万葉考古学

上野誠

近年、あいつぐ古代遺跡の発見。多くの遺跡は、奈良と大宰府へと続く道沿いに点在している。その遺跡や道は、万葉集の舞台でもある。都が置かれた奈良はもちろん、大伴旅人・山上憶良らが活躍した九州では、「筑紫歌壇」ともいうべき文芸サロンの花が咲いた。大宰府や松浦などの地名が歌に詠まれるのは、そのためだ。考古学の視点で万葉集を読み解くと、どのような風景が見えてくるのか。都市や交通、境界をテーマとして、第一線の研究者が、今、万葉の世界に迫る画期的な試み。

• カテゴリ: ビジネス・実用
• ジャンル: 学術・語学 / 哲学・宗教・心理
• 出版社: KADOKAWA
• 掲載誌・レーベル: 角川選書
• 電子版発売日: 2022年11月24日
• コンテンツ形式: EPUB
• サイズ(目安): 30MB

[ブクログ · ★★★★☆]

考古学との協同による新たな万葉研究の可能性を提示する論集。都・筑紫・吉野といった万葉集の舞台となった各地の考古学の成果を踏まえ、詠歌の現場となる世界観へと迫る内容が興味深かった。本文外の関係遺跡も巻末小辞典に紹介されていて助かる。