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どこかの記憶はあなたの記憶
彼女が噓のつもりで適当に言った不気味なローカル番組は実在し、しかも彼女自身も出演していた(「二つの真実と一つの嘘」)。飛び込んだ人間がたまに消える池で行方不明になった兄の思い出(「センチュリーはそのままにしておいた」)。バラッドの謎を解き明かそうとするネットユーザーたちは、その歌に秘められた恐ろしい意味に気づきはじめる(「オークの心臓集まるところ」)。6人のガールスカウトたちのわたしたちがキャンプで体験したこと(「科学的事実!」)。
迷っても、しっかりと着実に、奇想と現実の狭間を歩む。もっとも新しく、もっとも懐かしい、記憶を揺さぶる奇想短篇集。
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Posted by ブクログ
奇想幻想、不気味、SF、ファンタジー、モキュメンタリーなど、それぞれ毛色は違いながらも、その結末には登場人物たちの芯の通った意志や決意に触れられる。そんな短編集だった。
全体的に話は暗めかも。私は好きな雰囲気や設定だった。いくつかの話に見られる、強者や社会に対して、虐げられし者が抗い闘う展開には胸が打たれた。
どの話も素晴らしいが、冒頭に据えられた、不気味で魅力的な「二つの真実と一つの嘘」、「われらの旗はまだそこに」、「わたしのためにこれを覚えていて」、「オークの心臓集まるところ」が特に好き。
以下もくじ。
二つの真実と一つの嘘
われらの旗はまだそこに
ぼくにはよく、騒音の只中に音楽が聞こえる
宮廷魔術師
今日はすべてが休業してる
センチュリーはそのままにしておいた
ケアリング・シーズンズからの脱走
もっといい言い方
わたしのためにこれを覚えていて
山々が彼の冠
オークの心臓集まるところ
科学的事実!
Posted by ブクログ
12作品の短編集。ホラー要素もファンタジー要素もありながら、ディストピアなSFもあって不思議な読み心地だった。
「二つの真実と一つの嘘」は怖かった。不気味なお話をするアンクル・ボブは一体何者なのか。虚言癖のある主人公を信用することもできず、何が本当のことなのかが分からなくなっていって引き込まれた。
「われらの旗はまだそこに」「今日はすべてが休業してる」「ケアリング・シーズンズからの脱走」は、読んでいて心をかき乱された。求められる愛国心、住民同士で監視し合う社会、主権を奪われた登場人物たちを見ていると、他人事には思えない。出来事の一つひとつがとてもリアルに感じられる。どれも絶望のなかでひと筋の希望があることが救いだった。希望がないと人間は生きられない。
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小説・文芸
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