無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで200万冊以上配信中!
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
戦後、敗戦国の一員でありながらGHQと対立し、政界追放までされながら見事に返り咲き首相まで務めた石橋湛山。小日本主義をその理念とし、軍備縮小、平和国家、国民皆保険などの福祉国家の礎を築いた人物である。小日本というと聴こえはあまり良くないが、戦前の大東亜主義に対立し、軍事によるアジアへの拡大を目指すのではなく、あくまで軍事は小さく、外交•通商により世界を目指す考え方である。だから、戦後は中国との友好関係を築くために力を注ぎ、その後の日中国交正常化に繋がる流れを作った一人と言える。
石橋湛山は言わずと知れた東洋経済新報社の主筆を務めた人物であり、戦時中も帝国主義、軍国主義、ファシズムを強烈に批判し、ヒューマニズム、自由主義を掲げ続けた。戦争終結直後にも戦後の日本を憂うのではなく、新しい社会が開ける機会ととらえた石橋。一時はライバル吉田茂が裏で手を引いたとも言われる、GHQの公職追放を受けたが、第一次鳩山内閣では通商産業大臣に就任、アメリカとの対立がありながらも、共産圏のソ連との国交正常化や中国との通商の重要性を訴え続けた。その後、保守合同により鳩山の民主党と緒方竹虎の自由党の合同により、現在の自由民主党が設立されている。勿論、石橋も結党時からのメンバーである。
一言で石橋を表すなら闘う政治家であり、自身の主張、主義を変えず一心に国のために身を投じた政治家である。それは戦時中の帝国主義批判などからも垣間見えるが、自らが首相として内閣を率いた際にも、病気により早期に退陣を決意し、あっさり次の岸信介に譲り渡すなど、その潔さには「政治家はかくありたい」と評された人物である。首相在籍期間は短かったが、その後も政治に関わり続け、亡くなった後も石橋湛山派と呼ばれる様な信奉者を多く集める存在であった。
本書はその孫弟子である元衆議院議員の田中秀征氏と評論家佐高信氏との対談形式による石橋湛山を語る内容となっている。戦後政治の流れを湛山中心になぞっていく内容であるが、それはそのまま現在の自民党に続く紆余曲折の歴史の背景を理解する事につながる。対談する二人の言葉から湛山が日本の未来をどの様に予測し、国家のあるべき姿をどう描いていたのかを理解することができる。「いまよみがえる保守本流の真髄」という副題が示す通り、上辺だけではない、信念を貫いて真の保守主義を貫いた大人物の生き方、考え方を現代の政治家と比較しながら見ていくと非常に面白い。「政治家かくありき」を知る良い機会になる。
Posted by ブクログ
田中秀征の見識の高さは時代変わるも衰えず、と言ったところだが、受け手の佐高信が酷すぎる…。隙あらば今の自民や岸信介叩きに無理やり繋げようと平気で腰折ろうとしてくるので最早対談として成り立たないのだが、田中が上手くかわすのでなんとかなっている印象。
湛山思想そのものについて大きな異論はないが、石橋政権があのまま持続したとしてその理想を貫けたかにはかなり疑問が残る。国連軍創設などに当時主流派だった三木・松村派がついてくるとは思えず、そうなると岸派の取込みを行わなければならないので相当の制限を受けるのではないか…そもそも組閣であそこまで苦労していたという事実が抜けていると思う。
あと「自民党本流」と言う造語の定義に執着しすぎるあまり乱暴なカテゴライズになってしまっている感も否めない。湛山をいくら保守本流扱いしようとしたところで相当程度鳩山についていたことは否定できないし、細かく見ると全然噛み合ってない福田赳夫と中曽根康弘を同根扱いするのもどうかなぁと。
田中秀征が岸信介をけっこう高く評価してるのは意外だった(話題を振って岸叩きに持ち込んでやろうと舌なめずりしてた佐高が思惑外れてバツが悪そうにしてるのが文章からでも読み取れて面白かった。)
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
ビジネス・実用
ビジネス・実用
小説・文芸
ビジネス・実用