人は何のために生きるのか。苦しみと悲しみの極にあるとき、人はどのように生きる意味を見出せばよいのか。人間の「生きがい」について深いまなざしを注いだ精神科医・神谷美恵子。彼女自身も様々な苦悩や葛藤のなか、生涯をかけて自らの生きがいを懸命に追い続けていた。その日記にはときに自分らしい生への熱く激しい渇望が、ときに日常にひそむ人生の静かな喜びが、いきいきと語られている。人が本当に生きるとはどういうことなのか、読む者の心に深く問いかける真摯な魂の記録。
- ジャンル
- :
- 小説 / 国内小説
- 出版社
- :
- KADOKAWA / 角川書店
- 掲載誌・レーベル
- :
- 角川文庫
- 電子版発売日
- :
- 2014年02月21日
- コンテンツ形式
- :
- EPUB
- 対応端末
- :
-
- Lideo
- Win PC
- iOS
- Android
- ブラウザ
ユーザーレビュー
Posted by ブクログ 2018年11月25日
"思慮深い言葉、愛情、勤勉、育児、医学への情熱などなどがつづられている。
1939年から1979年までの40年間のごく一部の日記。
学問へ取り組む矜持も素晴らしいし、家族へ投げかける愛情も伝わってくる。
神谷さんはハンセン病診療所長島愛生園で患者と向き合いった精神科医。
この方が記した本...続きを読む
Posted by ブクログ 2013年04月06日
「学ぶ」ということにこれほど切実に実直に真摯に向かっている人を僕は知りません。
身が引き締まる思いです。
Posted by ブクログ 2010年06月30日
「私は自分一個のためにもう十分苦しんだ。今はもはや、自分のために苦しんでいる時でも喜んでいるときでもない」
「科学者として何をなしえずとも、芸術家として日々生きていくことはできる」
「人は思索を深めるほどに、思索したことを書きたいという思いを強くする」
果たして、生涯を通じてこれほどまでに考え続け...続きを読む
Posted by ブクログ 2006年03月05日
「生きがいについて」を読む前にこちらを読むことにした。彼女の文章は本当に真に迫るものがあり、迫力を感じる。心から湧き出てくる言葉といった感じがする。
私が感銘を受けたところは、女性というものの生き方についてだ。自分の中の男性的な部分と女性的な部分との間の葛藤が描かれていて、それは現代女性の多くが共...続きを読む
Posted by ブクログ 2018年02月20日
神谷美恵子 25歳から65歳までの日記
苦しみながら 生きていたことがわかる。苦しみに耐えられたのは 神と対話し、自分で叱咤激励しながら、社会的使命を全うしようとしたから。自身の医師や翻訳者としての功績を誇った記述はない。自己評価が厳しすぎる
エリートの弱さを自分で克服した記録としても読める
時...続きを読む
Posted by ブクログ 2015年09月24日
すごい人間だなぁとただただ。
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軋轢のある、神経の緊張した、なやみの多い世界でないとだらぢがなくなる。
こういう大きな目的に向かうからには、それ相応に犠牲の要求せらるることもあろうことを、ここに改めて覚悟する。よろしいか
利他的に衝動とともに、純粋な(学問的・美学的)が私に存する。私がもし...続きを読む
Posted by ブクログ 2012年05月24日
もともと日記文学が好きなのと、ヴァージニア・ウルフ研究者という面で、どんな方か興味があったので、彼女の他の著作はまだ読んだことがなかったが、読んでみた。
書きたい、表現したいと強く思っている人によくある葛藤の日常と、医療従事者として、家庭の主婦としての三つ巴の高い志は、少女のころから亡くなるまで変わ...続きを読む