじ
戦後日本を女性たちはどのように生きたのか.黒柳徹子,土井たか子,田辺聖子,吉永小百合など,男性優位の社会に多くの女性たちの声を媒介し,支配的な価値観に風穴をあけてきた一二人の女性たち.日々紡がれた〈文化としての民主主義〉の諸相を描き,男性中心の戦後史の語りを読みかえる.雑誌『世界』の連載に大幅加筆.
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Posted by ブクログ
最近の国内外のニュースを見ていると、田辺聖子さんの「ほんまかいな?」という言葉が頭をよぎる。防衛費の拡大、憲法九条の改憲論議、核の抑止力……。軍靴の足音が、少しずつ近付いて来ているように感じるのは私だけだろうか。
この本に出てくる12人の女性たちを見てると、彼女たちの「戦後」はまだ終わっていないんだなって思う。男性中心の社会で、自立して平和を切り拓いてきた彼女たちの行動力は本当にすごい。そしてその力強さに圧倒されてしまう。
特に黒柳徹子さんの「子どもを泣かせない」という覚悟、田辺聖子さんの「笑って生き抜く勇気」とユーモア、そして吉永小百合さんの「原爆詩の朗読」と「戦後が続いてほしい」という祈り。みんな「自分にできる小さなこと」から始めるフットワークがすごく軽くて、信念があって格好いいんだよね。
もし戦前、土井たか子さんの「護憲」や中山千夏さんのような「個」の声が政治に届いていたら、日本はあんな破滅的な道を辿らなかったのではないか……そう思わずにはいられない。
ロシアや中東の紛争が続く現代、「新しい戦前」に一歩足を踏み入れているのかもしれない。 国家という大きな力に個人は微力に見えるけど、まずは【自分にできる一歩】を始めること。それが、彼女たちから受け取った平和のバトンを繋ぐ鍵であり、「あなたなら何が出来る?」という問い掛けなんだと思う。
私に出来ることは少ない。「知ること」を止めないことと、定期的に行っている献血で大切な誰かの命の繋ぐ一助になればと願っている。