あのころの僕は

あのころの僕は

1,760円 (税込)

8pt

4.3

いつかきっと、いろんなことがわかるようになる。
母を病で失った五歳の「僕」は、いくつかの親戚の家を行き来しながら幼稚園に通っていた。大人たちが差し出す優しさをからだいっぱいに詰め込み、抱えきれずにいた日々。そんなとき目の前に現れたのは、イギリスからやってきた転入生のさりかちゃんだった。自分と同じように、他者の関心と親切を抱えきれずにいる彼女と仲良くなった「僕」だったが、大人たち曰くこれが「初恋」というものらしく……。
コンビーフのサンドイッチ、ひとりぼっちのハロウィン、ひみつの約束、悲しいバレンタインデー。
降り積もった記憶をたどり、いまに続くかつての瞬間に手を伸ばす。
第36回三島由紀夫賞候補作、第45回野間文芸新人賞候補作となった『息』に続く、注目の若手による最新中編。

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あのころの僕は のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    幼くして母を亡くした天は、父だけでなく、えり叔母さん、ゾウのおばあちゃんそして父方の祖父母達の家で過ごす。幼いながらも自分の今の状況を観察する天。5歳の時イギリスから来た、さりかちゃんとゲームの世界に没頭するのだが。小池水音さんの作品、今回もとても良かった。

    0
    2025年03月16日

    Posted by ブクログ

    いまだに忘れられない言葉があって
    いまだに忘れられない視線がある
    この本を読んでいて、そんなことを思い出した

    胸なのか頭なのか分からないけど
    身体のどこかに眠る記憶
    忘れはしても
    大事でなくなったとは違うのだ

    0
    2025年01月20日

    Posted by ブクログ

    繊細な話。
    5歳の子どもらしい未整理な心の中を16歳となった天が振り返るだけなのだが、5歳の天の心の揺れや成長、周囲の大人たちへの距離感、踏みだすまでの逡巡などが見事に表現されていて、心を揺さぶられた。読みながら、父で、ゾウのおばあちゃんで、叔母さんで、様々な立場から天を見まもるような気持ちだった。

    0
    2025年01月08日

    Posted by ブクログ

    自分が幼かった頃の気持ちを思い出す作品。

    大人もそうなのかもしれないが、子ども時代にどのような人と出会うかということは、その後の人生に大きく影響を与えるものだと思える。

    天くんもさりかちゃんも、そのときに出会って、濃密に過ごした時間は、貴重なものだったのだろう。

    ただ、私にはこの方の文章は少し

    0
    2025年03月06日

    Posted by ブクログ

    「僕」は五歳の時、母を病気で亡くした。以来、2軒の祖父母の家、叔母さんの家を行き来して過ごす。
    ある時、通っていた幼稚園にイギリス帰りの「さりかちゃん」が転入してくる。
    両祖父母も叔母さんも、何不自由なくこの上なく僕を慈しみ、大事にしてくれる。
    そんな生活の中のにさりかちゃんが入ってきた。
    外国暮ら

    0
    2025年01月17日

    Posted by ブクログ

    お母さんはなくなってしまったけど、たくさんの愛情で育てられた主人公。子どもの心情が繊細に描かれていて、文章に惹きつけられた。朝焼け前の青の描写も素晴らしい。あの場面は感動した。
    ゾウのおばあちゃんの娘に対する愛情も切なくなった。
    ラストはさりかちゃんに会えたのかな?どんな話をしたんだろう。

    0
    2024年12月22日

    Posted by ブクログ

    母を失った5歳の天(テン)。おそらくその年齢から、悲しいとかそういうこともよくわからないまま、でも、父、叔母、祖父母に囲まれて暮らしています。そんな天が転入生のさりかと出会う物語りだったと思います。幼少の言語化が拙い時期の気持ちを描いた美しいストーリーと思いました。星3つです。

    #美文

    0
    2024年12月17日

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