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いつかきっと、いろんなことがわかるようになる。
母を病で失った五歳の「僕」は、いくつかの親戚の家を行き来しながら幼稚園に通っていた。大人たちが差し出す優しさをからだいっぱいに詰め込み、抱えきれずにいた日々。そんなとき目の前に現れたのは、イギリスからやってきた転入生のさりかちゃんだった。自分と同じように、他者の関心と親切を抱えきれずにいる彼女と仲良くなった「僕」だったが、大人たち曰くこれが「初恋」というものらしく……。
コンビーフのサンドイッチ、ひとりぼっちのハロウィン、ひみつの約束、悲しいバレンタインデー。
降り積もった記憶をたどり、いまに続くかつての瞬間に手を伸ばす。
第36回三島由紀夫賞候補作、第45回野間文芸新人賞候補作となった『息』に続く、注目の若手による最新中編。
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Posted by ブクログ
「僕」は五歳の時、母を病気で亡くした。以来、2軒の祖父母の家、叔母さんの家を行き来して過ごす。
ある時、通っていた幼稚園にイギリス帰りの「さりかちゃん」が転入してくる。
両祖父母も叔母さんも、何不自由なくこの上なく僕を慈しみ、大事にしてくれる。
そんな生活の中のにさりかちゃんが入ってきた。
外国暮らしが長く、あまり周囲に溶け込めないさりかちゃんとの距離は徐々に縮まり生活の大半はさりかちゃんと過ごすようになる。
5歳から6歳にかけての半年ほどの期間の出来事やその時の気持ちなどを大きくなった(高校生くらい)の僕が回想している。
その時々、思っていたこと、考えてきたこと。
優しく接してくれる大人たちに対する思い、妻を亡くしなかなか立ち直れない父に対する態度、少し大人びてしっかり者のさりかちゃんと過ごす楽しい時間とだんだんずれていく感覚。
5歳や6歳にしたら決して大人が思う無邪気さもなく、5歳や6歳だから気持ちや思いは十分に言葉にできず、伝えることができないもどかしさ・・・
そういうすべてのことを大きくなった僕は思い起こしている。
それはどんな気持ちだろう。
後悔ではないだろうし、肯定もしないし、当時に戻りたいわけだもないだろうし。
まだまだ続いていく未来につながるものであって欲しい。
あの頃の僕は若すぎて
君の気まぐれが許せなっかた
そんな君のやさしさは
大人びていました
(作詞・伊勢正三)
こんな歌がずっと頭の中で流れていました
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