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Posted by ブクログ
大塚英志氏の集大成と言える内容で、新書とは思えないボリュームである。著者が追い続けていた「手塚治虫」と「柳田国男」の手法や表現の文脈が、一つの歴史的背景に収束する。本書はその特異点的「エイゼンシュテインのモンタージュ論」が、戦時下の日本でどのように「歪み」を生み、空虚な日本を形成したかを主題として説き、その大きな流れが戦後マンガの礎となった事を指摘する。
固有名詞や人物が多く登場する本書だが、平易な文章であるので読みやすい。そして何より私が感じるのは、大塚氏の本流はやはり「戦後マンガ」の文脈を理解し、後世に伝えていきたい、ということであり、それはマンガに対する「愛」である。そして、その愛すべきマンガがどのように形成されていったかを自認することで、表現とは毒に薬にもなりえることを忘れてはいけない、ということを伝える。
「プロパガンダ」とは、プリミティブなものとして我々に届いてしまう。だがそれは人に感動を届ける手法にもなり得るのだ。
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