あらすじ
世襲、裏金、カルトとの癒着、経済失政、そして、アメリカに何もものが言えない自民党政治。この自民党の源流は岸信介・清和会にあると言える。しかし戦後、岸やGHQとも一線を画す、保守本流の源流となった政治家がいた。石橋湛山。その湛山に今、国内外から注目が集まっている。そこで湛山の孫弟子である元衆議院議員の田中秀征と、湛山に関する著作もある評論家の佐高信が、彼の思想や真髄を語り、日本政治に必要な保守本流の考え方、政治家像、日本はこの先世界でどうふるまって行くべきかという改革の方向性を語り尽くす。
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Posted by ブクログ
日本の生き残る道が書いてある。教育と科学と歴史認識だ。これは湛山が戦前から言ってきたこと。通用すると思ったし、最後の希望だ。いまの自民党には、利権と米国従属とニセの経済効果などなどひとくくりに腐りきった組織のレッテルを貼っていた。しかし自民党には湛山からの系譜もあった。そのひとりで著者である田中さん、衆院選の社民党応援演説で知った佐高さん、熱い。よみがえらせるのは大変なことだが、なんとか応援したいと思った。
Posted by ブクログ
石橋湛山、自由主義者。保守本流。自民本流とは過去の戦争を反省せず、戦前の日本の侵略、15年戦争を肯定的に見てる人たち。保守本流は戦争は過ちであり、憲法擁護の立場に立ち9条を実践し経済を重視する立場の人たち。
Posted by ブクログ
何とかファーストが生まれた発端は、やはり政治。文化や研究さらには経済、そういった部分が痩せ細っていったのは、結局、政治ではなく、政局だけにエネルギーを奪われていたから。
それは独善的な固執でしかないのでは? そういう「保守」が多すぎる。たぶん左だけでなく、右も見えなくなっている。
Posted by ブクログ
湛山の思想が語られている。
小日本主義をユートピアで終わらすのか。
現実、現状認識から逃避しない覚悟が、
私たち一人ひとりに今求められている気がする。
Posted by ブクログ
田中秀征の見識の高さは時代変わるも衰えず、と言ったところだが、受け手の佐高信が酷すぎる…。隙あらば今の自民や岸信介叩きに無理やり繋げようと平気で腰折ろうとしてくるので最早対談として成り立たないのだが、田中が上手くかわすのでなんとかなっている印象。
湛山思想そのものについて大きな異論はないが、石橋政権があのまま持続したとしてその理想を貫けたかにはかなり疑問が残る。国連軍創設などに当時主流派だった三木・松村派がついてくるとは思えず、そうなると岸派の取込みを行わなければならないので相当の制限を受けるのではないか…そもそも組閣であそこまで苦労していたという事実が抜けていると思う。
あと「自民党本流」と言う造語の定義に執着しすぎるあまり乱暴なカテゴライズになってしまっている感も否めない。湛山をいくら保守本流扱いしようとしたところで相当程度鳩山についていたことは否定できないし、細かく見ると全然噛み合ってない福田赳夫と中曽根康弘を同根扱いするのもどうかなぁと。
田中秀征が岸信介をけっこう高く評価してるのは意外だった(話題を振って岸叩きに持ち込んでやろうと舌なめずりしてた佐高が思惑外れてバツが悪そうにしてるのが文章からでも読み取れて面白かった。)